塩野七生 著作 「ローマ人の物語1・2 ローマは一日にして成らず」 新潮文庫
この小説には、ロムルスがローマを建国した紀元前753年から、イタリア半島が統一された前270年までの事が描かれていました。伝説では、ロムルスはトロイアの戦いで敗けたトロイア王の子孫だったらしい。前753年4月21日、テヴェレ河の東に有る7つの丘にローマは建国されました。「なぜローマは繁栄したのか?」をテーマにして書かれています。
この時代、すでに民主的な国づくりをしていた、ギリシャのポリス国家を参考にしたのでしょうね。
しかし、ギリシャ的でない、ローマ的な人たちの性格が、ローマを繁栄に導いたのでしょうか。
宗教についても寛容で、戦いで勝っても、抑圧するのではなく同化する道を選んだようですね。
王を、投票によって決める【王政の時代】とか、やはり投票で決められた二人の一年任期の執政官で政治を行った【共和政の時代】とか。たとえ、貴族(元老院)中心の政治であっても、ずいぶん進歩的・民主的だったのですね。リキニウス法により、平民でも政治に参加できるようになった。しかし寡頭政治であった。
前390年に、7カ月もの間、ローマはケルト族に占領されました。その経験が、ローマ繁栄の糧となったようですね。
前297年ごろには、北イタリアをまとめ、前272年、南イタリアのターラントを落とし、イタリア半島の統一が成ります。
この小説には、ギリシャのアテネやスパルタの政治体制についても、多くの頁が割かれており、古代の民主主義、そして現代につながる民主主義を考えさせる小説だった。
この小説のお気に入り度: ★★★☆☆
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