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がんの男女差…「55歳」で患者数が逆転するのはなぜか?

2021-11-03 08:30:00 | 日記

下記の記事はヨミドクターからの借用(コピー)です。

 中国湖北省・武漢市で昨年12月に発生した新型のコロナウイルス(2019-nCoV)の流行に、日本と世界がパニックになっています。
 ヒトに感染するコロナウイルスの中には、SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)のように重症の肺炎を起こすものもありますが、多くは軽い風邪の症状が表れます。一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)をコロナウイルスが占めます。
新型コロナウイルス肺炎 がん患者の致死率高く
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 新型コロナウイルスの感染力は、普通のインフルエンザとさほど変わらず、致死率もインフルエンザ並みの0.2%程度(湖北省を除く)で、10%にもなるSARSよりずっと低いと言えます。その意味では、少し冷静な対応も必要だと思いますが、高齢者や持病をもった人が死亡するケースは多いことが分かっています。年齢とともに致死率は高くなり、40代では0.4%、50代で1.3%ですが、60代が3.6%、70代は8%、80歳以上になると15%にもなります。
 がん患者の場合も、致死率は5.6%と高く、注意が必要です。とくに抗がん剤を使っている患者さんは、感染をできるだけ避けることが大切です。
加齢による免疫力低下
 新型コロナウイルス感染症と同様、がんも年齢とともにリスクが上がります。男性の場合、55歳までにがんになる可能性は5%程度ですが、65歳では15%、75歳では3人に1人にまで上昇します。
 私たちの体内で発生するがん細胞の数は、遺伝子の「経年劣化」により、年齢とともに増えていきます。同時に、がん細胞を監視する免疫の働きも加齢によって衰えます。この結果、年齢とともに、がんに 罹患りかん する人の数は増えていきます。一言で言えば、がんは「老化」と言えます。新型コロナの感染と死亡が高齢者に多いのも、加齢で免疫力が低下することが大きな要因と言えるでしょう。
原因の半分以上は生活習慣
 さて、がんは高齢者に多い病気であると同時に、男性に多い病気でもあります。2017年にがんで死亡した人は37万3334人ですが、男性22万398例、女性15万2936例で、男性が女性の1.44倍でした。がんと診断される人の数も、男性が女性の約1.3倍(2016年)です。
 この理由は、連載のなかで詳しくお話ししていきますが、がんの原因の半分以上が生活習慣によるもので、喫煙も飲酒も運動不足も、男性に多いことが主な原因と言えます。乳がんは40代、子宮頸がんは30代が発症ピーク
 しかし、実は54歳までは、がん患者の数は男性より女性に多いのです。55歳で男性が女性を上回り、年齢ともに急激に増えていきますから、全体では男性が多いのですが、30代に限れば、女性のがん患者の数は男性の2.5倍(2016年)にも上ります。
 これは、女性の「二大がん」である乳がんと子宮 頸けい がんが若い世代に多いことが理由です。乳がんは40代、子宮頸がんは30代が発症のピークなのです。
50歳過ぎて前立腺がんは増え、乳がんは減る
 乳がんは前立腺がんとともに、性ホルモンの刺激で増殖するがんです。実際、進行した乳がんや前立腺がんでは、女性ホルモン、男性ホルモンの分泌を抑える「ホルモン療法」が行われます。
 そして、男性の場合、高齢になっても男性ホルモンが出続けますから、前立腺がんは年齢とともに増加します。一方、女性では50歳過ぎで閉経を迎え、女性ホルモンの分泌が止まって増殖刺激がなくなりますから、40代の後半にピークがきます。
 子宮頸がんは、性交渉による「ヒトパピローマウイルス」の感染が原因になります。これは、女性の7割以上が一度は感染経験を持つ、ごくありふれたウイルスです。感染経験がなければ子宮頸がんは発症しません(処女の女性にはまず発生しません)。「性の解放」とともに、好発年齢が若くなっており、今や30代がピークで、20代にも急増しています。女性は、若い頃からがんに備えておく必要があるのです。
 一方、男性は50代から急激にがんが増えていきます。65歳までに6~7人に1人が、がんになりますが、75歳まででは、3人に1人、そして、生涯では3人に2人近くが罹患します。もはや、がんになることを想定した人生設計が必要と言えるでしょう。(中川恵一 放射線科医)

中川 恵一(なかがわ・けいいち)
 東京大学大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。
 1985年、東京大学医学部医学科卒業後、同学部放射線医学教室入局。スイスPaul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、社会保険中央総合病院(当時)放射線科、東京大学医学部放射線医学教室助手、専任講師、准教授を経て、現職。2003~14年、同医学部附属病院緩和ケア診療部長を兼任。



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