【『ビートルズ・フェスティバル』パンフレットから(1976年)】
以前、ビートルズの面白さのひとつとして「ヴァージョン違い」を
あげたことがある。わかりやすい例は、‘Let It Be ’の間奏部分で
あろうか。公式音源にて聴くことができるものに「シングル」「アル
バム」そして、「映画」と3つのヴァージョンが存在する。ギターを
担当しているのはジョージ・ハリスンである。彼はこの3つのヴァー
ジョンを「適当」に弾いていたのだろうか。もちろん「楽譜」に表現
すれば、それぞれまったく異なる表記にはなるのだが、彼はある種の
「法則」に基づいて(それが「結果的に」かもしれないが)、弾いて
いるのだ。
その「法則」とは何か。それは、「ペンタトニック・スケール」で
ある。‘Let It Be ’の間奏部分のギターはいずれのヴァージョンも
「ペンタ(5つの=ド・レ・ミ・ソ・ラ)・トニック(音)」で構成
されているのだ。「ペンタトニック・スケール」は、日本では「四七
(よな)抜き」と呼ばれているのだが、「ペンタトニック」と「四七
抜き」は、いささかニュアンスが異なるかと思う。ただ、採用するに
あたり両者に言えることは「非常にセンスを要求される」ということ
である。なぜならば、一歩間違えれば「演歌もしくは童謡」になって
しまうのだから。
ちなみに‘Get Back’にて「カジノ」でリード・プレイをしている
ジョン・レノンはこの「ペンタトニック・スケール」を採用している。
通常の形式のスケールとブルース形式のスケールを1回めと2回めの
ソロにおいて、微妙に構成を変えている。皆様の中で近々‘Get Back’
を聴かれる機会のあるかたは、そこらへんを確認されてみてはいかが
だろうか。
しかし、天国にいるジョンは笑いながらこう語っているに相違ない。
「ボクには、そんな音楽理論なんて関係ないね」
と・・・。
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な~がたにえ~んの~鮭茶漬けだよ~♪
ペンタトニックスケールでサブちゃんの「函館の女」が弾けます。