【SINGLE “A WHITER SHADE OF PALE c/w LIME STREET BLUES”】
‘A WHITER SHADE OF PALE’。邦題「青い影」。1967年 4月にブリ
ティッシュ・ロックの重鎮“PROCOL HARUM”がリリースしたナンバー
です。「プロコル・ハルム」というグループ名、「青い影」という曲
名を知らなくとも、曲の頭数小節が流れてくれば「あっ、聴いたこと
がある!」という方が、多いのではないかと思われます。
「プロコル・ハルム」の前身は1962年にロンドン近郊で結成された
「パラマウンツ」というブリティッシュR&Bバンドです。しかし、
全英ヒット・チャートで顔を出したのは、1963年12月にリリースした
‘POISON IVY’の第35位くらいで、1966年初頭にグループは解散して
しまったのです。
そして、その年の 9月。パラマウンツのオリジナル・メンバーで、
リーダーを務めながら、ヴォーカルとキーボードを担当していたGARY
BROOKER が友人の紹介で詩人のKEITH REIDと知り合ったのがきっかけ
でバッハのカンタータ第 114番「目覚めよと呼ぶ声あり」にインスパ
イアされ創り出されたのが「青い影」なのです。
‘A WHITER SHADE OF PALE’のもつ、クラシカルで美術画のような
叙情の世界に魅了されたかたは多いのではないでしょうか。オルガン
を使用したロック・ナンバーの中でとりわけこの曲は印象に残る曲だ
と思います。また“WHITER”の“WHITE ”のもつ意味は何でしょうか。
「白」“WHITE ”のもつ概念についてはこの記事をご覧になってみて
ください。“WHITE ”にも青白いという意味はありますが、“PALE”
にもその意がありますので、やはり「透明で幽玄な感じ」を表現して
いるのかなと思います。邦題の「青い影」は的確な言い回しですね。
さて、“A WHITER SHADE OF PALE”のオルガンについては、キー・
ボードに携わっておられる方であるのならば、誰しもが一度はプレー
してみたい、あるいはプレーした経験があるといったところでしょう
か。このプレーの醍醐味は、なんといってもオルガンの左手のベース
ラインでしょう。それは、C→B→A→G→F→E→D→Cと徐々に
下降していく「カウンター・メロディ」が「青い影」全体イメージを
決定づける、「気品あふれるライン」になっているからです。
コピーする場合、このオルガンに不可欠な「レスリー・スピーカー」
の使い方に注意が必要かと思います。最初のうちは回転をやや遅めに
します。そして・・・、“And so it was ”に入る「G7」のグリッ
サンドと同時に高速回転に切り換え、一気に盛り上げるのが聴かせる
コツです。
Let's play!
◇◆◇
ご参考までに、松任谷由実さんがその著書『ルージュの伝言』の中
で彼女の音楽のルーツとして「プロコル・ハルム」の名をあげていま
した。彼女の初期の作品に「翳りゆく部屋」という曲がありますが、
この曲のもつ荘厳なイメージは、明らかにプロコル・ハルムの影響が
うかがえると思います。
最後に。興味のあるかたは、ちょっとした「実験」をしてみてくだ
さい。まずユーミンの「ひこうき雲」をお手持ちのレコードやCDで
再生します。そして冒頭数小節のメロディに合わせて、「青い影」の
メロディ・ラインを歌ってみます。すると・・・。あとはお楽しみ。
蛇足ながら、「ひこうき雲」のキーは「E♭」、「青い影」のキーは
「C」ですのでご注意くださいね。
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バッハのカンタータもネ!
小フーガも好きだよ!
フェアリーダストの誓いのフーガ(twenty-ten)が
あるんだけれど、何処にもないんだ!
何処かにないかなぁ~~?
そうですか~。やはり♪
バッハはいっとき、アマチュア合唱団でよく
歌っていました。
調子に乗りすぎて
‘Jesus Bleibet Meine Freude’
のオルガンとコーラスをすべて自演し多重録音しました。
音声ファイルを貼り付けられるようになったら
公開するかもしれません♪