ひゃまの飛んでもない光論





Hyama Natural Science Research Institute

ガリレオの2乗3乗則による水星の近日点移動の厳密解

2022-01-17 18:35:52 | 記事

ABSTRACT。

水星の近日点運動の43秒角 / 100年の誤差は、ニュートンの力のつり合い式から厳密解が出てきます。 遠心力と万有引力のつり合い式は、GM mg / r² = mi・v² / r。 「絶対静止基準系 + ニュートン力学」の近似解は、v² = GM / r。2乗3乗の法則 + ニュートン力学」の厳密解にはスケールファクターγが入りますγ・v² = GM / r。

Perihelion precession.svg
By Mpfiz - Own work, Public Domain, Link

INTRODUCTION.

アインシュタイン選集(2): [A4]: 水星の近日点の移動に対する一般相対性理論による説明(1915年)

1つ前の[
A3]の論文で一般相対性理論はひとまず完成したのだが、その最後の部分で触れられている「水星の近日点の移動」について、具体的な計算をしてみせているのがこの[A4]の論文である。発表年としては[A3]よりも1年前の論文だ。

ご存知のとおり惑星は太陽を1つの焦点においた楕円軌道上を運動する。太陽のまわりには複数の惑星が公転しているので、実際には惑星どうしの重力の影響で、それぞれの惑星が描く楕円軌道の近日点は移動してしまい、この楕円軌道自体の回転のことを天文学では「
歳差運動」と呼んでいる。この現象はアインシュタイン以前のニュートン力学でも計算されていたことであった。しかし、実際の観測と理論的な計算結果との間にはわずかなずれがあることが、ルヴェリエという天文学者によって指摘されていた。そのわずかなずれの理論的な説明が一般相対性理論によってなされたわけである。蛇足的であるが、アインシュタインが取り扱ったのは太陽と1つの惑星で構成される「2体問題」における歳差運動の微小なずれである。

MATERIALS AND METHODS.

月の自由落下から発想したニュートン力学の遠心力と万有引力のつり合い式から、

GM mg / r² - mi・v² / r = 0  (1)。

これは、ガリレオの等価原理(自由落下の一般性)ともマッハ原理とも一致する。それを切り離してニュートンの絶対静止座標系や、アインシュタインの等価原理が独り歩きするのが間違い。
 
 
ポストニュートン近似では、

しかしながらニュートン力学(遠隔作用)はケプラーの法則(近接作用)からきているので、重量質量は万有引力定数を係数として体積に比例し、力の比例定数である慣性質量は面積に比例するというのを、言い換えればガリレオの等価原理(物体は重さに関係なく同じ速度で落ちる)なので、

また一般に、スケールの異なる物体や(システム)を比較する際には、無次元量の整合も求められる場合がある。たとえば、レイノルズ数は代表長さによって値が変わり、これも抗力や揚力に影響する可能性がある

質量等価( m= mi )は( v ≪ c )の場合の低速近似であり、運動する物体には( m≠ m)の厳密解がある。

そのため、力の定義としては、プランクが指摘したようにニュートンの最初の定義“運動量の時間的変化が力に比例する”に返るべきです。そして、“運動量は慣性質量と速度の積である”とすれば、慣性質量がその運動方向によって異なる非対称的な不条理も無くなる。この形が相対論的に適切な形でしょう。 このように考えれば別稿「アインシュタインの特殊相対性理論(1905年)」3.(5)[補足説明4]で説明した様にγmが“慣性質量”であると考えねばならない。
この慣性質量のスケールによる変化と、エネルギーの増減による重力質量の変化を区別した光の等価原理のスケールファクターは、

γ = m/ m= c / w = c / √( c² ± v² )  (2)。

従って「自由落下する物体の軌跡が物体によらない」と言う原理から重力質量と慣性質量の比 m/mが物体によらず一定である事が導かれる。この一定値を 1 となるように単位を選べば重力質量と慣性質量が同一となる。

