来年大学進学を希望している高3女児のYちゃんは、今様々な奨学金の申請書を書いている。児童養護施設から大学に進学する児童の多くは、高校を卒業すると同時に、自分の力で生活費と学費を捻出していかなければならないのだ。Yちゃんも奨学金なくして進学の道はない。奨学金を得たとしても勉強にアルバイトに一生懸命の4年間がまっている。多くの大学生が享受できるモラトリアム(人生の荒波に揉まれる前の猶予期間)など、彼女にはないかもしれない。
施設の生活では、お手伝いのほかに小さい子の面倒もよく見てくれるYちゃん。中学では部活でも活躍し、高校では勉強と部活の合間を縫ってアルバイトも続けた。決して自分の状況にふて腐れることなく、一歩一歩目標である保育士にむかって歩む姿は、他の児童ばかりではなく職員の見本でもある。奨学金の申請書には、施設からの推薦文が必要になる。 こんなYちゃんだから喜んで推薦文を書いている。 「さんあいは、施設全体で自信をもってYちゃんを推薦いたします!」とかならず文を結ぶ。
今年の春、さんあいから巣立っていったツバメたち。 高校3年生たちの巣立ちの時は近い。
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