ひゃまの飛んでもない光論





Hyama Natural Science Research Institute

宇宙論的加速による月の離心率の増大

2020-06-30 03:09:23 | 記事

前回、月間と宇宙膨張の関係で、宇宙膨張による経年の収縮により、月~地球間も2.75~3.8(cm/yr)の距離が伸びた関係を示したが、あれ?まだ未解決問題が残ってると思い。

地球フライバイ・アノマリー。
地球に双曲線軌道で接近したいくつかの太陽系探査機にみられる、計算と一致しない小さな速度変化の原因は何か?[1]
天文単位の永年増加。
天文単位系では惑星の動きが力学法則に従っているのに、レーダー観測では惑星は遠ざかっているというデータが得られており、メートルに対して天文単位が増加しているようにみえる。 この現象はどう説明するのか?[1]
月の離心率の増大。
月は潮汐摩擦によってゆっくり遠ざかっているが、同時に軌道が少しずつひしゃげていることがレーザー観測から判明している。 力学的モデルとは一致しないこの離心率のわずかな拡大の原因は何か?[1]https://ja.wikipedia.org/wiki/物理学の未解決問題

こんなに一遍に未解決問題片付けていいのか?って言われそうですが、月の離心率の増大やります。

Animation of Moon orbit around Earth - Polar view.gif
By Phoenix7777 - Own work
Data source: HORIZONS System, JPL, NASA, CC BY-SA 4.0, Link

改良された潮汐モデルを用いて行われたルナレーザーレンジ(LLR)技術を用いて収集された拡張データの新たな解析では、月の軌道の偏心度eの異常率e˙の問題を解決することができませんでした。これは、e˙=(5 ± 2) × 10-12 yr-1の大きさでまだ存在しています。いくつかの可能性のある宇宙論的説明は、宇宙膨張のポストニュートン効果と、宇宙スケール因子Sの相対加速度速度¨SS-1の遅い時間変化の観点から提案されていますが、どれも成功していません。数桁違いに小さい。https://arxiv.org/abs/1404.6537

要は、潮汐モデルでは、離心率の計算が合わなくなるらしい。

平均距離:385000 km.

平均軌道離心率:0.0549.

https://ja.wikipedia.org/wiki/月の軌道

まずは、地球~月間の距離が年2.75cm伸びたとして、

x=2.75e-2/3.85e+8*5.49e-2=3.931e-12.

つぎに、地球~月間の距離が年3.8cm伸びたとして、

y=3.8e-2/3.85e+8*5.49e-2=5.422e-12.

ケプラーの法則は万有引力の法則の関係は、

軌道長半径 (質量が同程度の場合は連星間距離)を a公転周期を P、主星の質量を M、伴星の質量を m万有引力定数を G とすれば、これらの関係は次のようになる。

宇宙論的減速により、地球(M)と月(m)の重力質量が減り、軌道長半径(a)が大きくなり離心率は増大する。

近年解決された問題.

パイオニア・アノマリー (1980年–2012年): 太陽系外に脱出したことにより、パイオニア探査機の加速度が予測されたものとは逸脱していた[31][32]。これは、これまで考慮されてこなかった熱反跳力の結果であると考えられている[33][34]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AD%A6%E3%81%AE%E6%9C%AA%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E5%95%8F%E9%A1%8C

本当はこれも未解決だったので、これも入れたら、4つだ。

 


宇宙論的加速による月と地球の距離の増大

2020-06-30 00:16:53 | 記事

前回、天文単位(AU)に経年変化をやってみて、太陽などの恒星へ直接距離を正確に求めるのは難しいなあと、

実際、観測による定義はもう諦めているらしい。

これに伴って天文単位の永年変化のような、従来ほとんど無視しうるほどのものであった影響が現実問題になりつつある。こうしたときに、太陽質量 Ms の値が天体の運動だけでなく「ものさし」であるべき天文単位にも影響するという定義はメリットに乏しく、天文単位の大きさをメートルに対して固定するといった定義の見直しが避けられないという声があがっていた[17]。これを受けて、国際天文学連合は2012年の新たな定義で、天文単位をメートルに対して固定した値として定めることとなった。これとともに、天文単位は観測によって決定される値ではなくなった。 https://ja.wikipedia.org/wiki/天文単位