(式2)の光速度( )の基準系を無限遠において、(式1)から水星の質量を消去すると、

γ v² = GM / r  (3)。
 
(式3)をv=2πr/Tに置き換えて

4 π² γ = GM T² / r³  (4)。

ある惑星の公転周期 P と軌道長半径 a を使ってケプラーの第3法則より日心重力定数は GM = (2π/P)2a3 として容易に計算することができる。

(式4)の左辺の無次元のスケールファクターから公転する一周の差は、

⊿φ = 4 π² ( γー1 )  (5)。

この係数 は全周の立体角に由来しており、点電荷の帯びる電気量が、有理系では全周の電束に等しく、非有理系では立体角あたりの電束に等しい。角度が無次元量であるとするならば、電磁気的な量の次元には影響しない。

(式5)を秒角にすると、

"x = ⊿φ ( 180/π )*3600  (6)。

Mercuryorbitsolarsystem.gif
Lookang many thanks to author of original simulation = Todd K. Timberlake author of Easy Java Simulation = Francisco Esquembre - 投稿者自身による作品、CC 表示-継承 3.0、リンクによる。

水星は 88 日で太陽の周りを一周するのだから、100 年で約 415 回転してきたことになるので415周回の秒角は、

"y = 4 π ( γー1 )*1803600415  (7)。

離心率にこだわる方はニュートン力学から求めた( )へ、

= GM / r = GM☉ ( 1 - e² ) / l  (8)、

など入れて計算してみるとよい。

ところが、その近日点移動の早さの評価で、「間違っている」とまでは言えないまでも、不整合と言うかわかりにくいと言うか、やはりおかしいところがありましたので、ここで解説したいと思います。

RESULTS AND DISCUSSION。

一般相対性理論でこの誤差を求めるためのパラメータは、「絶対静止基準系 + ニュートン力学」の近似解を利用しているだけで、シュワルトシルト解や測地線方程式は難しくするだけで無用です。

それらから求まる平均軌道速度( v )さえあれば、 光の等価原理(式2)によって、 光速度( c )平均波動スピード( )の比( γ )から水星の公転運動の厳密解が求まる。

CONCLUSION。

光速度( ) = 波動スピード( )重力質量( m) = 慣性質量( m)になるのは、相対速度( v = 0 )の時だけだ。これは一般相対論が言う局所慣性系から見る視点だ。しかしながらニュートン力学から求める経験値は無限遠を想定した別の視点だ。この観測者の光速度と物体の波動スピードを変換しないで、特殊相対論の光速度不変の観点から「絶対静止基準系+ニュートン力学」の近似( GM/r )へ、この誤差のために2項目を付け足す近似は、ミクロからマクロまでフルスケールでデルタ関数問題を引き起こす。

彼らは、問題のほとんどの処理は、システム内の物体を点質量として近似する方法として「デルタ関数」を使用したことを指摘しました。その結果、自身の場所で評価される身体の重力場である「自己場」は無限になります。

光の等価原理では先に「光速度の基準系+ニュートン力学」へ変換後、

w²=c²±v²。

観測者( c )から見た運動( v )する物体の波動スピード( w )=物体の時計の進み方に還元し、エネルギーや光の運動量を一項で取り扱うので、一般相対論のデルタ関数問題は生じない。

E = c |p| = h・f = mg・c² = γ・mi・w²。

光速度の基準系の等価原理。

https://www.youtube.com/watch?v=vdEcpxz8tew

つまり波動スピードと時計の進み方は同じ意味であり、波動スピードと時計の進み方が別々に変化することはない。 無次元のスケールファクターで不変性を原理にして縛っても、階層性問題がフルスケールで発生させるだけで力学にはならないでしょう。

 

Acknowledgment。

5chに寄生して反論してくれた皆様のおかげで、本論の見通しが良くなったことに感謝する。

 

Appendix。

1、GPS衛星に搭載された原子時計の、相対論による一般相対論効果+ポストニュートン近似の特殊相対論的効果は、

GPS 衛星上では相対論的効果により、時間の進み方が地表と異なるので、 あらかじめ衛星搭載時計の周波数を(-4.45e-10)オフセットして、UTC(協定世界時)と同期し ています。

