人生、平々凡々-厄も明けて、人生折り返し-

中年を迎え、粋な大人と呼ばれたいと暗中模索の日々を生きているわけでして。

この本読んで大人になった2

2004-09-25 00:29:03 | 
大人になる途中で大きな影響を受けた本。
誰にでも忘れられない本。人によってはそれが、映画や小説やドラマや漫画かも知れません。
でも私が今、20代になったばかりの人に是非読んで頂きたい本。
それは「自分たちよ!」伊丹 十三著(文春文庫)です。
伊丹十三氏は言わずと知れたヒット映画を連発して元気の無かった邦画界に新風を吹き込んだことで有名ですよね。「お葬式」「タンポポ」「マルサの女」等々、映画監督としてご存知の方が殆どでしょう。
しかし、彼は優れた著作家でもありまして、私はこの本に21歳の頃に出会ったんです。
その後、何度この本を読み直したことでしょうか?
今ではその本のあちこちに線が引っ張ってあったり、ページの端が折ってあったり。
この本はある時は人の相談に答えたり、ある時は対談を通して、ある時は読書を通して、人間の本質を現実的に解説してくれている本です。決して気持ちが良くなることは書かれていません。しかし作者の伊丹氏自身がその現実に立ち向かい乗り越えようとしている姿勢が全体に貫かれていて、それがこの本から説教臭さを取り除いていると思います。
「父親とは自分で耐えるべき不快に自分で耐える人であり、子供にもそれを教える人です。」
という一文に私は線を引いていました。いつ引いたのかは忘れてしまいました。
こうした線がこの本の中にいっぱい引いてあります。

残念なのは、その伊丹氏が自ら命を絶ってしまわれたことです。
あなたにはまだまだ生きて欲しかった。そしてまだまだ教わりたかった。
大人として、人間として、父親として生きる覚悟をもらった本です。

この本を読んで君も覚悟を決めろ!
「人間は生涯を通じて半分であり続けるのです。」
その覚悟、あなたにありますか?この本を読んでその意味を確認してみて下さい。
必ずあなたのこれまで、そしてこれからに少なからず影響を与えてくれる本ですよ。
コメント
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