シエイクウピア 著 福田恆存 訳 「ハムレット」 新潮文庫
舞台は、デンマークのお城。先の王の亡霊が現れるところから始まります。先の王の息子ハムレットは、亡霊から父親が亡くなった経緯を知らされます。先の王の弟クローディアスが、先の王を毒殺し、王位と妃を奪い取った・・・!
話の筋は面白いのだけれど、登場人物の会話が遠まわしで分かりづらいですね。
ハムレットは、亡霊の話が、真実なのか悪魔の仕業か判らず、狂気を装って調べます。折から来ていた役者たちに、王毒殺の劇をさせ、王や王妃の反応をみます。果して、王は驚きます。
王妃は心配し、ハムレットと話し合いますが、その時カーテンの蔭で隠れて聴いていた宰相ボローニアスはハムレットに気づかれ殺されてしまいます。
ボローニアスの娘がオフィーリア。オフィーリアは、その後、気が狂って川に落ち自殺?してしまいます。
王は、ハムレットをイギリスに行かせ、そこで殺そうとしますが、ハムレットはイギリスに送る王の密書を見つけ逃れます。
ハムレットは、デンマークに戻ります。
王は、ハムレットとボローニアスの息子レイアショーとに試合をさせます。レイアショーの剣先には毒を塗り、のどを乾いた時に飲む水には毒をいれます。
誤って王妃がコップの水を飲み苦しみます。気づいたハムレットはレイアショーの剣で王を刺し殺します。傷ついたレイアショーもハムレットも、毒が廻って死んでしまいます。
解説に寄れば、12世紀末にサクソーというデンマーク人が書いた『デンマーク国民史』という本の中に、似た物語が有るそうです。昔から伝承された物語だったのかも知れませんね。
1851年ごろミレーが『オフィーリア』の絵を描いています。川に溺れてしまう前、歌を口ずさんでいる姿だそうです。美しい絵ですね。オフィーリアとハムレットは、恋仲だったのでしょう。ところがハムレットが狂い、父親からは付き合わないように云われてしまいます。おまけに父親はハムレットに刺されて死んでしまいます。後世に人が、この戯曲を見てオフィーリアを哀れに思って絵画にするのはよく分りますね。
この本のお気に入り度:★★★★☆
音楽としては、チャイコフスキーが、『幻想序曲ハムレット』、アルフレッド・リードが『ハムレットへの音楽』を書いているようです。果してどんな音楽だろう。
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