【“Bigsby”アームに交換した「325」を演奏するJOHN LENNON】
ビートルズのジョン・レノンが始めて手にしたアメリカ製の楽器は
あの“Rickenbacker 325”です。この最初の「325」の製造時期に
ついては1959年製との見解が過去にあったとのことですが、現在オノ
ヨーコさんが所有する「現物」のシリアル・ナンバーで1958年の初期
に製造されたことが判明しました。ちなみに1958年には「325」が
28本製造され、そのうち20本はオータム・グロー(サンバーストのよ
うなカラー)、8本がジョンが購入したメイプル・グローでした。
ジョンが所有したシリアルナンバー「V81」は、他のリッケンと
比べると2つの外見上の相違がありました。ひとつはピックガードの
取り付けネジの本数、もう一つは“Kauffman”アームです。ジョンは
1960年に手に入れた最初の「メイプル・グロー」を、ビートルズが世
に出るまでの4年間使い続けた結果、「メイプル・グロー」はステー
ジにおける彼の「人格」のような存在に昇華したのです。
(所有する大切な品々についての質問に対して・・・)
ボクが最初に手に入れたRickenbackerだね。ちょっと使いこんで
いるけれど、弾いていて楽しいんだ。
ジョンはこのように述懐しています。
オリジナル仕様の「325」を演奏するJOHN LENNON
しかし、ジョンはこの“Kauffman”アームをあまり気に入っていな
かったようです。ジョージが手にした“Duo Jet ”に、“Bigsby”の
アームが装着されているのを見ると、彼は“Bigsby”を自分の「メイ
プル・グロー」に取り付けました。ジョンは“Bigsby”が“Kauffman”
と比べて「より頑丈で効果も大きい」という理由で“Bigsby”を選択
したようです。“Bigsby”はトレモロ効果を出す時にアームを上下に
動かします。いっぽう“Kauffman”は左右に動かすのですが、外見と
期待にそぐわない効果から、ジョンには「貧弱」に感じたのではない
でしょうか。
「メイプル・グロー」はトレモロ・アームだけではなく、それ以降
にいくつか改造が施されています。「コントロール・ノブ」とそして
「リフィニッシュ」です。ビートルズのデビュー・シングルがパーロ
フォンから発売された後、ジョンの「325」は「メイプル・グロー」
から「ジェット・グロー」に再塗装されました。ブライアン・エプス
タインはステージでのビートルズのルックスをより見栄えのよいもの
にしようと画策していました。「お揃いのスーツを着用してお揃いの
アンプで演奏する」というのは、エプスタインのアイディアでした。
「325」のリフィニッシュを誰が言い出したのかはわかりませんが
おそらく、このアイディアの延長線上で、エプスタインがメンバーに
提案したのではないでしょうか。
メイプル・グローからジェット・グローに再塗装した「325」を演奏するJOHN LENNON
それにしても・・・。ジョンはトレモロ・アームのユニットを交換
した際に、オリジナルの“Kauffman”アームと“Rickenbacker”のブ
リッジを取り外したはずです。それらのユニットはどこへ行ってしま
ったのでしょうか・・・。今もどこかに・・・!?
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リッケンバッカー。
ショートスケールで弦高が低めだったこと
と"音"、個性的なスタイルがジョンのハー
トをとらえたとか。
リッケンは音もスタイルも個性的な製品を
つくってますね。
興味深いのはジョンがリッケンからカジノ
にギターを換えたときですね。
音の変化・・・
ポールのヘフナーもショートスケールでした。
当時ライブ演奏の多かった彼らにとって
やはり運指等、操作性のよさに惹かれた
のでしょうか。