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認知症の最大リスクは運動不足、鍛えれば老いてなお成長する脳の仕組み

2021-11-07 08:30:00 | 日記

下記の記事はダイアモンドオンラインからの借用(コピー)です。

運動は脳の機能を押し上げて、感情コントロールさえしてくれるという。実は最近の研究により、運動は認知症を予防する効果があることがわかってきた。運動によって「脳力」がアップする、知られざるメカニズムとはどんなものか。(マガジンハウス『ターザン』2021年6月10日号特集「運動は、なぜ脳に効くのか?」より転載)
認知症の最大の原因は
日頃の運動不足にある?
2011年、アメリカで報告された年間のアルツハイマー病患者数(推定値)。これをリスクファクター別に分類した結果、最も多かったのは、「身体的不活動」=「運動不足」であることが示された
 2050年には世界で1億人を突破するといわれている認知症患者。ひと口に認知症といってもさまざまな種類があるが、その約7割を占めているのがアルツハイマー型認知症。アミロイドβというタンパク質が脳に蓄積し、脳の神経細胞が死滅していく病気だ。
 アメリカの報告では、アルツハイマー型認知症の最も影響が大きいリスクファクターは、喫煙でもなく肥満でもなく、なんと「運動不足」だという。実際、日本の厚生労働省の研究では、軽度の認知症グループに運動を行わせたところ、10ヵ月後には認知機能が明らかに回復したという報告もある。
 神経細胞の死滅によって萎縮が始まるのは、記憶に関わる海馬という部位。果たして運動で海馬の萎縮は防げるのか?
 結論から言おう。運動で海馬の萎縮は防げる。それどころか、運動によって海馬の容積は拡大する。下のグラフがその証拠だ。
55〜80歳の健常者120人をウォーキングを行うグループとストレッチを行うグループに分け、半年後と1年後に脳の状態を検査。有酸素運動グループでは海馬の容量が2%増加した
「脳は成長し切ったらそのまま」
という定説は誤りだった
 長い間、脳の神経細胞は青年期で成長しきったら一生そのまま、飲酒や加齢で一部が死滅したらもう元には戻らないと考えられてきた。ところが90年代に、大人になっても神経細胞は新たに作られることが分かった。脳神経学の世界ではまさに世紀の大発見だ。
机に向かってじっと座っているより、歩いているときに閃いた!というのはアリストテレスの時代からよく聞く話。偶然ではない
 さらに同じ頃、脳内で新たに発見されたのがBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質。ノルアドレナリンやセロトニンが神経細胞同士の情報伝達役とすると、BDNFはもともと持っている神経細胞の成長や学習機能の向上を促す肥料のようなもの。それだけでなく、新たな神経細胞を作る手助けをしていることも今では明らかになっている。
 で、このBDNFが、運動することによってとくに海馬周辺で大量に増えることも分かった。90年代の半ばにはホイールランニングで長く走ったマウスほど海馬でBDNFが増えるという画期的研究があり、2000年以降のヒトによる実験でも運動後に脳のBDNFが増え、学習機能もアップしたという結果が報告されている。
 老いてなお、ぐんぐん歩けば脳は成長するわけだ。
(取材・文/石飛カノ イラストレーション/松原 光 取材協力/橋本健志【立命館大学スポーツ健康科学部スポーツ健康科学科教授】)