ということで、月間距離の経年変化を日間と同じ原理での説明にチャレンジする。

Ancient distance and apparent size of the moon

The Moon currently moves away from us at a rate of 3.8cm/year (1.5"/yr). BUT this 'lunar retreat' rate has varied over the last 4.5 billion years. This is a rough idea of what it may have looked like. Causes of variation: (1) meteor impacts on Earth or Moon. (2) reconfiguration of landmasses with earthquakes that generate changes in the rotational axis of the Earth.

やり方は同じで、ハッブル定数を70(km/s/Mpc)とすると、1年で、

x=70e+3/3.085E+22*3600*24*365≒ 7.156E-09(m/yr/m).  (1)

これに月までの距離をかけると、

y=x*380,000,000=2.75 (cm/yr).  (2)

天文単位より、月までの距離はアポロ着陸ミラーがあり、直接的、近い、長年の蓄積データがあり、

月の距離を正確に計算するには、約2.5秒の往復時間に加えて、多くの要因を考慮する必要があります。これらの要因には、空での月の位置、地球と月の相対運動、地球の回転、月の自由度、極運動、天候、空気のさまざまな部分での光の速度、地球の大気中の伝播遅延、観測ステーションとその地殻運動と潮汐による運動、そして相対論的効果。[7]距離はさまざまな理由で絶えず変化しますが、地球の中心と月の中心との間の平均は385,000.6 km(239,228.3 mi)です。[8]

月は地球から遠ざかり、 3.8センチメートル/年。[9]この率は異常に高いと説明されています。[17]https://en.wikipedia.org/wiki/Lunar_Laser_Ranging_experiment

これも多くの原因がありそうだが、主にこの宇宙膨張における物体の収縮による距離の増加+潮汐力ってとこだろうか?

地球と月間も、宇宙膨張していると言ってよいようだ

 

 

 

 

 


宇宙論的加速による天文単位の永年増加

2020-06-29 16:21:49 | 記事

前に物理学の未解決問題にフライバイ・アノマリーがあって、アンダーソン博士の論文の中に天文単位(AU)の経年変化も同様の異常というのがあって、これは大きいな問題じゃんと思い、取り組んでみた。

Astronomical unit.png
Huritisho - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

しかし、2004年にロシアのクラシンスキー[19]とブルンベルク[20]は、測定された天文単位の値が実際にはメートルに対して100年あたり 15 ± 4 m の割合で増大しているとみられることを報告した[21]。その後、類似の増大は天体暦の専門家であるアメリカのスタンディッシュ[22]やロシアのピチェーヴァ[23]によっても確認された[24][25]。 
この謎は2010年現在原因不明であり、またその意味するところも把握しにくい。クラシンスキーらの報告はレーダーなどを用いた火星、金星、水星などの距離測定により得られたメートルと天文単位の関係のデータの蓄積から明らかになってきたものである。レーダーでの距離計測は、電波の往復時間を精密に測定することで行われるので、問題は、天体暦から予測されるこの往復時間の非常にゆっくりとした増大と捉えられ、レーダー観測によるメートル単位では惑星軌道が拡大しているように見える。一方で、惑星の動き自体は天文単位系で表される天体暦とよく一致しており、天文単位でみれば惑星の軌道も運動も拡大を示していない。このため、奇妙にも天文単位がメートルに対して極めてゆっくりと拡大していると表現されることになった[26]。これまでに太陽質量や万有引力定数の変化、宇宙膨張の影響などが検討されてきたが、いずれもその効果はあったとしても十分小さいと考えられており、満足な説明には至っていない。https://ja.wikipedia.org/wiki/天文単位

ハッブル定数を、70(km/s/Mpc)とすると、
100年で、

(1) x=70e+3/3.085E+22*3600*24*365*100≒ 7.156E-09(m/世紀/m).

