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山田まりや「腹痛と吐き気でトイレから出られない…難病の診断を受けた私が健康になった理由」

2021-11-06 15:30:00 | 日記

下記の記事は婦人公論.jpからの借用(コピー)です。

「食」は不調のきっかけにもなれば、健康を取り戻す力にもなる――。身をもって知った山田まりやさんは、体がその食べ物を欲しているかを考えることは、自分をいかに愛せているかにつながる、と話します(構成=平林理恵 撮影=大河内禎)
仕事中もトイレから出られない
デビューしたのは1996年です。スクール水着しか着たことのなかった15歳の私ですが、いきなりグラビアの仕事から始めることになりました。でも、ふと気づいたら年間200誌の表紙を飾っていて、テレビやラジオのレギュラー番組の仕事が何本も。グラビアの撮影ともなると、サイパンに2ヵ月で5回くらい行くんです。本当に幸運なことなのですが、お休みはほとんどありませんでした。
離婚した母と10歳下の弟を養うために、私は高校を中退して事務所に入れてもらった経緯がありました。クビになるのが怖いから自分の居場所を確保するのに必死。バラエティ番組では「爪跡」を残すために、先輩タレントに威勢のいい言葉でつっこみました。
でもしばらくして、慢性的な体の不調に悩むようになります。食レポの仕事が増えると、まず体重がどんどん増えていきました。旅ロケや温泉ロケでは、食欲と関係なく食べ続けなくてはなりません。ストレスが溜まると、未成年だからアルコールのかわりに甘い物に逃げ、体のだるさ、冷え、肩こりやむくみ、激しい生理痛が続きました。
誰かに悩みを打ち明けたくても、馴れあいにならないように、という事務所の方針で、1年ごとにマネージャーさんが交代するから難しかった。信頼関係を築けるようになる頃、毎回担当者が代わるのはしんどいものです。まあ、そもそもマネージャーさんはみんな男性だから、体について相談することなんてできなかったんですけどね。(笑)
「これは本当におかしいかも」と思ったのは、20歳の頃です。お酒を飲みに行くじゃないですか。そうすると突然気持ちが悪くなるんです。酔いというより、胃と腸がキリキリ痛み出して、トイレに駆け込む。吐き気と便意が同時にやってきて、トイレから30分くらい出られないことが続きました。
仕事中も「ちょっと貧血で」と言って、衣装を汚さないよう気をつけながら、何度もトイレに籠りました。精神的に何かトラブルを抱えてトイレから出てこない、と周囲からは思われていたような気もします。でも万年二日酔いのような気分の悪さで、主な症状は嘔吐、下痢と便秘の繰り返し、頻繁な、激しい腹痛などでした。
「クローン病の疑いがあります」
そんな状態で迎えたある舞台の千秋楽の前夜、私は急性盲腸炎で倒れてしまいました。先生に頼み込んで点滴をぶら下げながらなんとか舞台をつとめあげ、幕がおりるや病院へ直行し、メイクだけ落として手術台へ。パンパンに腫れ上がった盲腸を取ったんです。
ところが、術後も依然として吐き気が消えません。次の仕事が迫っていることもあって、ひとまず退院し、2週間後には食レポで札幌に向かいました。朝からお寿司を食べ、ソフトクリームを食べ、ジンギスカンにメロンパン……の予定だったのですが、途中で吐き気と腹痛、悪寒に襲われてまたもや倒れてしまったのです。急いで帰京し、手術を受けた病院へ。いろいろな検査をしたけれど、悪いところはどこにも見つかりません。
すると、担当医がこう言ったんです。「確定診断ではないので、もっといろいろ調べる必要がありますが、症状を見るに、クローン病の疑いがあります」と。
クローン病、と聞いても、正直ピンときませんでした。ただ「難病指定されていて、特効薬はない」という言葉に、絶望的な気持ちになりました。家族のためにもっと働かなくては、と張り切っていた矢先のことです。それに、クローン病治療として処方されたペンタサという薬を飲んでも、何ひとつよくなる感じがしません。
落ち込む私を見かねて、友人が「どんな病気でも、ストレスが一番よくない」と沖縄旅行に誘ってくれました。デビューから8年にして、はじめてもらった休暇。精一杯楽しもうと出かけたのですが、滞在2日目で、やっぱり胃と背中の激痛で動けなくなってしまったのです。旅行はそのまま中止に。同行した友人の勧めで、「ゴッドハンド」と言われる東京の鍼灸師のもとへ直行することになりました。
消化できていないだけだった
「胃と腸が動いていないだけ。ただの食べすぎで、難病でもなんでもないよ。いまから3日間、食事を抜いてみて」
触診を終えた先生の言葉には、目が点になりました。だって私、沖縄でもほとんど食べてなかったんですから。でも先生は首を振り、「体に溜め込んでいるものを、まずは出しなさい」と繰り返します。
断食中は3日間、先生のもとに通い、胃酸過多にならないよう、鍼を全身に打ってもらいました。1日目には早くも胃と腸が動き出す感覚があり、何も食べていないのに、2日目には真っ黒でねっとりとした宿便のようなものが大量に出ました。そして3日目に感じたのは、背中に羽が生えたかのような体の軽さ。嘘みたいな話ですが、腹痛はもちろん、頭痛や肩こりなど慢性的に抱えていた症状が見事に消えてしまったのです。
