恐れていたことが現実となりました。いや、正確に言えば、これから私が最も恐れていることが徐々に現実になっていく、これがその始まりのような気がしてなりません。
野球の国際化、あるいはスポーツとしての発展を考えるだけでも、これが大打撃であることは間違いないでしょう。
ただ、この点に関して言えば日本球界への影響はさほどはないと思われます。むしろ痛手を受けるのはキューバのような国ですし、さらに言えば野球よりも女子ソフトの方が、五輪種目から外されたことの影響が深刻なはずです。
それよりも私が危惧しているのは、五輪から野球がなくなることで、MLBの企画する「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の実現を求める機運が高まり、そしてそのような動きが「球界再編」の実現に向けて悪用されるということです。
以前讀賣の渡邊前オーナーの復帰が明らかとなったとき、サンスポに「【ダンカン】渡辺前巨人オーナー復帰の理由教えちゃお~」という記事が掲載されました。
この記事が出た時は、正直なところ私もさほど深刻に受け止めてはいませんでした。しかし後でふと思ったのが、「この大会をメディアが利用すれば、世論がプロ野球選手会バッシングに走るよう仕向けられるのではないか?」ということです。
一体どういうことか?
選手会はこれまでWBCの開催に反対してきました。それがいいのか悪いのかはこの際大きな問題ではありません。
それよりも問題となるのは、この状況をもってメディアが「選手会が世界的な大会の実現に難癖をつけている」というネガティブキャンペーンを張ることは決して不可能ではないということです。物は言いようなのです。
昨年の「球界再編」問題では選手会が球団存続・セパ両リーグの存続を願うファンの側に立って懸命に活動しました。その中でストライキまでも実施されたわけですが、それも世論の強い支持があってのことだったのです。逆に言えば、世論を敵に回すことはそれだけ恐ろしいことなのです。
ですが、五輪から野球が消えたことで、プロ選手が参加する唯一の国別対抗戦となるであろうWBCの実現を希望する声は大きくなるでしょう。あるいは、上のサンスポ記事が正しければ、メディアがそうなるよう世論操作に走ることも予想できます。となると、これに反対する選手会が支持を失うことにもなりかねません。
難癖をつける選手会、ごねる選手会……これは一般世間にとってはあまりにも分かりやすい図式です。以前読んだ本の中に「人びとは最もわかりやすいことならたいてい賛成する」という格言がありましたが、まさにそうなる恐れがあるのです。
選手会の勢いが弱まることは、NPBや経営側にとっては目障りな存在が1つ潰れてくれることになります。当然これは「球界再編」を諦めていない者にとっても同様です。となると、WBCを利用して選手会を叩き、反対勢力がなくなったところで……あとは、おそらく皆さんご想像の通りでしょう。
ここまで書いてきたことはあくまでも想像です。良く言えば、「もし私がナベツネで『球界再編』を実現させようと思っているなら何をするだろうか?」という一種のシミュレーションですし、悪く言えば妄想や電波ということになります。
そして何より、私自身このような想像が杞憂に終わればと思っています。今朝もそう思いながら朝刊を読んでいました。
ですが、スポーツ面に掲載されていた渡邊氏のこの発言で、ここまで書いてきた私の漠然とした不安は、ハッキリとした恐れへと変わりました。
「ワールドカップとか、いろいろなのをじゃんじゃんじゃんじゃんやればいいんだよ」(2005年7月9日日経朝刊)
野球、ソフト姿消す 12年五輪で実施されず
【シンガポール8日共同】国際オリンピック委員会(IOC)は8日、当地で総会を開き、2012年ロンドン夏季五輪の実施競技から野球、ソフトボールを除外することを決めた。日本のメダル有望競技で注目された両競技が姿を消すことになり、大きな打撃となった。
野球は1992年バルセロナ五輪から正式採用され、日本はプロ選手で固めたアテネ五輪まで銅、銀、4位、銅のメダルを獲得。ソフトボールは1996年アトランタ五輪から採用され、これまで4位、銀、銅の順で好成績を残してきた。しかし、世界的普及度の低さなどが障害となった。
史上最多の37個のメダルを獲得したアテネ五輪でも団体球技のメダルは野球とソフトボールだけで、日本にとって落胆の結果になった。(共同通信:2005年7月8日13時9分配信記事)
野球の国際化、あるいはスポーツとしての発展を考えるだけでも、これが大打撃であることは間違いないでしょう。
ただ、この点に関して言えば日本球界への影響はさほどはないと思われます。むしろ痛手を受けるのはキューバのような国ですし、さらに言えば野球よりも女子ソフトの方が、五輪種目から外されたことの影響が深刻なはずです。
それよりも私が危惧しているのは、五輪から野球がなくなることで、MLBの企画する「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の実現を求める機運が高まり、そしてそのような動きが「球界再編」の実現に向けて悪用されるということです。
以前讀賣の渡邊前オーナーの復帰が明らかとなったとき、サンスポに「【ダンカン】渡辺前巨人オーナー復帰の理由教えちゃお~」という記事が掲載されました。
この記事が出た時は、正直なところ私もさほど深刻に受け止めてはいませんでした。しかし後でふと思ったのが、「この大会をメディアが利用すれば、世論がプロ野球選手会バッシングに走るよう仕向けられるのではないか?」ということです。
一体どういうことか?
