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東京の男性が将来「要介護」になるリスク高い訳

2022-02-09 15:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

健康には性差がつきものだが、「どこに住んでいるか」も影響してくることが大規模調査で判明した。自分がどこに暮らすかで、健康リスクが変動する――公衆衛生医師で『100年時代の健康法』著者が、超・長寿時代の思わぬ落とし穴を解説する。

フレイル要件のうち、2点で心配
数々の大規模調査を行うなかで浮かび上がってきた実態があります。それは、東京をはじめとする「都会に住む男性高齢者」はほかの属性の人に比べて不健康リスクが高い可能性があるということ。「男性」と「都会在住」がキーワードです。
とくにこれから迎える超・長寿時代においては、人口減少・少子高齢化の加速により社会構造が大きく変わっていきます。この社会の変化によって、都会在住の男性高齢者のリスクが高まると危惧しています。
心身が衰弱して要介護リスクが高まる「フレイル」が、寿命が伸びるこれから重要な問題になってきます。このフレイルになる3条件、「①筋力の低下 ②低栄養 ③社会不参加」のうち、「②低栄養」と「③社会不参加」の2項目で、男性で都会に住んでいる人に心配な結果が出ています。
女性や郊外・自然豊かな場所に暮らす男性と比べて、栄養状態が心配で、かつ社会参加がままならない人が多いというスコアが判明しました。
男性が女性よりも心配なのは、まずは「男性は低栄養になりやすい」という傾向が挙げられます。
フレイル予防として、できるだけたくさんの種類のおかずを食べて「多品目な食事」を摂ることが重要だとわかっています。具体的にはフレイル予防と関連するとされる10の食品群のうち、毎日7つ摂れれば心身の虚弱に有効とされています。
これに関して、若年者(18~29歳)と前期高齢者(65~74歳)、後期高齢者(75~98歳)の男女計4839人を対象に、「ほぼ毎日食べる食品」に丸をつけてもらった調査があります。
結果は次の表のとおり。
(外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
(出所)『100年時代の健康法』(サンマーク出版)
調査の結果、男性の前期高齢者が、多くの品目で若年者、それに女性の前期高齢者、男女ともに後期高齢者より「毎日摂る」と答えた人の割合が少ないことが判明しました。
肉や卵、イモ類、海藻ではその傾向が顕著に表れています。
「高齢者のほうが野菜を摂っている」という全体的な傾向があるとはいえ、年齢・性別で区切った場合、男性の前期高齢者には少し心配な傾向が見えてくる調査結果です。
男女で「外出の効果」が異なる
ここに、「社会不参加」のリスクが加わります。
閉じこもりと孤立についての調査では、週1回以下しか外出せず、家に閉じこもっている高齢者は男女ともにフレイルのリスクが高まることが判明しています。
しかし、そもそも外出の効果には男女差があります。
女性の場合、単純に外に出ることに「社会参加」効果があるのですが、男性には「閉じこもっていないのに孤立している」人が存在します。週1回以上外出はするけれども、出かけても誰とも交流しないというパターンです。1人で出かけて1人で過ごし、誰とも言葉をかわさず帰宅する――これもフレイルリスクを高める要因となります。
大都市と地方では、お店の数や人が集まる場所、交通手段などが異なり、人付き合いのあり方も違ってきます。そこで、私たちは次の4つの地域で大規模な住民調査を実施しました。
①【大都市】東京都大田区
②【ベッドタウンモデル】埼玉県鳩山町
③【中山間部モデル】兵庫県養父市
④【山間部モデル(観光地)】群馬県草津町
調査結果を集計し、「フレイルの多い地域、少ない地域」を割り出したところ、フレイルに該当する人がいちばん多いのは、大都市の人口密集地でした。
なかでも男性高齢者のフレイル率が高く、なんと30%に達していたのです。3人に1人弱がフレイルというのは深刻な事態です。
この差はどこから生じるのか?
フレイル診断に用いた「筋力・栄養・社会参加」の3要素のうち、筋力、栄養は地域差がさほど見られませんでした。
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そう、都会の男性のスコアが最も低かったのは社会参加です。女性でも都会は社会参加スコアが低かったのですが、男性ほど極端ではありませんでした。
大勢がひしめく街中に住んでいるにもかかわらず、都会の男性ほど誰ともつながりを持たないまま、孤独に暮らしている傾向にあります。
都会のほうが人口は多く、また社交や買い物の場所はたくさんあっても、都会の男性は“つながり貧乏”の傾向にあるといえるでしょう。
もしもあなたが、「都会に住む男性・前期高齢者」であれば(もしくはそうなったとき)、食卓の品数、そして社会参加の度合いという点で、赤信号が点滅しているかもしれません。
毎日のおかずの数、そして他者との交流を意識してほしいと私は思います。
北村 明彦 : 東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム 研究部長


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