戸惑う私に、先生はこう言いました。「現代は食文化が発達して、おいしいものがいつでもどこでも食べられる。でもそれを消化する人間の体は、まだ進化に追いついていないんだよ」。
この言葉は、当時23歳だった私にもストンと腑に落ちました。炭水化物を吸収する機能を取り戻すため、1年半はお米や小麦粉を使ったパン・麺類の摂取を控え、何十回もよく噛んで食べるようにしたら、悩みの種だった吹き出物がなくなって。好きでたまらなかったファストフードは、食べたいとすら思わなくなりました。「食」は体だけでなく、脳にも影響を与えるんだな、とビックリでした。
食後から寝るまでに、最低3時間はあける。これはいまも忠実に守っていて、たとえ睡眠時間が少なくなっても、「3時間あける」ことを優先しています。そして夕食から朝食まで、18時間おく。こうして、寝ている間に胃腸をちゃんと休ませるんです。
体調が悪いと、仕事に取り組む時は精一杯「こなす」という感じになりますが、仕事に楽しさを見出すことができたのも、この頃からです。また、せっかく食養生についてこんなに深く考えたのだから、と「マクロビオティックセラピスト」「薬膳インストラクター」「中国漢方ライフアドバイザー」の資格も取りました。
ただこの3つ、勉強していると矛盾も見えてくるんです。たとえば、「マクロビオティック」では基本的に動物性たんぱく質を一切摂らないのですが、「薬膳」ではがっつり。熊だって食べちゃう(笑)。また「漢方」でも、動物由来のものを処方します。
相反する考え方を同時に勉強したことで、結局は「自分に合うものは何か」を常に自分に問う姿勢が大切であると気づきました。それこそが、自分の体をいたわる食養生の第一歩ではないのか。つまり、「この方法でなくてはいけない」と決めつけることなく、まずはひとつひとつ実践していこう、と思ったのです。子育てを通じて続けられるスタイルに
結婚後、32歳の時に息子を出産して、いまは家族のためにもよりよい食生活を実践しています。基本は玄米菜食の暮らしで、主食は発芽酵素玄米。ただ仕事柄、外食の機会は少なくないので、お肉もお魚も週3日は食べることにしています。目指しているのは、一方に偏りすぎない「ざっくり中庸ライフ」といったところでしょうか。
息子が生まれた時は、「こんなまっさらなきれいな体に不純物は入れたくない!」と思ったけれど、望ましくない食べ物を完全に排除することなんて、現実的に難しいと思うんです。
たとえば、保育園で出されたおやつや、人からいただいたお菓子に「あれはダメ」なんていちいち言うのも、なんだかなあと思う。だから園の先生には「本人にまかせてください」とお願いし、息子には「食べたいかどうかを考えて、いらない時は『いまはお腹いっぱいです』とか『持って帰ってもいいですか』と言ってもいいんだよ」と教えました。
いま、自分の体がその食べ物を欲しているか考える。その癖をつけることは大事です。私は、自分の欲求に目をつむって食べ続けた結果、あんなに長い不調に苦しんだわけですから。考える癖がつけば、自分の体にいま何を入れたらいいのかも、なんとなくわかってくる。これって自分をいかに愛せているかということにもがるような気がしています。
息子を見ていると、すごく自己肯定感が高いんです。一方で、私は酒乱気味の父に終始怯える母を見ながら、気の休まらない家庭で育ったので、大人になってからも無意識にビクビクしている時があります。仕事をしていても、自分は中身がないんじゃないか、と自信を持てないことも多くて。だから息子がちょっと羨ましい。(笑)
でも、たとえば息子が熱を出したら、市販のシートで急速に熱を下げたりはせず、豆腐をガーゼに包んでおでこに貼って熱をとる。焦らず騒がず、病院に行くレベルかどうかを冷静に判断し、ひとまずは玄米を炒って煮出した水分を飲ませる……。こういう対応をしている時、知識を役立てて実践できた自分に、ようやく自信が持てたりするんです。
見直した食生活を、子育てを通じて、続けやすいスタイルに調整していったことで、私は「ほどよく」「ざっくり中庸」な対応ができるようになりました。
動物性の肉を食べすぎたなら、植物性の干し椎茸のスープを飲んで中和すればいい。ロケ弁を食べるなら、家から玄米おにぎりを持って行けばいい。食事は関係性を築く要だから、仕事のおつきあいに制限は設けず、家は粗食にしてバランスをとればいい。行きすぎても戻れる場所さえ知っていれば、ストレスフリーで健康的な日々を送れるような気がしています。
構成: 平林理恵
撮影: 大河内禎
ヘアメイク: 棚田幸恵
出典=『婦人公論』2020年8月11日号
山田まりや
女優・タレント
1980年愛知県生まれ。明るく元気なキャラクターやトークで人気を集めるほか、女優としてドラマや映画で活躍。YouTubeでは7歳の長男と「ムネまりチャンネル」を開設。健康や食に関する情報を発信している



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