下記の記事はダイアモンドオンラインからの借用(コピー)です。

脳を鍛えるには運動しかない!「脳トレの権威」が教える7つの極意
ハーバード大学医学大学院准教授・ジョン・J・レイティ氏インタビュー
ターザン編集部
技術の進歩のおかげで運動量と脳の関係が盛んに研究されると、文武両道は脳にとって“あたりまえ”の反応なのだとわかった。運動は脳の機能を押し上げて、感情コントロールさえしてくれるのだ。運動が脳の働きをどれだけ向上させるかを研究し続ける「脳活の権威」ジョン・J・レイティ博士に、7つの問いをぶつけた。(マガジンハウス『ターザン』2021年6月10日号特集「運動は、なぜ脳に効くのか?」より転載)
2021年、レイティ博士が考える
脳と運動の関係とは?
ジョン・J・レイティ博士
ハーバード大学医学大学院臨床精神医学准教授。運動と脳の研究領域における世界的第一人者。教育、企業、個々のライフスタイルを運動によって再設計させるという世界的ミッションに携わる
 運動することで脳をベストの状態に導くことができる。2000年代以降、神経科学の分野では運動と脳と心の生物学的な結びつきを示す発見が次々に報告された。実験室のラットで計測し、人間で確認した極めて科学的な事実である。
 多くの人が知らずにいたこの情報を一般にもたらしたのが2008年にアメリカで上梓された『SPARK』(邦題は『脳を鍛えるには運動しかない!』)、著者は精神科医のジョン・J・レイティ博士だ。
《運動が脳のはたらきをどれほど向上させるかを多くの人が知り、それをモチベーションとして積極的に運動を生活に取り入れるようになること》が当時の執筆の動機。上梓から13年、なお研究を続ける博士に『ターザン』が問いをぶつけた。
運動はなぜ、脳に効くのか?
レイティ博士7つの回答
『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方』(ジョン・ J.・レイティ、エリック ・ヘイガーマン 他著、NHK出版、2310円)
神経科学の視点から運動と脳の関係を明らかにしたロングセラー。アメリカのとある学区が導入した朝一番の「0時間体育」で生徒の成績が向上した事実に始まり、ストレス、不安、うつ、ADHD、加齢などをテーマに、運動がいかに脳の機能に影響するかを解き明かす。日本では2009年にNHK出版から上梓された
Q.レイティ博士の運動習慣を教えてください。
A.筋トレや有酸素運動、さまざまなことに挑戦しています。
 コロナの騒動が始まってからケトルベルの運動を始めました。レジスタンス運動の観点から素早くやると効果的だと考えています。有酸素運動という意味では、妻と一緒に「ズンバ」のクラスに週3回通っています。現在の拠点はボストンですが、カリフォルニアにいたときはハイキングやランニングに親しんでいました。
 また、あるときはプッシュアップや200回のスクワット、縄跳びなどさまざまなことにもチャレンジしました。当時も今も、バランスやコーディネーション能力を磨いて心拍数を上げる運動を中心に行っています。
Q.運動によって期待できる脳への効果とは、どんなものですか?
A.新たな脳細胞が増え、既存の脳細胞も活性化されます。
 運動自体が脳にさまざまなメリットをもたらすことは、アメリカでは一般常識となりつつあります。神経の活動を高める効果も期待できますし、脳細胞を増やす役割もあります。脳細胞が増えるということは過去20年の研究で発見されました。新しい脳細胞が増えることは非常にセクシーです。
 でも、運動がもたらす主要な効果はそれだけではありません。私たちがすでに持っている1000億個の脳細胞が活性化され、運動によって増える成長因子の働きでそれらを成長させることができるのです。これにより、脳よりは多くの新しい情報を取り入れることができます。
Q.ウォーキングのような低強度の運動でも、効果は期待できますか?
A.強度が高いほど効果は大きい。けれど歩行は入門に最適です。
インタビューはオンラインにて行った。「コロナ禍に生まれた健康やウェルネスに対する意識で、よりフィットネスの素晴らしさを実感できるはず」と、レイティ博士
 答えはイエスです。走ることに比べると効果的ではないかもしれませんが、ウォーキングは運動の入門としては最適な方法です。神経伝達物質やホルモンは歩くだけでも増え、脳細胞を増やすことができます。
 それだけでなく、最近では恋愛のホルモンといわれる「オキシトシン」と運動についての研究もなされています。運動すると人と繫がりたいという欲求が高まることが分かってきました。ただ、運動の強度が高いほど得られる効果は大きいと言えます。ウォーキングを1時間することで得られる効果を縄跳びなら5分で得ることができるでしょう。
Q.ストレス解消に有効な運動について、教えてください。
A.脳の成長や気分の改善には強弱をつけた運動が有効です。
 単調な運動よりもインターバルトレがおすすめです。強弱のあるインターバルトレは心肺機能や代謝を向上させるだけでなく、脳の活動を活発にする方法としても人気があります。インターバルトレで脳やカラダにストレスを与えることで脳の成長を促すことができます。なぜなら強度の高い運動の後に回復期間があるからです。
 この回復期間にたくさんのことを考えたり、戦略を切り替えたり、バランスやリズムに気を配ったりすることで、脳内でよりよいことが起こることが分かっています。気分の改善にももちろん効果的です。
Q.新型コロナで運動の機会が減っている状況をどのように捉えていますか?
A.運動はやはり必要。健康であれば免疫力も上がります。
 一般論としてコロナの影響で人々は体重が増え、座ることが多くなったと思います。運動していない人はしている人より2.5倍コロナによる死亡率が高く、2.25倍ICUに入りやすいというデータが出ています(British Journal of Sports Medicine、4万8000人のリサーチ結果)。この結果から運動を取り入れるさまざまなプログラムを開発するため、私にとってこれほど忙しい時期はありませんでした。パンデミックが収束した後に、政治家や教育に携わる人々は日常生活の中でより多くの運動を取り入れる働きかけをするべきであると考えています。
関心が高まる
筋トレが脳に及ぼす影響とは

ハーバード大学医学大学院准教授・ジョン・J・レイティ氏インタビュー
Q.筋トレが及ぼす脳への影響について今分かっていることはありますか?
A.認知や学習に影響します。動物による筋トレの実験も。
『SPARK』では触れませんでしたが、非常に関心が高まっている分野です。これまでの有酸素運動の研究は、ラットなどの動物を走らせて脳への影響を分析してきました。近年はそれだけでなく、動物によるレジスタンストレーニング研究も見られるようになってきました。
 たとえばマウスの尻尾に重りをつけてハシゴを上らせ、カラダや脳への影響を研究している論文なども出てきています。現在ではレジスタンストレーニングはどちらかというと認知、学習、記憶に大きな影響を与え、有酸素運動は感情面の効果が大きいと考えられています。
Q.具体的には脳のどの部位が成長するのでしょうか?
A.記憶に関わる海馬のほか、前頭葉も成長します。
 記憶に関わる海馬の容量が増えることはよく知られていました。現在では毎日あるいは1日に数回運動する動物では、脳の一番上の前頭葉の領域が大きくなることが分かっています。以前は脳細胞が増える領域は限られていると考えられていましたが、前頭葉も成長します。
 私は前頭葉のことを脳のCEOと呼んでいるのですが、運動、とくにバランストレなどではその部分が大きく関与し、より繫がりが強くなり、集中力などもアップします。脳の成長は筋肉の成長と同様と考えていいと思います。運動で酷使することでより強くなるのです。
(取材・文/石飛カノ 書影撮影/小川朋央 取材協力/Jim Baugh)



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