これに光速度cをかけると、

(2) y=x*299,792,458=2.145E+00 (m).

これに太陽までの時間を掛けると、

(3) z=y*480=1.03E+03 (m).

実質的には、メートルと天文単位との関係づけに最も影響を及ぼすものは近距離の惑星のレーダー測定による観測データであり. https://ja.wikipedia.org/wiki/天文単位

実際、太陽にレーダーぶつけてはないので、影響度は地表とのポテンシャル比較になり、経路の光速が変化±して、2.145~1,030 (m/世紀/AU)に15mが入ってくるのだろう。

(2)式を毎秒に戻すと、

(4) p = y/3600/24/365/100=6.802E-10 (m).

これはパイオニア10、11号の原子力電池からの熱放射では、異常値の20~30%しか説明できないとアンダーソン博士がおっしゃってた残りとぴったりじゃないか。

その後の詳細な検討では、この加速度 aP は太陽から 20 au 以上の距離で距離にほとんど依存せず、太陽の方向を向いたものとした場合 aP = (8.74±1.33) × 10−10 m/s2 となると見積もられた[8][9]。https://ja.wikipedia.org/wiki/パイオニア・アノマリー

あとで、元の論文をみてみようというか、古くて文字コードじゃない?

Secular increase of astronomical unit from analysis of the major planet motions, and its interpretation https://www.researchgate.net/publication/225869970_Secular_increase_of_astronomical_unit_from_analysis_of_the_major_planet_motions_and_its_interpretation

メートルの収縮により天文単位が極めてゆっくりと拡大してみえるで、メートルと天文単位の経年誤差も説明でき、宇宙膨張の原因は自分たちの縮小という説明にもなるだろう。

よし、論文をよくよんでからこれもアンダーソン博士にみてもらおう。

Solar System Video

 


隠されている時計のパラドックス

2020-06-29 13:51:25 | 記事

前回、フライバイ・アノマリーの解説記事をやっていたら、根が深そうなので新たな記事にします。

物理の未解決問題に、以下があるんですけど、

地球に双曲線軌道で接近したいくつかの太陽系探査機にみられる、計算と一致しない小さな速度変化の原因は何か?[1]https://ja.wikipedia.org/wiki/物理学の未解決問題

内容は、

天文データに関連する少なくとも4つの原因不明の異常があります。

おそらく最も不安なのは、yby軌道上の宇宙船が2000 km以下で地球に近づくと、単位質量あたりの総軌道エネルギーが変化することが多いという事実です。

次に、天文単位AUの経年変化は間違いなく懸念事項です。
報告によれば、年に約15 cm増加している。

他の2つの異常は、既知の非重力加速度の発生源のため、恐らく不快ではありません。
1つ目は、2つのパイオニア宇宙船が太陽系を反対方向に出て行くのが明らかに遅くなることです。
私たちを含む一部の天文学者や物理学者は、この影響が懸念されていると確信していますが、他の多くの人は、両方の宇宙船から太陽から離れる方向のほぼ同じ熱放射によって生成され、それによって太陽に向かって加速を生み出していると確信しています。

4番目の異常は、月の軌道の離心率の測定された増加です。
ここでも、地球と月の両方での潮汐摩擦からの増加が予想されます。
ただし、3シグマレベルで重大な原因不明の増加が報告されています。

4つの異常すべてに平凡な説明があるか、または1つ以上の異常が系統的エラーの結果であると疑うのは賢明です。
しかし、それらは最終的に新しい物理学によって説明されるかもしれません。
たとえば、少し修正された重力理論は除外されません。
おそらく水星の近日点の過度の歳差運動に関するアインシュタインの1916年の説明に類似しています。

