【"RUSHWORTH'S"での記念撮影の模様】
リズム・ギターの謎
'LOVE ME DO'は、ビートルズのデビュー曲である。シングル盤や、
"PAST MASTERS"に収録されたヴァージョンと、"PLEASE PLEASE ME"に
収録されたヴァージョンに相違点があることは有名だ。大きな相違点
とは、ドラマーが異なることだ。前者のドラマーはリンゴ・スターで
後者のドラマーはスタジオ・セションマンのアンディ・ホワイトであ
る。この事情については詳しく言及しないこととして、今回は使用し
たアコースティック・ギター"J-160E"について触れてみたい。
'LOVE ME DO'で演奏されているアコースティック・ギターは、何で
あろうか。「もちろん、J-160Eでしょう。それ以外にありえるの?」
と即座に回答が返ってくるかもしれない。1962年にジョンとジョージ
は、それぞれ1台のJ-160Eをリヴァプールのラッシュワース・ミュー
ジック・ストアから購入するのだが、いつ手に入れたのであろうか。
実は、この際の『購入同意書』なるものが公開されている(わたしは
もちろん現物は見ていません)のであるが、この書面(伝票)の最初
の日付が、なんと『1962年 9月10日』なのである。「えっ、それが何
か」という疑義に対して回答しよう。この時期にビートルズがEMI
スタジオでレコーディングしたのは、1962年 6月 6日、同 9月 4日、
そして同 9月11日なのである。各々レコーディングされた曲目は以下
の通りである。
■第1回:1962年 6月 6日
BESAME MUCHO
LOVE ME DO
P.S. I LOVE YOU
ASK ME WHY
■第2回:1962年 9月 4日
HOW DO YOU DO IT
LOVE ME DO
■第3回:1962年 9月11日
LOVE ME DO
P.S. I LOVE YOU
この史実から言えることは、「少なくとも1962年 6月 6日そして、
同 9月 4日のレコーディングの'LOVE ME DO'の演奏に、J-160Eが使用
されなかった」ということである。では 9月11日の時は使用されたの
だろうか。
冒頭の写真が撮影された日はいつなのであろうか。少なくともその
写真が"MERSY BEAT"に掲載されたのは、1962年10月になってからだと
いう。分かりにくいが、写真をよく見ると、ヘッドにストラップの紐
が付けられている。少なくともGibsonから出荷された直後の状態では
なさそうだ。
実際の音源を聴いてみた。 9月 4日ヴァージョンはリズムギターが
オンになっており聴きとりやすい。アコースティックな音だ。しかし
これは上記理由から、"J-160E"の音ではない。ジョージが所有してい
たHOFNERの"PRESIDENT "という説もあるが、これは違う。なぜならば
1959年にジョージは、保有していた"PRESIDENT "をスウィンギング・
ブルー・ジーンズのレイ・エニスが所有していたHOFNERの"CLUB 40"
と交換しており、既に手元にはなかったからである。
→ 9月 4日ヴァージョンのリズムギターは、いったい何が使われた
のであろうか。
9月11日ヴァージョンのリズムギターは、オフになっているために
聴き取りにくい。また「ジョンとジョージがJ-160Eをスタジオで初め
て使用した時、それをアンプにつないでレコーディングした」という
情報もある。つまり、ギターは「アコースティックな状態」ではなく
アンプから出た音をマイクで拾ってレコーディングされたのではない
かという推察である。
→ 9月11日ヴァージョンのリズムギターは、何が使われどのような
方法でレコーディングされたのであろうか。
謎が多いデビュー曲である。だからビートルズは面白い。
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ご返事が遅くなりすみません。
出張先から書いています。
ハーモニカは当時既によく使われていたかと
思いますが
ビートルズ(ジョン)のそれはきっと何か
「新しい風」が吹いていて
それが聴衆に受けいれられたのではないでしょうか。
ベタな表現でした♪
ジョンはハーモニカで頑張っててましたね。
ロックンロールでハーモニカって当時はすごく斬新なことだったのでしょうか。