【ALBUM “REVOLVER”(裏ジャケット)】
‘Taxman’は、ビートルズのアルバム“REVOLVER”のオープニング
に収録されました。ジョージの曲がこの位置に収録されたのは、UK
では初めてのことです。英国の税制という社会的テーマを扱った詩作
についてはいろいろと語られていると思いますので、ここでは演奏面
特に、ポールのリード・ギターのプレイという視点でお話させていた
だきます。
“REVOLVER”の頃は、ビートルズが「音の革新」を進行させていて
「音作り」においても、様々な実験が実行されました。‘Taxman’の
冒頭における「不気味なカウント!?」も、そのうちのひとつです。
アルバムのオープニングだけに、その緊張感とともにインパクトを感
じます。
中間部のコーラスとヴォーカルの掛け合いの部分におけるポールの
ベースは、秀逸な出来です。ある意味この曲のリード・ギターよりも
複雑なラインだと思います。スピード感とテクニックを聴き手に感じ
させてくれます。
そして‘Taxman’のハイライトは、ギターのリード・プレイです。
1965年の“HELP! ”の頃からポールはリード・ギターのパートを弾く
ようになりますが、そのプレイは鋭くアピールします。ビートルズの
9年のキャリアの中で、総合的な観点で最も音楽的成長を遂げたのは
ポールではないでしょうか。特に1965年からの成長には目覚しい伸び
を感じます。
ポールのリード・プレイは、「カジノ」で奏でられています。少し
ディストーションがかかっているように聴こえますが、これはホロー
ボディ・ギター特有の「フィードバック」によるものでしょう。間奏
で聞こえてくる「オリエンタル風」で下降してくるラインの部分は、
「ハンマリング・オン」や「プリング・オフ」あるいは「チョーキン
グ」ではなく、人差し指による「スライド」で演奏されていると思わ
れます。その結果、ワイルドで粘っこく、かつスリリングな雰囲気を
醸し出しています。ジョージはこのプレイを高く評価しています。
ちなみに、似たようなプレイとして‘Good Morning Good Morning ’
があります(これもポールのプレイ)が、こちらは「プリング・オフ」
と「スライド」を組み合わせた「連続技」を披露しています。テクニ
ック的に言えば、後者の方が高いのですが、このあたりを使い分けて
いるのがポールのセンスでしょう。
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