^ a b c Anderson, John D. and Michael Martin Nieto (2010). “Astrometric Solar-System Anomalies”. In Klioner, Sergei A., P. Kenneth Seidelmann, and Michael H. Soffel (eds.). Relativity in Fundamental Astronomy (IAU S261): Dynamics, Reference Frames, and Data. Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-76481-0 (arXiv: 0907.2469).https://arxiv.org/abs/0907.2469

恐るべし、アンダーソン博士っていう感じですが、前記事のフライバイ・アノマリーは特殊相対論のパラドックスを解決するは、博士が見てくれるようですが、問題はもっと根が深かったんですね。というのが正直な感想です。

どうもこういうのが起きてるのは、膨張宇宙なのに静止宇宙のまま座標系をいじくって、対称にみようとする特殊相対論の考えが根底にあるようなので、ちょっとネットで検索し、以下の記事をみつけたので、きいてみたら、

ナンセンス:特殊相対論/パラドックスについて https://note.com/touya0117/n/nf4c14122ad09

まず、お互い様という言葉が通じなく、上のような未解決問題を知らなかったらしいです。

で、出所を探したら、

時計のパラドックス[編集]
今、ここに一組の双子がおり、二人は慣性運動しながら次第に離れているとする。 
このとき兄から見ると、弟の時計は遅れてみえ、逆に弟から見ると兄の時計は遅れてみえる事が特殊相対性理論から帰結される。 
これは一見奇妙に見えるため、時計のパラドックスと呼ばれることもあるが[39]、実は特に矛盾している訳ではない。なぜなら慣性運動している二人は二度と出会うことがないので、もう一度再会してどちらの時計が遅れているのかを確認するすべはないからである。https://ja.wikipedia.org/wiki/特殊相対性理論#CITEREF佐藤1994

時計の仮説は、アインシュタインの最初の特殊相対性理論の1905年の公式に暗黙的に(ただし明示的にではなく)含まれていました。それ以来、それは標準的な仮定になり、特に粒子加速器での非常に高い加速までの実験的検証に照らして、通常、特殊相対論の公理に含まれています。[30] [31]https://en.wikipedia.org/wiki/Time_dilation#Clock_hypothesis

公理かよw

再会する双子のパラドックスにオブラートされて一般相対論だよりにしてるくせに、単独で公理なので、強気だったんですかね? う~ん、前に見たページの言葉を思い出しました。

本当のパラドックスは 一般人から 隠されている。http://www7b.biglobe.ne.jp/~kcy05t/nirelati.html

たしかに・・・まあパラドックスは示さないといけない理由はないのだろうけど、異常はちゃんと知らしめておかないといけないのに、博士課程をやってる学生もしらないっていうのはおかしい。

そもそも、静止宇宙ならこのような矛盾した時間仮説を諦めるのかもしれないが、

だが、特にマックスウェル方程式の運動している物体についての非対称性の問題から出発して、問題を「時間の絶対的な性格についての公理、すなわち同時性の公理」に突き詰めていったアインシュタインは、理論物理学の出発点にある、解決できない「奇異な矛盾」の存在に気づいていたように見える。アインシュタインはそのパラドックスについて「運動している物体の電気力学について」のあの「注」をはじめ、いくつかの箇所で語っていた。その一つについてはすでに引用した。ここでは、彼の67才、その死の9年前の「自伝ノート」から引用することにしよう。
「まず、上のように特徴づけられる、この理論(特殊相対性理論)について一つの注意をする。この理論が、(四次元空間を別にして)二種類の物理的なもの、すなわち(一)測定棒と時計、(二)例えば電磁場や物質点などの他のすべてのものを導入するという事実は、奇異の感をいだかせる。これはある意味では矛盾している。厳密にいうと、測定棒と時計はあたかも理論的に自明なものとしてではなく、基本方程式の解(運動している原子の配位からなる対象物)として表されなければならないであろう。しかしながら、そもそもの始めから、理論の仮定が、そこから物理的事象の十分に完全な方程式を十分任意性のないように導くことができ、そこに測定棒と時計の理論を基礎づけるほどしっかりしてはいないのであるから、この手続きは正当である。座標の物理的解釈を(それ自身可能な何かを)一般にあきらめたくないならば、このような矛盾を許すほうがよいが──もちろん、理論の以後の研究において、それを取り除く必要はある。」(1946)。http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/clock.htm