一般相対論による補正(重力による赤方偏移)
地球表面と、GPS 衛星上での重力ポテンシャルの差により、GPS衛星上での時間は地表より早く進みます。その大きさは、
特殊相対論による補正(2次ドップラー効果)
GPS 衛星の速度(3.874 km/sec)により、GPS 衛星上での時間は地表より遅くなります。その大きさは、 
 
本論によるGPS衛星に搭載された原子時計と地表の時計の進み方(波動スピード)の比の厳密解は、

地表の光速度( c ) : 299,792,458 m/s。
地心重力定数( GM ) : 3.986e + 14 m³/s²。
地球半径( r ) : 6,378,000 m。 

双曲線無限の波動スピード、 w = √( c² + 2GM / r )。

GPS衛星の高度( h ) : 20,200,000 m。
GPS衛星の軌道速度( v ) : 3,874 m / s。
GPS衛星の波動スピード、 wg = √( w² - 2GM /( r + h ) - v² )。
時計の進み方の違い、  wg / c = 1 + 4.45e-10。
 
2、以下は、太陽が他の惑星の影響で公転するアニメーションです。

 


光の運動量保存則

2020-08-07 02:06:27 | 記事

 前回は運動する観測者のための速度合成を説明しましたが、今回は「光の運動量保存則」です。 相対論は慣性系(特殊)か加速系(一般)で分けました。 本原理は観測者の運動を考慮した系間の統一的な保存則を、相対論と量子論へ提供します。

1、運動エネルギーが1/2な訳. 


(A), 観測者の運動を考慮しない場合, 観測対象の波動速度を時間軸に, 前進速度を空間軸に置き, 基準系の光速度をピタゴラスの定理の和に固定します. 

c² = v² + w² (1).

(B), 観測者の運動を考慮する場合, 基準系の光速度を時間軸に固定し, 後退速度を空間軸に置き, 波動速度はピタゴラスの定理の和になります. 

w² = c² + v² (2).

いずれの場合も運動に対する波動速度の変化は, ( v ≪ c )場合のルートの近似である「絶対静止基準系 + ニュートン力学」の運動エネルギーとほぼ一致します.

1 ± ( v / c )² / 2 = 1 ± β² / 2 (3).

特殊相対論による補正(2次ドップラー効果)
GPS 衛星の速度(3.874 km/sec)により、GPS 衛星上での時間は地 表より遅くなります。その大きさは、( v / c )²/2 = -8.4x10⁻¹¹です。

例えば, 波動速度の変化のGPS衛星に搭載された原子時計と地表の時計の進み方の厳密解は,

地表の光速度( c ) : 299,792,458 m/s.
地心重力定数( GM ) : 3.986e + 14 m³/s².
地球半径( r ) : 6,378,000 m. 
双曲線無限の波動速度, w = √( c² + 2GM / r ).

GPS衛星の高度( h ) : 20,200,000 m.
GPS衛星の軌道速度( v ) : 3,874 m / s.
GPS衛星の波動速度, wg = √( w² - 2GM /( r + h ) - v² ).
時計の進み方の違い,  wg / c = 1 + 4.45e-10.

2、光の運動量保存則.


光速度を基準系にする場合,  静止質量を等価にするのでは無く、光の運動量を等価にする必要があります.  しかしながら「光速度の基準系 + ニュートン力学」は光の運動量やエネルギーの表式がないため, 光速度の基準系の等価式を定義する必要があります.

絶対静止基準系 : 質量の等価

光速度の基準系 : 光の運動量の等価

アインシュタインは一般相対論を構築する前提として, 重力質量と慣性質量によるアインシュタインの等価原理を仮定しました.

アインシュタイン自身はこの二つの質量をどう考えていたのでしょう? 1948年6月19日付けでLincoln Barnettという知人に送った手紙に、「M=m/√(1-(v⁄c)^2 )を導入するのは、それに明確な定義を与えることが不可能なので、よくありません。‘静止質量’m 以外の質量は導入しない方がよい。M を導入する代りに、運動物体の運動量とエネルギーの表式を話に出す方がよいのです。」とあり、また、1989年にロシア人物理学者 Lev B. Okunは、普通に相対論的質量と呼ばれるM は使わないようにしようという提案を初めてしました。

不可能な理由は, 真空中の光速の変化を「光速度不変の原理」によって固定しているからです.  

