★we were on a break★

水曜どうでしょう 「迷走中」…最大の見所はエンディング?

「別離」

2012-05-17 23:37:20 | 映画
スカッと爽快・・・

っていうんじゃなくて
ものすごくドロドロしている渦に
思いっきり巻き込まれて疲労困憊の映画だったけど
なにしろ飽きずに楽しめる。

そして
色々と考えさせられた。

まず
これは見る人が男か女かによって
本当に見方が変わってしまうだろうってこと。

最初の家庭裁判所のシーン。

「長い間奮闘してやっと手に入れた外国に移住する権利を失効させたくない。」
というのが妻の主張。

「アルツハイマーになった父親を置いて行けない。」
というのが夫の主張。

もちろん、これが他の国なら
どう考えても妻の方が分が悪い。
(認めたくないけど)

でも物語の舞台はイラン。
2人には娘がいて
女性の自由がものすごく束縛されるイランを出て
娘の為に未来が輝く外国に移住するチャンスを逃したくないと妻は考えているのだ。

その意見に夫も賛成だったようで
当初は移住を求めて2人で頑張ったよう。
しかし父がその後アルツハイマーとなり要介護になってしまったということのようだ。

この言い合いを聞かされて
完全に、100%、妻の肩を持つシウ。
2人の話し合いはまったく平行線。
言い合いとはいっても、
夫は妻の言うことをまったく聞いちゃあいない。
話し合いになってないじゃん。と思う。


でもおそらく
男が見たら
真逆の意見なんだろう。
100%夫の味方になるだろうね。

妻の主張する“女に未来が無い国”という状況。
この辛さが男には理解できない。
女は目の前の幸せや暮らしの安泰を貪欲に求めるのに
男が大事にしているのは“メンツ”ばかりなのだ。

この2人の他にもう一組の夫婦も巻き込んで、
男女の違いがどんどんエスカレートしていく。

嘘が嘘を呼ぶサスペンスなんかも楽しめる。

ラストは何を思うだろうか。

登場人物の誰に肩入れするかによって
感想もまったく変わるだろう。


シウとしては気付いたよ。

結局のところ
結婚っていうのが無理だと思う。

問題が無い夫婦っていうのは
2人が仲良しで心がものすごく通じ合っているから、っていうんじゃなくて
本当に“問題”が無いんだってこと。

ひとたび何か深刻な問題が起きてしまったら
(とくにお互いの身内の件なんかで)
もうかなりの確率で
夫婦仲はぶっ壊れるんじゃないか?

話し合いなんて無駄。
話さないように、無いことのようにするっていうのが
一番の解決策なんじゃないかと思う。

そんな、
むなし~い気分になるけど
やっぱり見て良かったって思う映画。

これはデートムービーに良いかも。
これを見て意見を闘わせれば
おそらくけっこうな率で
お互い相手に失望するかも。

そんなおおごとにならずとも
この先結婚したら起きうる、色々なことにどんな風に対処する人なのか
そういうことを垣間見られるかもね。

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