 

膨張宇宙では、膨張していること自体非対称っていうか、もともと非対称性な世界での物理法則の同等性をガリレオが相対性原理でいったのだろうから、諦めなくていい。

運動の定義は、

物体が、時とともに空間的位置を変えること。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8B%E5%8B%95

なので、膨張宇宙ではその運動が加速しているということなので、加速してない物はない。

最近解決された物理学の未解決問題に、

時間結晶内の破れた対称性[編集]

時間結晶は時間並進対称性を破り、時間的に繰り返しパターンを持つようである。場もしくは粒子は、空間結晶と相互作用することで運動量を変えることができるように、時間結晶と相互作用することでエネルギーを変化させることがある。https://ja.wikipedia.org/wiki/時間結晶

これも対称性(平衡)の中では生まれないらしいが、非対称(非平衡)な世界では発生が証明されたっていうことらしく、そもそもが加速されて、非対称な世界から対称性が生まれているのを、その対称性から追っかけているだけなのだろう。


超光速度の光が引き起こすフライバイ・アノマリー

2020-06-13 21:13:52 | 記事

Abstract

 観測者は地球の自転によって等方的に収縮し、そして超光速の光伝搬(フライバイ・アノマリー)を体験する。

前に、Draftで「Frequency shift and Flyby anomalies 」を書いたんだけど、ちゃんと説明しておこうと思う。

地球フライバイ・アノマリーとは。

フライバイ異常現在の科学的モデルと速度の実際の増加(すなわちにおける増加との間の不一致である運動エネルギーの間に観察された)遊星フライバイ宇宙船によって(通常は地球の)。複数のケースで、宇宙船は科学者が予測したよりも速い速度を得ることが観察されていますが、これまでのところ説得力のある説明は見つかりませんでした。この異常は、SバンドおよびXバンドの ドップラーと測距テレメトリのシフトとして観察されています。フライバイ中に気づいた最大の不一致は13 mm / sです。[1]

フライバイ異常については、次のようないくつかの説明が提案されています。

  • フライバイ異常は、光の速度がすべてのフレームで等方性であり、ドップラー効果によって宇宙探査機の速度を測定するために使用される方法で不変であるという仮定の結果であると仮定されています。[14]測定された一貫性のない異常値:正、ヌル、または負は、この仮定を緩和して簡単に説明されます。フライバイ操作中、観測者の方向のプローブの速度成分Voは、プローブによって送信された無線周波数fの相対変位dfに、ドップラー効果によって光のローカル速度c 'を掛けたものから導出されます。Vo =( df / f)c '。セスペデス・キュレ仮説によれば、[15]可変重力エネルギー密度場を通過する動きにより、空間の屈折率n 'がわずかに変化するため、光の速度c'がわずかに変化し、不変量cに基づくドップラーデータの補正が行われます。これにより、地球の基準座標系でのフライバイ操作の速度またはエネルギーの変化が誤って推定されます。
  • 考慮されていない横方向ドップラー効果—つまり、放射状速度がゼロで接線速度がゼロでない光源の赤方偏移。[13]ただし、これは、レンジングデータの同様の異常を説明することはできません。

光の非対称ドップラー効果による説明。

 運動する物体や観測者は等方向に収縮(光速も、物体の長さも、時計の進み方も同期して変化するので、同じ慣性系の光速は一定)するので、回転でなくても運動する観測者を基準にすると相対的に全方向の光速が速くなる。