歴史的には,アインシュタインは重力の理論として一般相対論を構築するさ い,一般相対性原理と等価原理を用いた.両者とも「原理」らしい原理ではある が,等価原理を使って局所的に特殊相対論を使うわけである.ところが上述した ように,特殊相対論は光速度不変性という原理らしからぬ原理に基づいて構築さ れたわけだから,それを引きずっている一般相対論も,この経験則的原理のうえ に立脚することになってしまった.

この相対論的質量(mr)を運動している物体のエネルギー(E)に置き換えても問題の本質は同じで、アインシュタインの『質量とエネルギーの等価性の初等的証明』からも, この質量は不変ではありません.

M' - M = E/c^2 この方程式は、エネルギーと質量の等価性の法則を表示している。 エネルギー増加 E は、質量増加、E/c^2 と結合している。 エネルギーは、通常の定義に従へば、付加定数が要らないから、E = Mc^2。

慣性質量だけにエネルギーの増減と質量のスケール変化を押し付けるは無理で、エネルギーの増減と質量のスケール変化は必ずしも一致しません.

E ≠ m₀・c² / √( 1 - β² ) (4).

mr ≠ m₀ / √( 1 - β² ) (5).

重力質量はエネルギーの増加または減少であり,

E = E₀ ± p・c = m₀・c² ± p・c = mg・c² = γ・mi ・w² (6).

慣性質量は, 運動による重力質量のスケール変化であり、

mi = γ・mg = mg / √(1 ± β²) (7).

系間の真空中の光速が変化しても, この光の運動量が不変なのです.

γ = c / w = mi / mg = c / √( c² ± v² ) (8).

スケールファクター( γ )は, 波動速度( w )に対する光速度( c )の比 = 慣性質量( mi )と重力質量( mg )の比です. 静止している場合のみ(オブザーバーと同じ慣性フレーム),

γ₀ = 1, c = w₀, mg = m₀ (9),

これが光速度の基準系になります.

3、水星の近日点移動誤差の厳密解.


したがって( mg ≒ mi )の質量等価も( v ≪ c )の場合の低速近似であり, 運動する物体には( mg ≠ mi )の厳密解があります. 

従って「自由落下する物体の軌跡が物体によらない」と言う原理から重力質量と慣性質量の比 mg/mi が物体によらず一定である事が導かれる。この一定値を 1 となるように単位を選べば重力質量と慣性質量が同一となる。

良い例として, 「光の運動量保存則」による水星の近日点移動誤差の補正は, 以下です.

43秒角 / 100年の誤差は, ニュートンの力のつり合い式の厳密解から出てきます.

ニュートン力学から水星の近日点運動の厳密解

また, 量子仮説は量子論的相対性原理( δλ・δmi = h / c ...波長と慣性質量の不確定性関係)にも関連しているため, 以下のような重力質量と慣性質量の違いによる問題は発生しません.

w = f・λ = h・f  / ( mi・c )  (11).

実はうまくいかない理由はある程度わかっています。これは質量を持つ物体の「大きさ」が一般相対論と量子力学で反対の振舞いをすることに関係しています。一般相対論によるとブラックホールの大きさは質量に比例します。一方,量子力学によると物体は波のように振舞い,その波長はその物体の質量に反比例します。つまり,物体の大きさの目安となる長さは,重力では質量に比例し,量子論では質量に反比例する,という具合に完全に反対になっていて,これが重力と量子論を一緒に考えることが難しい原因なのです。

4、お互い様の強調はわがまま.


以上のようにスケールには大小差があり、すべての物理量は連動しています。

画像2

したがって「光速度不変の原理」と「質量の等価原理」のどちらかで固定するやり方はボタンのかけ間違いで, お互い様のわがままを強要する制限にしかなりません.

