*** 本ページの目次 *** 1.基本情報 2.諸元 3.探訪レポート 4.補足 5.参考資料 |
1.基本情報
所在地
群馬県邑楽郡大泉町朝日5-24-1
2.諸元
3.探訪レポート
2019年1月23日(水)
⇒前回の記事はこちら
大泉町文化むらにやってきました。
敷地内にはいくつかの建物があるようです。
埋蔵文化財展示室がある展示ホール棟へ行きます。
思っていたよりも立派な建物ですよ。
入館は無料ということでお邪魔します!
ショーケースに単独で展示されている人物埴輪がひときわ目立ちますね。
複製品ということですが、古海からは結構凄いのが出てるんですね。
しかし、いつも思うのは、上野の国立博物館は集めるだけ集めておいて展示する余裕がなく、宝の持ち腐れになっているのは大変もったいないことですね。
といっても、博物館の方もなるべくそうはならないように展示替えをして工夫をしたり、あとは展示するにも結構お金がかかるので、そういう予算との兼ね合いもあり苦労していると推察します。
縄文土器をチェック。
蓋!
弥生土器の蓋はたまに見るのですが、縄文土器の蓋(と思われるもの)って出土例があまりないため、これは貴重ですよ。
この注口土器は大きくてゴージャス。
注口部分は人の顔をイメージしているんじゃないでしょうか?
では、この展示室の目玉であ古墳関係の展示を見てみましょう。
さきほど現地を訪れましたが、古海松塚11号墳の展示コーナーです。
あの子はいるかな・・・
いた!
いたけどパネル展示だ!
そっか、本人は群馬県立歴史博物館へ出向してしまっているんですね。
今日は探訪の最後に寄ろうと考えているので、夕方会えると思います。
円筒埴輪たち。
こちらのコーナーも古海松塚11号墳出土遺物です。
鹿角装大刀埴輪というのは多分初めて見ました。
古墳時代の刀には柄の部分など、一部のパーツに鹿角を使ったものがあったんですね。
そういうもの自体、私は聞いたことがなかったのですが、それを埴輪にしてしまったという珍しい逸品です。
古海地内10号古墳出土の円筒埴輪。
※写真のパネル展示で発掘時の埴輪列が示されていますが、ちゃんと撮ってくればよかった。
古海前原1号墳出土の円筒埴輪。
同じく古海前原1号墳出土の同向式画文帯神獣鏡(どうこうしきがもんたいしんじゅうきょう)。
こちらはレプリカで、実物は群馬県立歴史博物館にあるそうです。
同范鏡が全国で23面あるんですね。
近くでは栃木県の牛塚古墳からも出ていますが、この牛塚は宇都宮市の雀宮牛塚古墳です。
あと、クラツーでよくご案内している奈良県橿原市の新沢千塚古墳群からも出ていますね。
おっと、出ましたよー。
東海人進出の証です。
御正作(ごしょうさく)遺跡では、古墳時代初期の住居跡が38棟と方形周溝墓が7基、円形周溝墓が1基見つかっており、そのうちの2基の方形周溝墓は一辺が25mを超える大型のものですから、古墳の築造までは至らなかったものの、この地域を治めた有力者の存在を明らかにしています。
S字甕。
東海人が関東へやってきて自分たちの故郷の土器の発展形として石田川式土器(群馬県太田市の石田川遺跡)を造りますが、五領式土器(埼玉県東松山市の五領遺跡)とは形が似ています。
でもよくみると明瞭なちがいがあり、それを説明したパネルがありました。
こちらは石田川式です。
口縁がS字になっていますね。
こちらは五領式土器。
ただし、五領式土器とってもこれは一例で、五領式土器というのは私の印象ではあまり体系化されて整理されている印象がなく、ちょっと自分の中でも何とも言えない状態なのでもっと勉強します。
以上、町の小さな展示室という感じでしたが鹿角装大刀埴輪などの珍しいものも見られて楽しかったです。
個人的に一番の目玉だと思っている馬形埴輪は県立の方へ行ってしまっていますが、大泉町の遺跡について知るには必ず立ち寄りたい展示室ですね。
さて、今日は事前調査をほとんどせずにこちらへやってきましたが、展示を見ていたら古海前原1号墳が復元されて現存することを知ったので、太田市へ向かう前にそれを見に行ってみましょう。
⇒この続きはこちら
4.補足
5.参考資料
・展示資料