選手会はこれまでWBCの開催に反対してきました。それがいいのか悪いのかはこの際大きな問題ではありません。
それよりも問題となるのは、この状況をもってメディアが「選手会が世界的な大会の実現に難癖をつけている」というネガティブキャンペーンを張ることは決して不可能ではないということです。物は言いようなのです。
昨年の「球界再編」問題では選手会が球団存続・セパ両リーグの存続を願うファンの側に立って懸命に活動しました。その中でストライキまでも実施されたわけですが、それも世論の強い支持があってのことだったのです。逆に言えば、世論を敵に回すことはそれだけ恐ろしいことなのです。
ですが、五輪から野球が消えたことで、プロ選手が参加する唯一の国別対抗戦となるであろうWBCの実現を希望する声は大きくなるでしょう。あるいは、上のサンスポ記事が正しければ、メディアがそうなるよう世論操作に走ることも予想できます。となると、これに反対する選手会が支持を失うことにもなりかねません。
難癖をつける選手会、ごねる選手会……これは一般世間にとってはあまりにも分かりやすい図式です。以前読んだ本の中に「人びとは最もわかりやすいことならたいてい賛成する」という格言がありましたが、まさにそうなる恐れがあるのです。
選手会の勢いが弱まることは、NPBや経営側にとっては目障りな存在が1つ潰れてくれることになります。当然これは「球界再編」を諦めていない者にとっても同様です。となると、WBCを利用して選手会を叩き、反対勢力がなくなったところで……あとは、おそらく皆さんご想像の通りでしょう。
ここまで書いてきたことはあくまでも想像です。良く言えば、「もし私がナベツネで『球界再編』を実現させようと思っているなら何をするだろうか?」という一種のシミュレーションですし、悪く言えば妄想や電波ということになります。
そして何より、私自身このような想像が杞憂に終わればと思っています。今朝もそう思いながら朝刊を読んでいました。
ですが、スポーツ面に掲載されていた渡邊氏のこの発言で、ここまで書いてきた私の漠然とした不安は、ハッキリとした恐れへと変わりました。
「ワールドカップとか、いろいろなのをじゃんじゃんじゃんじゃんやればいいんだよ」(2005年7月9日日経朝刊)
渡辺氏の発言や行動なら最悪ですよね。
これ以上野球界を引っ掻き回すのは勘弁して
ほしいものです。
まずはこの人をどうにかすることから
はじめたほうが野球界のタメなのでは・・・(苦笑)
それだけに、氏に早くご隠居いただくというのが球界のためには一番重要な気が私もしますね(苦笑)
また道具も施設も大層なものが必要で(サッカーは最低ボール一つからでOK。球場をロンドンに作ってもあと使いようがない)この点もハンデがある競技です。
日本中に自球団の野球ファンを増やしたい人と、世界の大きな競技会で野球を止めようとする人たちの利益が合致するところが、まことに皮肉な話です。
またどうしても彼がからんでくるとするならば、嫌な予感がしてしまうのは、昨年受けたトラウマでしょうか。
「参加しないとまずい」という発言にはWBCへの強いこだわりが滲み出ており、選手会が3月開催に反対している事をわざわざ話題に取り上げて早くもネガティブキャンペーンを始めているようにも見えます。
いやはや、ホントに困った爺さんです。
読売新聞の記者にインタビューされちゃいました^^;
トラックバックありがとうございます。
野球はアメリカの歴史です。歴史だから別に五輪で競う必要は無いと思っているのでしょう。一方、日本はそれを後追いしているだけ、しかもせいぜい高度経済成長の姿が重なる程度。その上、いまだミスターの威光に頼ってばかり。そして元オーナーのバカ発言。今頑張ってる選手たちが可愛そうですね。
ただ、野球人気云々という議論よりも、その議論を使って世論を操ろうとする人物がいるかも知れない、そのことの方が私にははるかに恐ろしいです。
その意味では私もひょっとしたらトラウマに囚われているのかも知れませんが、ただどうしても「羹に懲りて膾を吹く」というだけではないような気が自分でもしてなりません。
一方、五輪での野球除外を受けて、古田選手会長がWBC参加に積極的な発言を行っていますね。
(サンスポ)
http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200507/bt2005070902.html
これまで反対していた選手会のトップが路線転換とも取れる発言をした背景にはいろいろなものが考えられますが、あるいは渡邊氏の意図を察知したのかも知れない、とまた想像力をたくましくしたりもします……
ただインタービューも受けられたということでしたら、なおのこと讀賣の記事には注目されることをオススメします。去年もたいがい酷かったですが、今年も何を言い出すか分かりませんからね(-。-;)
MLBも今回の決定には反対を表明していますが、その様子からはどうも真剣味が感じられませんね。恐らくおっしゃる通りで、ベースボールは自分たちのものという自信がそうさせているのかも知れません。
そう考えると、日本球界は野球をどう捉えているのか、あるいは将来的にどうしたいのか、その辺りが見えてきませんよね。もっとも、はじめからそんなものはないような気もしますが……