マーフィーの法則:「お互い様」を強調するのは、常にわがままを押し通そうとする側である。

光速と時間の変化を分ける不正

2020-08-05 12:11:50 | 記事

 ここでは「時間と光速を別々に取り扱う間違い」が、ローレンツ変換にある理由を説明する。    

 
1、光速が一定な理由.

波動現象において、周期を T [s] とすると、波の周波数 f [Hz] は次のように定義される。

f₀ = 1 / T₀ (Hz)  (1).

この周期( T₀ )を波長( λ₀ )に変えると、真空中の光速度( c )になる。

f₀ = c / λ₀ (Hz)  (2).

この時間スケール( 1 )が変化するということは、( c )も変化するということである。 これは光時計( c )であろうが置時計( 1 )であろうが、時計には変わりないことから自明である。

したがって、時間が変化する( 1 )ということは光速が変化する( c )ことと同じ意味であり、その比は一定である。

 
2、ローレンツの間違い.

マイケルソン・モーリーの実験を受け、ローレンツは絶対静止座標系でc±v光速と運動の速度合成がガリレイ変換にならない理由として、物差しが進行方向に収縮する=ローレンツ収縮を考えた。

LeidenLorentz2017.jpg
By Vysotsky - Own work, CC BY-SA 4.0, Link

ここで彼は大きな間違いをする。時間と光速の変化が同じなら、時計の進み方が不変(絶対時間)で、物差しだけ変化することはない。

したがってそれによりガリレイ変換からローレンツ変換にしたところでそれは間違いである。

 
3、アインシュタインの間違い.

ローレンツと逆に光速は不変( c )、時間( t )が変化( τ )するとしたのが、アインシュタインの相対性理論である。

(ct)²-x²-y²-z²(c: 光速、t: 観測者にとっての時間、(x, y, z): 観測者にとっての物体の空間座標)はローレンツ変換に関して不変な量である(つまりいかなる座標系で物体を観測してもこの値は同じになる)。そこで、d(cτ)²=d(ct)²-dx²-dy²-dz²としてτ=∫dτとτを定義すると、このτも不変量となる。このτが固有時である。

その座標変換はローレンツ変換をなぜか採用している。

ガリレイ変換からローレンツ変換にしたところで、それも間違いである。

しかもローレンツは、アインシュタインの時間が変化する方が正しいとして、ローレンツ変換で時間が変化することを容認している?

アインシュタインは光速度不変を前提にしているが、慣性系間の光速は一定にならない。

光速度不変の原理の破れ

ローレンツが間違いであれば、アインシュタインも間違いである。 

 
4、同じ慣性系の真空中の光速は一定.

電磁気学の自由空間を絶対静止基準系にすると、全域が光速度で、時計の進み方はどこでも同じになる。

電磁気学において、自由空間(じゆうくうかん、free space)とは一切の物質が存在しない仮想的な空間である。真空中の光速および、真空の透磁率、真空の誘電率といった物理定数により定義される。

電磁気学の自由空間を観測者と同じ慣性系にすると、その慣性系の真空中の光速は一定になる。

この「観測者と同じ慣性系の真空中の光速は一定である」を、光速度の基準系にするということに反対する学者はいないだろう。 

 
5、異なる慣性系間の光速の変化.

ガリレオやニュートンの慣性系は、別に慣性系だけを言ってるのではなく、慣性系と非慣性系の区別、つまり力学的な関係を前提にしている。

その区別がなければ、何が慣性系か非慣性系かの区別もない。

したがって運動する物の時計は遅れるというのは、お互い様ではなく、観測者を加速するのか?それとも対象を加速するのか? によって運動に対する時間の進み方の符号も変わる。

 

 
6、観測者が運動する場合の速度合成.

マイケルソン・モーリーの実験で公転する地球の観測者の場合と、観測者と観測対象の両方が運動する場合の速度合成の仕方は、

 
7、ローレンツ変換とは?

