恐竜祖先、意外に早く増加か=ペルム紀末の生物大量絶滅後―化石調査・米チーム
時事通信 4月30日(火)14時23分配信
約2億5200万年前のペルム紀末に地球上の生物が大量に絶滅してから約1000万年後の段階では、恐竜やワニ類、鳥類の共通祖先に当たる爬虫(はちゅう)類が意外に早く増え、南半球の大陸で生息地域を拡大し始めていた可能性があることが分かった。
米ワシントン大やシカゴ・フィールド博物館などの研究チームが当時の大陸南部に当たるアフリカや南極大陸で化石を採集し、分析した。論文は30日、米科学アカデミー紀要電子版に発表された。
アフリカ・タンザニアの約2億4500万年前の地層からは、爬虫類から恐竜に進化する過渡期の化石が見つかっている。研究成果は生物がどのように再び繁栄し、恐竜が出現したかの解明に役立つと期待される。
ペルム紀末の生物絶滅は地球史上最大規模とされ、火山噴火などの影響でそれまで存在した種の9割以上が絶滅したと考えられている。当時は地球上に広大な大陸「パンゲア」があり、パンゲア南部はその後、アフリカや南米、南極大陸などに分かれた。
ペルム紀末の約500万年前には、ブタ程度の大きさで頭がカメに似た草食の哺乳類型爬虫類「ディキノドン」などがパンゲア南部に幅広く生息していたが、その後絶滅。研究チームがペルム紀末から約1000万年後の爬虫類アルコサウルス類の化石を探したところ、タンザニアで多く見つかり、ザンビアでも発見できた。