【PAUL McCARTNEY】
女の子と暮らしてみたい。そんな年頃だった。by PAUL McCARTNEY
ポールの作で、クラシカルな雰囲気の佳曲である。この曲が収録さ
れた"REVOLVER"では「音の革新」とともにサイケデリックなサウンド
が多く発表されたが、'FOR NO ONE'は'HERE, THERE AND EVERYWHERE'
とともに、このアルバムの中では「異質」(悪い意味ではありません)
に聴こえる。
'FOR NO ONE'をリードするのは「ピアノ」である。レコードやCD
から聴こえてくる曲のキーは「B」だ。ポールは、果たしてピアノを
「B」で演奏したのだろうか。答えは「NO」。彼は、「C」で演奏
したのだ。彼は作曲するときに、ピアノを使ったりギターを使ったり
したと思う。この曲はおそらくピアノを使用したと思われる。
従って'FOR NO ONE'では、ピアノやクラビコードをレコーディング
する時にはキー「C」で録音され、ヴォーカルをレコーディングする
時には、テープのスピードを変えながらキー「B」で録音したのだと
推測される。同じような曲調として'PENNY LANE'がある。この曲は、
キー「B」をメインに途中、キー「A」に転調するのだが、'FOR NO
ONE'と同様な方法で、「C」「B♭」として演奏されたのか、興味が
尽きぬところである。
ひとえに「音楽の才能」といってもそれはいろいろと細分化されて
いる。「優れた声を持ち、表現力豊かに歌を披露し聴衆を魅了する」
才能もあれば、「譜面に書かれた曲の調を、長三度下げて即興で演奏
する」才能もある。この両者は異なる才能だ。もちろん両方持ち合わ
せている人もいるだろう。
さすがのポールも、後者の才能を持ち合わせていなかった。ギター
であれば、「カポタスト」という手段で対応できるのだが、鍵盤楽器
ではそうはいかない。"WINGS "のライヴで'YESTERDAY 'と'BLACKBIRD'
を、ギターの弾き語りで続けて演奏したのを観たことがある。キーは
両方とも「F」であった。カポタストをしていなかったので、キーを
1音下げての演奏である。これは、作曲した時の「フォーム」が身に
ついていることの好例であろう。
ちなみに、'FOR NO ONE'は"GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET "で
ギターの弾き語りで演奏されている。その時のキーはなんと「B♭」。
ポールは、ギターのチューニングを'YESTERDAY 'と同様に1度下げて
「C」のフォームで演奏しているのだ。
◇◆◇
これを書いていて、ふと思ったことがある。ポールが'YESTERDAY'
を作ったときのエピソードである。
ある日、目を覚ますとこの曲が頭のなかでできあがっていた。
僕は ベットからはね起きて『ピアノ』に向かい、コードを
弾きながらこの曲をまとめていった。
註)『 』は筆者。
この時、ポールが『ピアノ』でまとめていったキーは「F」なのか
それても、「G」なのだろうか。わたしの見解は、「F」。ギターの
コード演奏では、「F」のフォームよりも「G」のほうが簡単なので
「弾き語りに適切」と判断したのではないかと推察する。
'YESTERDAY 'がバンドのアンサンブル形式により「G」で演奏され
た事実については、皆様も『1966年の日本公演』の映像や音源で確認
されているであろう。興味は『1965年12月のイギリス公演』だ。なぜ
ならば、この時はポールがオルガンの弾き語りで'YESTERDAY 'を演奏
したというのだ。
その時のキーは「F」だろうか。それとも「G」だろうか。
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無駄な飾りのない、ピュアできれいなメロディ。
For no oneもそうですね。
間奏のhornのさりげない感じがすごくいい。
ポールはイエスタディのときそうですけど、鼻歌っていうか、口でいいメロディを作るタイプって気がします。キーはスタジオで他の楽器とのアレンジの中で決めたんじゃないかな?
このシーンでもそれを感じます
http://www.youtube.com/watch?v=352nneFP9yw
リンクの「ようつべ」の映像
キーは「C」。
ギターも通常のチューニングですね!
貴重な情報、ありがとうございました♪
ポールの頭の中に最初にメロディが浮かぶときって
どのように浮かぶのか、とても興味があります。
「メロディーの単体のラインは、絶対音としての
ラインなのか」
「装飾音・和音も含め、ある程度トータルなイメージ
で浮かんでくるのか」
などなど。
その後のプロセスは、タケチャンさんの
おっしゃる通りだと思いますよ。
ジョンはこの曲と‘Here, There And Everywhere’
を絶賛していましたね。