この実験結果を説明するため、絶対静止座標系からの変換がガリレイ変換ではないとされ、電磁気学が共変になるような変換であるローレンツ変換が考えだされた。さらに、絶対静止座標の仮定を廃し、ローレンツ変換によって変換するあらゆる慣性系で物理法則が不変であるというアインシュタインの特殊相対性原理[2]から特殊相対性理論が生み出された。ローレンツ変換において、光速に対して慣性系間の相対速度を微小として近似したものが、ガリレイ変換になる。

マクスウェルの方程式も、絶対静止座標系の概念とは無関係である。

またニュートン力学も、

ニュートン力学では、宇宙における絶対静止座標系が存在しないので、あらゆる速度は常にその時々の観測者から見た相対速度である。

以上の古典論が絶対静止基準系だけで成り立つとしてローレンツ変換が考えられた。 しかし古典論がそれに縛られないなら、そもそも無用だったという話だ。

 

 


光速で移動しながら鏡を見たら

2020-08-04 15:47:24 | 記事

今回は光の等価原理で、

そのはじまりはアインシュタインが16歳のときに抱(いだ)いた次の疑問でした。「もし自分が光の速さで飛んだら、顔は鏡(かがみ)に映るのだろうか?」顔が鏡に映るには、顔から出た光が鏡に達し、反射して自分の眼にもどってくる必要があります。しかし自分が光と同じ速さで動いていたらどうでしょう? 光は前には進めず、鏡に届かないのではないでしょうか? しかしアインシュタインは「止まった光」などありえないのではないかと考え、悩みました。【『みるみる理解できる相対性理論 改訂版』ニュートン別冊/佐藤勝彦監修、水谷仁編集(ニュートン プレス、2008年)以下同】

という思考実験を「光速度基準+ニュートン力学」で考えてみましょう。

お互い様に時間が遅れる光速度不変の原理や、進行方向にだけ収縮するローレンツ変換は、全く無用で複雑にするだけなので、さっさと仮定から取り除きましょう。

^ ガリレイ変換自身は、絶対静止座標系の概念とは無関係である。

したがって、自分を加速する場合は速度無制限です。
いくらでも自分の時間を遅らせて、加速できます。
だから運動する内部の生活は、光速度のままなので鏡に写ります。

ニュートン力学では、宇宙における絶対静止座標系が存在しないので、あらゆる速度は常にその時々の観測者から見た相対速度である。 

自分の時間(観測者からみた時間を光速度基準にします。)は、光速度cで流れるのは変わりません。

外の光速(We²)=中の光速(Wi²=c²)+中から見た後退速度(Vi²)

Vi=0の時は、We=Wiで時間の流れは同じですが、
Vi>0の時は、We>Wiは超光速になり、その比Wi/Weが時間の遅れです。

たとえば、光速度の1倍の後退速度Vi=Wiで移動すると、元の光速We=√(1+1)、Wi/We=1/√2に時間が遅れます。

それは外部観測者から見た前進速度Ve=Vi(Wi/We)=1/√2倍です。

一般に加速すると自分の時間が遅れるといいますが、逆に自分の時間を遅らせることは、加速することとも言えます。

画像2

 


光速度不変の原理の破れ

2020-08-03 01:49:43 | 記事
よく相対論を信じる人たちから、光速度不変は実験では破れてないから、破れてない内は相対論が正しいという言葉をよく聞く。本当に過去に破れている実験はないか? 調べてみたら、あるわあるわということで、紹介します。

まず、光速度が不変なら、等速直線運動で相対運動する者同士は、お互いの時計が遅れてみえるという時計仮説があります。

時計のパラドックス[編集]
今、ここに一組の双子がおり、二人は慣性運動しながら次第に離れているとする。このとき兄から見ると、弟の時計は遅れてみえ、逆に弟から見ると兄の時計は遅れてみえる事が特殊相対性理論から帰結される。これは一見奇妙に見えるため、時計のパラドックスと呼ばれることもあるが[39]、実は特に矛盾している訳ではない。なぜなら慣性運動している二人は二度と出会うことがないので、もう一度再会してどちらの時計が遅れているのかを確認するすべはないからである。

