【孫崎享のつぶやき】2024/12/04 水曜日 07:08

孫崎享のつぶやき

トランプ。「BRICSの国々には、新しいBRICS通貨を創設せず、また強力な米ドルに代わる他の通貨を支持しないという約束を求める。そうでなければ100％の関税に直面する」 現時点、まだBRICS通貨創設の時期ではない。脅して、あたかもBRICS屈したような印象を与える。トランプの手口

 

A―1；BBC[が脱ドル化なら「100％の関税かける」とトランプ次期大統領

トランプ次期米大統領は、新興国9カ国からなるBRICSが米ドルに対抗する新たな通貨を創設した場合、100％の関税を課すと脅した。
BRICSは、中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカに加え、現在はイラン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦（UAE）も構成国となっている。
ブラジルとロシアの主要な政治家たちは、米ドルの世界貿易における支配力を減らすため、BRICS通貨の創設を提案している。しかし、内部の意見の不一致から進展が遅れている。

トランプ次期大統領は、「これらの国々には、新しいBRICS通貨を創設せず、また強力な米ドルに代わる他の通貨を支持しないという約束を求める。そうでなければ100％の関税に直面し、素晴らしいアメリカ経済での売り上げに別れを告げることになるだろう」と投稿。
しかし、一部のトランプ支持者は、この発表が交渉戦術であり、約束というよりも初期の提案に過ぎないとの見方を示している。

関税はトランプ次期大統領の経済ビジョンの中心要素であり、同氏はこれをアメリカ経済の成長、雇用の保護、税収の増加の手段と見なしている。
この課税は輸出する外国企業ではなく、実際には輸入する国内企業が支払うものだ。したがって、米企業が米政府に支払う単純な税金ともいえる。
トランプ氏は大統領1期目にさまざまな関税を導入。その多くは後任のジョー・バイデン大統領によって維持されている。経済の研究では、こうした負担の大部分は最終的にアメリカの消費者が負担していることが示唆されている。

A-2　CBC

BRICS は、当初の加盟国 5 か国 (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、新興国の利益を促進し、高い米ドルへの依存度を下げることを目的として 2009 年に結成。
国際貿易におけるドルの優位性は、連邦政府の借入コストの低下や世界中での地政学的影響力の巨大化など、米国に多くの利点。
・プーチン大統領は10月、BRICS首脳会議で「ドルが武器として使われている」と述べ、新たな国際決済システムの構築を求めた。一方、2023年、ブラジルのシルバ大統領は、国際貿易におけるドルへの依存を減らすために、南米で新たな共通通貨を創設することを提案した。
BRICS通貨はドルを脅かすだろうか？
ドルが世界中でビジネスを行うために広く使用されていることを考えると、競合する新しい通貨を作成することは困難。 IMFによると、ユーロの存在と中国人民元の重要性の増大にもかかわらず、ドルは依然として世界の主要基軸通貨であり、世界の外貨準備の約58％を占めている。また、石油や金などの重要な商品は依然としてドルを使って売買。
米国経済の相対的な強さと安定性、そして世界の投資家や貿易相手国が米国政府の債務に対して抱いている信頼を考慮すると、BRICS諸国は実行可能な通貨を創設するのに苦労するだろう。また、このグループのメンバーにはいくつかの共通の利益があるものの、単一通貨を使って統一することは政治的に困難を伴い、技術的に複雑になるだろう。
南アフリカ政府は月曜日、ソーシャルメディア上でBRICS通貨を創設する計画はないとの声明を発表した。
エコノミストらは、BRICS諸国から米国に輸入される製品に100％関税を課すのは遠い目標であることに大方同意しているが、もしそれが実現した場合、米国の消費者には利益をもたらさないだろうと彼らは言う。このような課税はBRICS加盟国の商品価格を押し上げ、インフレを加速させ、消費者にとっての価格上昇につながる可能性がある。
元財務省エコノミストのブラッド・セッツァー氏によると、トランプ大統領の脅しは実際に他国のドル離れを加速させる可能性があり、各国にドルの使用を効果的に強制する取り組みは「実際、ドルの世界的な役割に対する長期的な脅威となる」と述べた。

A-3 　the　guardian.トランプ大統領、BRICS諸国に対する100％関税の脅しで貿易戦争の懸念高まるTrump threat of 100% tariffs against Brics nations raises trade war fears

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