(「占い」とは「運命」とは何か、鏡リュウジさんの言葉より の続き)
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ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書2 「勉強」と「仕事」はどこでつながるのか |
6人の特別講義プロジェクト,モーニング編集部 | |
講談社 |
圧巻なのは、彼が考える「運命」について論じるくだり。
高校生で占いデビューしたご自身が、
大学の研究職を目指していた大学院時代、
研究職の道を捨てて占いを本業にするようになった経緯を語り、
占い師になるのが自分の運命だったのか、という問いに対して、
「本当に運命はあるのか?
僕の答えは『わからない』です。(中略)
やっぱり運命があるかないかなんて、誰にもわからないんですよ」
「世の中には運や運命という言葉を使いたくなるようなことが、
山のようにあります。
嬉しいことも、悲しいことも、『なんでこのタイミングで!』とか
『どうしてこの僕に!』と思うしかないような、
偶然のひと言では片づけられないようなことがたくさん起こります。
そして占いは、それぞれの出来事から持つ
『意味』や『なぜ?』を考えるヒントを与えてくれます。
ただし、そこに最終的な『意味』を見出すのはあなた自身。
占いをヒントにするのもいいし、歴史をヒントにしてもいいし、
文学をヒントにしたってかまわない。
それがどんな運命であり、どんな意味を持っているのかを
決めるのは自分なんだ、ということは、
しっかり頭に入れておいてください」
彼が運命と言う言葉を使うのに慎重な理由はもうひとつあり、
「運命なんて言葉を安易に使って、自分の可能性にフタをしないでほしい」
と言う。
たとえば貧富の差、生まれた国の違い、といったことを
「そういう運命だから仕方ない」という言葉で語らないで欲しい、と言う。
状況を変えようという気が起こらないし、
一歩間違うと差別につながりかねない。
こうした状況を運命という言葉で語らず、
「格差社会」、「南北問題」といった言葉に置き換えれば、
「その問題の解決にどんなアクションが必要なのか、
前向きに考えることができる」、
と彼は述べる。
だから、占いは基本的に「夢を与えるもの」であるべきで、
ポジティブに前に進むためのヒントとして使って欲しい、と彼は語る。
さらに、「占い」を通じて、
自分と他者とのを違いを認め、受け入れるようにして欲しい、と彼は言う。
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