【ワシントン=藤井一明】ブッシュ米大統領は7日、国内経済について声明を発表し、2月の雇用統計で雇用者数が2カ月連続で減少したことを受け「現在は困難な時期にある」と表明した。一方、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に言及し「FRBがこれまでに取った行動が経済に前向きの効果を与えると信じている」と語り、政府の景気対策と連動して利下げ効果が順次表れることに期待感を示した。
大統領は「職を失うのはつらい。米国民が経済を心配していることを知っているし、私も心配している」と打ち明け、「経済が減速しているのは明らかだ」と語った。「米国経済の基盤は強固だ」と繰り返してきた大統領が苦境をここまで率直に認めるのは異例だ。
一方、所得税の還付を柱とする緊急の景気対策を巡り「1億3000万人の国民に減税をもたらす」と強調。5月に還付が始まり、個人消費の底上げや雇用の創出に役立つとの見通しも明らかにした。企業の設備投資に関しては増加が続くとの判断を示した。 (09:43)
nikkei080309