1955．I'VE GOT A FEELING

　‘I've Got A Feeling’。ビートルズの「最終作ではない最終作」
“LET IT BE ”に収録されたヘヴィーなナンバーで、あの「ルーフ・
トップ」で演奏されました。ジョンの手による‘Everone Had A Hard
Year’とポールの手による‘I've Got A Feeling’を「合体」させて
一つの曲に仕上げました。

　1969年初頭にもなると、「レノン＆マッカートニー」の史上最強の
クレジットは名ばかりとなり、ジョンとポールの二人は、各々別々に
作曲をするようになっていました。そういう意味で、この曲は純粋に
“Fifty/Fifty ”のコラボレーション作品です。

　この手のコラボとして過去には‘We Can Work It Out’‘A Day In
The Life’そして‘Baby You're A Rich Man’があり、いずれの曲も
二人の作ったパートが独立しています。しかし‘I've Got A Feeling’
では、最後のヴァースで各々の曲を同時に調和させています。なんと
いうことでしょう。それまで、独立していた旋律を同時に演奏しても
まったく違和感がありません。偶然でしょうか。計算して作ったもの
なのでしょうか。ものすごいことです。

　サウンド面では、イントロからずっと鳴り響く、ジョンのカジノの
アルペジオによるフレーズが印象的です。ジョンお得意の運指であり
１弦第５フレットの「Ａ」音の響きを最大限に活用し、コード「Ａ」
とコード「Ｄ」を行き来させています。ジョージのテレキャスターに
よるトレブリーな音もこの曲にマッチしています。中間部のブレイク
で入るチョーキングもインパクトがありますね。リンゴはこの時期に
「ビッグ・ビート」を使用しています。８ビートの曲を16ビート気味
に叩いています。エンディングのフロア・タムもパワフルです。圧巻
なのはポールの演奏です。ベースは比較的シンプル（それでもポール
ならではの変化のあるフレーズの連続）に弾いているのですが、あの
ヴォーカルの迫力は・・・。とても表現できるものではありませんね。

　

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