東京電力福島第1原発事故の原因究明や検証を行うため、国会に設置された調査委員会が8日、始動した。衆参両院議長が同日、国会内で民間人から成るメンバー10人に辞令を交付。この後、上部機関に当たる衆参の議院運営委員会合同協議会が開かれ、委員長に就いた黒川清・元日本学術会議会長は「国民の、国民による、国民のための調査をする。政府、(電力)業界とは独立した責務がある」と決意を示した。
黒川氏は、調査委の基本方針について「なぜ『原発安全神話』が出てきたのか。万が一(原発事故)のとき、どういう対策をするか。世界と共有したい」と表明。「日本の信頼を勝ち取ることが大事で、世界の英知を結集したい」と語った。
続いて各党代表が発言し、民主党の松井孝治参院議員は「国民を代表した調査をお願いしたい。被災した方々への責務だ」と強調。自民党の塩崎恭久衆院議員は「独立して調査するのは、憲政史上初の試みだ。日本の新しい形をつくる意味がある」と述べた。
調査委は、9月に成立した事故調査委員会設置法を根拠としている。法律に基づき民間人で構成する調査機関が国会に設置されるのは、現憲法下で初めて。参考人招致や東電、行政機関への資料提出要求に加え、合同協議会に対して国政調査権に基づく関係者の証人喚問を要請することもできるなど、強い権限を持っている。年明けにも初会合を開き、半年後をめどに報告書をまとめる方針だ。(了)
[時事通信社]
調査対象は、事故の直接的原因のほか、事故の拡大防止や収束の対応に不備はなかったか、など多岐にわたる。 国会が法律に基づいて民間人による調査機関を設置したのは「初めてだ」国会の事務局は専門性のあるスタッフを確保するなど十分な支援体制を敷かねばならない。
調査を進める上で、調査委は「徹底的な情報公開」を原則とするという。透明性の確保は大切だが、会議での発言がいちいち外部の批判にさらされないよう、公開の仕方に配慮も必要だ、国と東京電力の原発支配にどこまでメスが入るか? 見守りたい。
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