九雀物語」第2話・・・
カイは、巣床に入ったまま、2日前に出会った東の森の小雀(トキ)が言っていたことを思い出しています。
トキの家族は、以前 カイと同じ森の仲間でしたが、長老とエサの事でもめて、東の森の仲間にに入ったのです
「カイ、久しぶりだね!」
「ああ、そうだね トキ、この頃お前のところはどうだい」
「この森にいたころと一緒だよ、向こうの森でも長老がいてさ、結局、親父もそいつに逆らったら いいエサ場を与えられないから、ブツブツ言いながらも付いていってるよ。
でもさ! この間、少し早く森に帰っていたとき退屈して、チョット親父が、 うとうとしていたんで、東の森の近くの方へ言ってみたんだ。」
「エッ! うちの長老は、絶対、村には近づくなって言ってるぜ。」
「そうさ、人間がいるからな! 昔、長老が若い頃、何羽かで村にエサを探しに行ったらしいのさ、 その時、大きな網がしかけてあって、長老以外はみんな捕まったのさ。
だから絶対、他のものが行っても行かないのさ、俺の親父が言っていたよ。!
だけどこの間、俺が行ったとき、カラスのやつらが来ていたんだ、5・6羽だったよ。
面白そうだから、村の一番大きな家の屋根の下に隠れて見ていたんだ。」
「怖くなかったかい」
「少しね、 だけど、カラスの連中は賢いよ、人間たちは、俺たちと違って食べ物をいっぱい残すんだ。 それを村の外れの所に持ってくるのさ。
だから、カラスの連中は、それをずっと待っていて、人がいなくなれば飛んでいくのさ。
俺も、カラス達が帰った後、ちょっと行ってみたら、今まで見たことがないエサが、まだいっぱいあったよ!」
「ヘエー、俺も一回行ってみたいな。」
「そうだな、もう俺たちもいくらか大きくなったんだし、いつまでも長老にペコペコしている大人達についてゆくのもあきあきしているんだ、
2・3日したら一緒に村を出ないか!」
「ウーン・・ だけど、俺は母親が早く死んで、親父と2羽きりだからな・・・」
「なあに、親たちは俺らがいなくなれば、 エサを探すのが楽になるって喜ぶよ。」
「そうかな・・・、 じゃあ!3日したら一緒に出よう。」
約束から3日目の朝になり、カイは少し迷いながら、トキとの約束の場所へ飛び出しました。
第2話終了
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