先日グループでさんあいを見学してくださった方々の中で、子どもたちが生活しているユニットをご覧になって、「一般の家庭より恵まれていますね!?」というお声がありました。一日3食十分に食べられない貧困家庭の子どもたちの生活実態が社会問題化している中で、そのような印象を持たれるのも至極当然かもしれません。
必要以上に贅沢にしている児童養護施設はないと思います。そのような余裕があるのであれば、貧困家庭の支援に回すべきです。一方で児童養護施設は、そのような家庭の子どもたちが活用する社会資源になっています。つまり、子どもたちの最後の砦としての役割を担っているのです。そのような砦となる施設は、構造的にも設備的にもしっかりしたものが求められます。
また、虐待や貧困等の理由で児童相談所を経由して入所しきた子どもたちの多くは、想像を絶する困難な状況を生き抜いてきた「サバイバー」と言えます。心身に傷を負った子どもたちを受け入れる児童養護施設は、安心安全が守られて子どもたちが傷を癒すような環境が必要なのです。また、小学校の高学年ともなればプライバシーが確保され一人で泣きたいときに泣ける個室も必要です。
これらの視点に立って児童養護施設の生活環境は整えられています。
一般家庭は、消火訓練はないよね。でも施設はみんなが安心安全に暮らせるために必須になっています。