宮尾登美子 著作 「クレオパトラ(上/下)」 新潮文庫
プトレマイオス王朝も、この時期、身内による権力闘争を繰り返していました。
プトレマイオス十二世の第二王女ベレニケは、父王と対立し、父王はローマに亡命していました。ベレニケは、姉の第一王女を毒殺。それを予見したクレオパトラはテーベに逃れ難を避けます。そして、父王はローマの副官アントニーの力を借りて戦い、ベレニケを破り処刑します。父王が復帰するも、政権は、宰相らに、握られています。
やがて父王は病死。父王の遺言により、クレオパトラは、弟の第一王子プトレマイオス十三世と形式的な結婚をし、共同統治者となります。しかし、宰相ら三悪人は、邪魔になるクレオパトラを除こうとします。クレオパトラはシリアに逃れ、傭兵を募り戦おうとしますが、そこでシーザー登場。
クレオパトラは、王宮に復帰しますが、シーザーの妾になってしまいます。クレオパトラは弱いのだよね。彼女を助ける知恵と勇気のある仲間がいなかったの? シーザーは、クレオパトラの美貌の虜。シーザーは、ローマに妻がいるし、クレオパトラもプトレマイオス十三世の王妃の立場だし、不倫じゃないか
シーザーの力を借りて、クレオパトラに敵対するエジプト内の勢力は排除されていきます。自分の弟や妹を倒し殺していくのだ(悲)
この小説、読み進んで行くと、腹が立ってきます!
ローマは共和制から帝国制に変わって行く少し前? こちらも権力闘争で内輪もめをしています。シーザーは暗殺されてしまいます。シーザー死後のローマは、オクタヴィアヌスとアントニーが覇権を争います。
クレオパトラは、アントニーと結びます。アントニーって、好色で酒飲みのオタンコナスじゃないのかい? シーザーに弄ばれて涙したクレオパトラは、アントニーにも弄ばれる。アントニーと結婚するが、アントニーは重婚なんだ!
東方に勢力を伸ばそうとしたりして、オクタヴィアヌスと険悪になります。そして戦争!!!
クレオパトラとアントニーの連合軍は、オクタヴィアヌスのローマ軍に敗れてしまいます。アントニーは自殺。そしてクレオパトラも、アスプに身体を噛ませて自殺する。・・おなじみの物語・・・・!
クレオパトラの、恋と愛の物語?
シーザーとアントニーに翻弄されるが、次第に不甲斐ないアントニーを自らコントロールするようになっていく。
変な口出しが、オクタヴィアヌスとの戦いに負けた原因じゃないのかい?
さすが、宮尾登美子さんの小説、女性の弱さ、強さ、心の可笑しさが描かれている?
負けた側の家族が、すべて殺されてしまう。この時代の戦争が哀れ。
人は、生まれた境遇、時代に押し流されて生きていくしか無い!
この小説のお気に入り度:★★★☆☆
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