以上の二つは特殊相対性理論の説明として正しく、等速直線運動は紛れもなく慣性運動であり、お互いに時間の遅れが観測されると、光速度不変は正しいのです。

しかし時間の遅れは、本当にお互い様に見えるのでしょうか? それがはっきりする良い実験がありました。

以下の数式と図は以下参照、④相対論的ドップラー効果の検証実験-マッカーサー(D.W.MacArthur)らの実験ー

画像3

相対論的ドップラー効果を利用して、Nd添加イットリウムアルミニウムガーネットレーザーの第4高調波光子のエネルギーを、800MeVの原子状水素(H0)ビームとの交差角θを変化させることで、移動する原子の基準枠内で1.4から15.8eVの範囲にシフトさせた。H0のよく知られたライマン転移(1sからnpまで)の交差角θを測定し、これらのデータをE=(E0/g0)γ(1+β cosθ)の式でフィットさせた。このようにして得られたE0/g0の値をレーザー光子のE0の測定値と比較すると、β〜=0.84でg0=1.000 04(27)が得られた。このようにして、g0=1という特殊相対性理論の予測は、2.7×10⁴の精度で検証された。

画像4

γ>1ですから、周波数が上がる=青方偏移するということです。あれ?慣性系同士ならお互い時間の遅れは赤方偏移になって観測されるのでは? 時間が早くなって観測されているじゃん。どうなっているの?

こんなに、はっきりした結果がでているのに反論した学者はいないか、調べました。

1907年に、アインシュタインは時間拡張を確証するために飛行原子を使った実験を提案しました。その論文では、飛ぶ原子は飛ぶ時計として考えられていました:ドップラー効果への言及は間接的でした(スタークによる実験の1次v / c)。1922年に、シュレーディンガーは(飛行)原子による光量子の放出がエネルギーと線形運動量の保存則によって規制されることを示しました。したがって、光子のドップラー効果は、原子と光子の間のエネルギーと運動量の交換の結果です。中心的な役割は、量子エネルギーのジャンプです。Δ E遷移の(相対論的不変量)。アインシュタインによって考案された実験の最初の実現は、Ives and Stilwell(1938)によるものです。それ以来、今日まで、この種の実験は、より良い精度および/または特殊相対論の予測からの逸脱を求めて繰り返されてきました。際立った特徴は、これらの実験を扱ったすべての論文がシュレーディンガーの力学的な扱いを完全に無視していることです。この省略の起源にはさまざまな種類があります:実用的(どこから来ても、公式間の合意と実験)、歴史的(光の波動理論の深い根づき)、および認識論的(基本的な認識論的ルールの無視)。

このシュレーディンガーがいう力学的な扱いが、慣性系→非慣性系→慣性系という慣性系間は非慣性系を挟まないと推移しないという、ニュートンやガリレオのいう慣性の法則(慣性系と非慣性系の区別を宣言)が正しい慣性系なんです。

ですが、実験で光速度不変を前提にしたお互いに時間が遅れて見える未慣性系はあり得なかったことが証明されているのに、無視されているのは悪質です。

マッカーサー(D.W.MacArthur)らの実験は、以下の(c)と同じで、反射が透過に変わっただけで、光行差がない分(c)より二次ドップラー効果がはっきりします。0.84cで運動する水素原子ビームの水素がたまに光子にエネルギーを与え、高調波に現れるのを計測している実験です。

5.相対論的速度で動く鏡からの光の反射 -レーザー・プラズマが作る航跡波からの電磁波の反射と周波数上昇-

相対論の場合は、こういう破れている実験を正しかったと言い張って誤魔化しているので要注意です。「相対論的力学のお互い様じゃない実験結果」は、「特殊相対論のお互い様の時計仮説」を否定しているのに、プロの学者に正しいと言われれば素人には区別つかないというか、そもそも基礎知識がないので騙しにしかなりません。

しかし、相対性理論が明らかにしたように、可秤質量を観測する座標系によって“質量”という属性も変化するものと考えなければならない。そのため、力の定義としては、プランクが指摘したようにニュートンの最初の定義“運動量の時間的変化が力に比例する”に返るべきです。そして、“運動量は慣性質量と速度の積である”とすれば、慣性質量がその運動方向によって異なる非対称的な不条理も無くなる。この形が相対論的に適切な形でしょう。

他にもあると思うので、見つけたらコメントください。