 DSNの観測者は自転運動( ω R cos θ )により等方向に収縮しているので、その観測者を光速度( )の基準にすると、上の図の左(自転軸や双曲線無限遠)からの光速( W₊ )は相対的に超光速になる。

W₊=√(C²+[ω R cos θ]²)  (1)。

 DSNの観測者の収縮による光速の差(C<W₊)は、探査機の無限遠速度の差(V'<V)に現れる。

距離の比例性は、SSNデータの大きな負の残差によって与えられます[ 14 ]。これは、DSN推定軌跡に対して、不自然な仮説を除いて、SSNレーダーエコーがフライバイ中に特別に超光速であったか、DSNドップラーと範囲のデータに過剰な遅延がありました。

V=(W₊/C)V'、

 √(V²-V'²)/Vω R cos θ/C  (2)。

 この観測者が運動する場合、光の非対称ドップラー効果の観測周波数(f)は、

f=f₊/(1-V₊ cos α/W₊)   (3)。

α:観察者から見た光源の移動角度=光源の移動方向からみた観測者の角度。

 運動する観測者から発し対象から反射する往復信号に、その運動分の二次ドップラーシフト(f₊)は現われない(参考:以下の図の(d))。 

 しかし、プライマリー・ドップラーシフトにフライバイ・アノマリーは現れる。

⊿f/f₀=(f-f₀)/f₀=⊿V cos α/W₊  (4)。

 (式4)のα(偏角δi とδo の2方向は地球の赤道を基準)と(式2)の緯度θにあるDSN局と結び付けると、以下のアンダーソンの関係式になる。

⊿V/(2 V’[cos δi-cos δo])=ω R/C=√(V²-V'²)/(V cos θ)  (6).

探査機の軌道を、それと接する双曲線軌道に当てはめたとき、漸近的な進入・離脱赤緯をそれぞれ δi, δo とすると、この式は ΔV / V = K (cos δi− cos δo) と表される。 ただし左辺は双曲線無限遠点速度 (hyperbolic excess velocity) で表したアノマリーの割合である。 比例係数 K は、K ≈ 3.099 × 10−6 で、これは地球の自転角速度 ω と赤道半径 R とを用いて、 K= 2 ω R / c と表されるとされる。 ただし、c は光速度。

結論

 Mbelekは「本アノマリーは特殊相対論における横ドップラー効果のみかけである。」と述べているが、非相対論的なプライマリー・ドップラー式へキャストして説明している。これは光速度に合わせて時間が遅れ、進行方向に時空が収縮しただけでは現象を説明できないことを意味していて、

ローレンツ:絶対時間+進行方向に物体が収縮、

アインシュタイン:相対時間+進行方向に時空が収縮、

本論:相対時間+等方向に物体が収縮。

  時間が遅れ、物体が等方向に収縮し、運動する観測者の系に相対して他の系の光速が速くなり、距離が増した結果、ドップラー効果やレンジングデータにフライバイ・アノマリーが現れる。したがって光の非対称なドップラー効果の式が変わってくる。

 この結果は、光速度の観測基準系が運動により等方向に収縮したことが観測されたことになるので、以下の見直しが必要になる。

^ ローレンツの理論では物体が実際に収縮するとみなすので、運動する物体が一律に収縮するならば、「長さ」の基準となるものさしさえも収縮してしまい、結果として収縮は観測されない為検証不能となる。一方、特殊相対性理論では実際に収縮するのではなく、同時である状態が座標系によって異なる(位置のみならず運動状態によっても同時性が異なる)ため収縮して観測されるとされる。

 フライバイ・アノマリーのように、近傍で我々の時間の進み方より早い現象の大きな差異を得るのは難しく、長らく光速度不変に頼ってきたが、古典力学から光速度基準へのパラダイムシフトが、まだまだ中途半端ともいえる。

謝辞

 このフライバイ・アノマリーの提唱のリーダーであったアンダーソン博士がメールへの返事やサイトのフォロワーになってくれたのと、Webで議論してくれた人々に感謝する。