浅田次郎さんの作品を読むのは、三作目。また、まやかしかと思った(笑)
浅田次郎 著作 「天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道」 集英社文庫
「大正6年夏・・・」から物語は始まります。大正6年って西暦1917年。ほゞ百年前じゃ! ヨーロッパでは、第一次世界大戦中、ロシア革命が起こっていた。日本は、台湾や朝鮮を植民地支配し、戦需景気で繁栄し、大正ロマンの時代? 私はよく分りません!!
これは、江戸の文化を引きずった義賊、盗人の話。
仕立屋銀次というスリの大親分が出てくるが実在の人らしい。天切り松は、抜弁天の安吉の子分になりますが、これは架空の人なんでしょう(笑)
スリや、泥棒の手口は、やはりまやかし?
それから70年後、老人となった天切り松が留置場で語る昔話です。留置された泥棒や看守達を諭すように語ります。
天切り松が抜弁天の安吉の子分になる顛末と仕立屋銀次の話。
山形有朋の懐中時計をおこん姉さんがスリとる話。おこんはスリがばれて捕まってしまうが、有朋とおこんは意気投合し愛し合うようになってしまうという人情物。まやかしだね!
盗られて困らない天下のお宝だけを狙って、貧しい人に救い差しのべる大正の鼠小僧もどきの物語。
吉原に売られた松のお姉さんの話が哀れですね。
世の中には、弱いものと強いものしかいない。
何かの間違いで、強いものが弱いものを虐げてしまったり、弱いものがたまらず悪事を働いてしまうのではなかろうか。
この小説のお気に入り度:★★★☆☆
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