【PAUL with “Epiphone Texan FT-79(in 1965)】
“EPIPHONE”は1920年代にアメリカで創設されたギター・メーカー
である。1930年代には、多くのジャズ・ミュージシャンにより支持を
得たが、その後“GIBSON”に買収され、“EPIPHONE”は“GIBSON”の
「1ブランド」として継続していくことになる。“EPIPHONE”のルッ
クスは、独特なものがあったため、ホロー・ボディのシン・ラインの
モデルにおいて、1960年代以降、多くのグループに採用された。
ビートルズにおいては、「カジノ」があまりにも有名だが、今回は
それ以前にポールが使用した「テキサン・ナチュラル」について触れ
てみたいと思う。
ビートルズの中で最初に“EPIPHONE”を使用したのはポールだった。
“TEXAN ”は、ギブソンの“J-45”と同じギターといえる。ポールが
“GIBSON”ではなく“EPIPHONE”を選択したことは、非常に興味深い。
ポールは“TEXAN ”を1964年末に入手する。1965年 8月のテレビ番組
『ブラックプール・ナイト・アウト』や『エド・サリバン・ショー』
で、彼はヘフナーからこのギターを持ち替え‘Yesterday ’をソロで
披露している。
“TEXAN ”のボディ形状は、“J-160E”と同様にラウンド・ショル
ダーで、カラーはナチュラルである。ボディにはバインディングが、
また、指板には「平行四辺形」のマーカーが施されている。音色は、
マーチンなどと比較すると明るく、“J-160E”などと共通するトーン
である。ただし、‘Yesterday ’では1音下げてチューニングされて
いるので、やや落ち着いたトーンに聴こえる。また張力も低いため、
フレットに弦が接触することによって生じる「バズ」も目立っている。
レコーディングにおけるテープ・レコーダーの回転速度の調整はある
ものの、本来の“TEXAN ”の音色は、‘I'm Looking Through You ’
のほうが、どちらかと言えば「それらしい」だろう。
“TEXAN ”は、ポールがマーチンを入手すると使用されなくなった
のだが、ビートルズ解散後の彼のソロ・アルバム“WINGS WILD LIFE ”
のジャケットで登場している。
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