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現在勤務しているカヤンベコカ国立公園の中心的存在がカヤンベ火山(5790m)です。
赤道直下に位置し堂々たる氷河を持ち首都キトへの水源地となっています。
近年は地球温暖化の影響で氷河の後退が著しく、その記録を残すため調査登山に行ってきました。
その記録です。
登山前日の2024年3月5日、車でRefugio Ruales Oleas Bergé(レアレス・オレアス・ベルゲ小屋)へ。

すでに4600mあって、空気が薄い・・・
国立公園ボランティアグループ長のオズワルドさんの案内で、周辺の状況調査へ。

ここ数年氷河の後退は著しく、特に今年は昨年より150mも後退したとのこと。

14歳からカヤンベ火山に登り続けている彼は、末端の氷に触れて悲しんでいます。

18時に夕食、すぐに就寝。
そして深夜0時に起床して軽食をとったのち1時に出発。最初は岩稜帯。


やがて氷河帯へ、ここでロープセット。

次々現れるクレパス、間を縫うように進み時にはジャンプして、緊張の連続。
南十字星に励まされながらの登山でした💦

ようやく空が白み始めて、

カヤンベ山の影、

その後もズタズタの氷河を登り上げ、最後の難所へ。
カヤンベ山に40回以上登山しているオズワルドさんも驚愕の表情。
「去年とは状況が全く違う、こんなに氷河が崩れているとは・・・」

深く切れ込むクレパスを避け縫うようにして何とか山頂へ到着(8時)、7時間が経過していました。

下山は調査撮影のため時間をかけて。

かつてスキーができたという大氷河もズタズタ、ボロボロ・・・



10年前には見えなかった岩稜が姿を現しているとは驚きです。

両側の谷いっぱいに氷河があった、という現場。

最後はLaguna Verde(ラグーナベルディ、緑湖の意味)を眺めながら小屋に戻りました。

到着13時、ちょうど12時間の調査登山も終了。
小屋番さんは「お疲れさま」と美味しいご飯を出してくれました、ありがとう!

本日の調査で、いかに温暖化による氷河の後退が著しいか実感しました。
この現場には7年前にもNHKスタッフが入りドキュメンタリー番組を作成したとのことですが、現在は当時よりも1キロ近く末端は後退しています。
本当に温暖化問題は大変な影響をエクアドルにも与えています。