以前、宮部みゆきの小説は、好んで読んだ。凄まじい推理小説で、火車、理由、模倣犯など、ぶったまげた! ところがある日突然、読みたくなくなってしまった・・。彼女の時代小説は、怪奇物? 私は物の怪の類は苦手なんだ!
宮部みゆき 著 「ぼんくら」 講談社文庫
初めは、江戸の長屋に住む人達を描いた、人情物の短編集かと思った。変に物の怪も出てこないし、これなら読めるかな? ところが読み進むと、えっ! 短編じゃないじゃん! 主人公は、差配人の佐吉かと思ったが、どうやらぼんくらは、同心の井筒平四郎らしい。カラスの官九郎とか、物覚えの良すぎる少年、おでことか出てきて、やっぱり怪奇小説か?
軽妙な文章に、笑いを誘われてながら、宮部みゆきのスリルとサスペンスの世界に引き込まれていく・・・。宮部みゆきの小説というと、少年が事件を解決していく物語が多いのだが、ここでも物を計るのが得意な弓之助が登場する。
何かよく分らない怪事件を、人情熱いぼんくらな平四郎が解決していく。また、宮部みゆきにしてやられた。
この小説のお気に入り度:★★★★★
コメント一覧
runrun_k
神崎和幸
最近の「本と雑誌」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事