
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37歳の主人公が、ハンブルグ空港に着陸しようとしているところから始まります。ビートルズの「ノルウェイの森」が流れ、それを聞いた主人公は混乱し回想に入ります。「ノルウェイの森」なんて曲、知らなかった。YouTubeで検索して聞いてみました。何とも切ない曲だった!
物語はずっと回想です(笑)
17歳の時に自殺した親友の彼女・直子と、東京で出会った。直子は酷く傷ついていて、二十歳のときに、また自殺してしまう。ま、要するにこれだけの事なのだが・・。直子との恋、18歳から20歳にかけての青春時代のモヤモヤが、ゴチャゴチャと描いてある。その時期って、こんなに酷くないとしても、誰でも叶わぬ恋や大事な人の死に遭遇することは有るのではないだろうか。
永沢さんが、主人公のワタナベ君に忠告するところが有ります。「自分に同情するな。」
主人公は、自分に同情しすぎて、ぬかるみの中に入ってしまったのだろうか? もう一人の恋人・ミドリの存在が、主人公のワタナベ君も、この物語をも救っているような気がします。
この小説のお気に入り度:★★★☆☆