蝦夷犬(エゾイヌ)

奥羽越列藩同盟の東北北海道さらに新潟県をテーマとして、地域の新聞から記事を選び、勝手なことを書きたいと思う。

原発立地町で新生活

2023-05-03 08:01:00 | 日記
河北新報電子版 朝刊
2023年5月3日 21/24

福島県双葉町は福島原発がある双葉郡大熊町の隣町である。
詳しく言えば、福島第一原発の1-4号機は大熊町、5-6号機は双葉町に存在する。
2011年3月11日、突然地震と津波が原発を襲った。
その日から、双葉町も壊滅的な状況に陥り、帰宅困難地域となった。
日本各地に、避難者は分散したと言っても良いだろう。

双葉町も大熊町も復興に向けて、ようやく第1歩を歩み始めている。
戻る人も、戻らない人もいる。
私の女房の無二の親友は、避難先に骨を埋める決心をしたと言う。
双葉町に終の住処を新築して数年後に、震災に遭った。
生まれ故郷から40数kmと言う、1時間の距離。
言葉も生活も、生まれ故郷と全く同じに、交通の便が良い場所に引越しただけ。
震災で、避難先に生活して、帰宅出来る状況にはならず、新居だった住まいよりも長い時間を過ごして、諦めるしか無かったという。

新聞記事には、埼玉から双葉町に引っ越す女性が書かれている。
復興のボランティアで、都会へ避難した方と故郷を繋ぐ物販などのお手伝いを行っていた。
その時に、自分の生活に、どこの電気を使っていたのかと問われたそうである。

双葉町には、双葉バラ園があった。
個人で経営していたと言う。
震災後に、一時立ち入りが許され、帰って見たら、象徴だったラバーズハートと言う一種類だけが咲いていた。
放射能汚染の検査を経て、避難先で挿し木で増やした、そのひとつが富山県で大きく育っているという。

埼玉から双葉町に引越した女性は、バラが好きで、双葉町でバラを育てたいと思っている。
彼女が頑張って育てたバラが、以前の双葉バラ園のようになったら、と願わずにはいられない。

それぞれの百人百様がある。
震災復興は始まったばかりと思う。
あの時から、時間が止まったままの場所が、緩やかに、確かな人々の目で、ようやく動き出そうとしているように思っている。


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