今朝は、床屋に行った。
「今年は暑いから、おもいきり髪を短くしてくれ!」と云っていたお客さんがいたけど・・・
そんな事したら、私は直ぐ風邪をひいてしまう。
最近読んだ本。
浅田次郎 著作 『マンチュリアン・リポート』 講談社文庫
"マンチュリアン"ってどういう意味?
本文を読んで行くと、英語で”Manchurian”、満州の事らしい。
1928年(昭和3年)6月4日、日本の関東軍によって奉天軍閥の指導者・張作霖が暗殺されました。不審に思った昭和天皇が、陸軍刑務所に囚われていた志津中尉を、中国に密偵として派遣する話。《蒼穹の昴》シリーズの四作目。シリーズの完結編らしい。
『蒼穹の昴』は、1898年の、戊戌(ぼじゅつ)の政変前後の事が描かれていました。『珍妃の井戸』では、1900年の義和団の乱の時に殺された光緒帝の妃・珍妃暗殺の経緯。『中原の虹』では、張作霖の話と、辛亥革命(1912年)前後の話。張作霖は、果して長城を越えたのか?
袁世凱死後の中国は、色々揉めたらしい。1928年には、北京に張作霖がいて、南から蒋介石が北伐を狙っていたらしい。日本は、満州の張作霖を、傀儡政権として満州を統治したかった。しかし張作霖は、中国全体の平和が欲しかったし、満州を、中国を、決して他国の物にはしたくなかった。関東軍は、思ったのかも知れない。思うように動かない張作霖なら殺してしまえと
1928年(昭和3年)6月、張作霖は、蒋介石との戦争を避けて満州に戻ろうとします。
奉天手前の京奉線と満鉄連長線の立体交差地点を通過中、上方を通る満鉄線の橋脚に仕掛けられていた黄色火薬300kgが爆発した。列車は大破炎上、交差していた鉄橋も崩落。張作霖は、死亡します。
中国・北京に派遣された志津中尉は、いろいろな人に会い実際の事を聞き出そうとします。会う人は、このシリーズに出て来た人だわね(笑)
『中原の虹』で登場した、吉永将は張作霖の軍事顧問をしていました。張作霖が爆殺された時に、その列車に乗っていて、足を失っていました。新聞記者の岡圭之助も張作霖も側近だった。二人は、積極的ではないが、志津中尉に協力します。
物語は、爆破されて機関車の独白と交互して、天皇への報告書の形で進みます。
なかなか面白い。人に話を聞き出し、少しずつ核心に進むやり方は『珍妃の井戸』と似ていますかね。
最後に、春児が出て来ます。白太太(パイタイタイ)らしき占い師が出て来て、うつ状態になっていた吉永将を呪文でよみがえらし、爆殺当日の事を聞き出します。
物語の進行は、浅田次郎さんの作品らしく面白いです。
中身は深刻ですね。日本人としては深刻です。吉永将に「日本人たる誇りを失った」と云わせています。
この小説のお気に入り度:★★☆☆☆
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