マンション管理士綾さんのブログ

マンション管理士は「正義の味方・月光仮面」?

マンション管理でお困りでは?マンション管理士をご存知ですか?

2012-10-30 15:48:01 | ブログ

マンション管理士とは
 平成12年12月に成立した「マンション管理の適正化の推進に関する
法律」以下(マンション管理適正化法と呼びます)に基づく、マンション管
理の専門的知識を持つ者として国家試験に合格し、マンション管理組合
の相談相手として、登録開業した名称独占の専門職業者です。

 同じ法律で、マンション管理業務主任制度が発足しましたが、管理業務
主任者とは、マンション管理会社に籍を置き、登録管理業者の重要業務
を、有資格者として正しく実施する責任を持たされた者です。

 マンション管理士は、あくまで管理組合側に立ち、管理業者の業務や、
自主管理の管理組合の業務に関する、相談業務や支援業務を行う専門
家で、管理会社側に立つ業務管理主任とは、その立場を異にしています。

 マンション管理組合の業務は、建物の保守・維持・管理から、組合の運
営にいたる、ハード面とソフト面の広範な知識と能力を必要とする業務に
及んでいますが、管理組合の構成員による自主的な管理だけでは、マン
ションの規模によっては、なかなか円滑な管理業務を進めることが難しい
現状にあります。

不動産業界の闇の深さの中で、マンション管理が野放しにされていた

状況下で、マンション管理に係わるトラブルが急増し、その解決を目

指して、区分所有法だけではマンション問題を解決できないとして、

「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が成立しました。

管理業者の立場でなく、管理組合の立場、マンション居住者の立場

で業務に当たるところに、マンション管理士の存在意義があります。

以下の文書は、私が管理士業務を開始した時点での、

開業案内文書です。ご一読下さい。

                         2006年9月吉日

マンション居住者各位            

                       マンション管理士

                               住宅防犯アドバイザー

                                       綾  好 文

                                049-252-3018

                                  090-8946-3017

マンション管理士をご存知ですか?

 マンション生活、管理等については、民法とその特別法である建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)及びマンション管理の適正化の推進に関する法律(適正化法)で定められています。

いまや首都圏でのマンション生活者は3割を越えようとしていますが、マンションの居住形態が急増する中で、居住者同士のトラブル、建設業者、不動産業者、管理業者と管理組合のトラブルなどが多発し、マンションの急増に後追いの形で法律が出来、改正を続けています。

トラブルの原因の大きなものは、戸建住宅と共同住宅としてのマンション生活の違いや、各居住者の感覚や生活実態の相違の無理解、建設業・不動産業の不誠実や無責任から生まれるものが大半ですが、その解決には、居住者個人や管理組合の大きな努力を必要とします。

平成12年12月8日にやっとマンション管理適正法が成立、13年8月から施行され、マンションでの各種トラブルを解消し、マンションを適正に管理していくために、マンション管理業者の業者登録の義務付けや国家資格の専門家として、マンション管理業務主任者、マンション管理士制度が誕生しました。

これらは、野放しの管理業務を規制し、無登録の管理業務を禁止すると共に、業者に選任の業務主任の配置を義務付ける一方、業者の立場ではなく、居住者や管理組合の側に立つ専門家として、その相談にのるマンション管理士制度が発足しました。

業者にも登録業者として誠実に業務に当たる責任が課せられていますが、国家資格の管理業務主任者であっても、その管理業者の社員としての一定の制約を受ける立場となりますが、マンション管理士は、名称独占の国家資格で、マンション居住者、管理組合の側に立って、問題の相談、処理に当たることが責務とされています。そこに業務主任者とは別にマンション管理士制度が作られた理由と意義があります。

私たちは埼玉マンション管理士会の一員として、マンションでの快適な生活、所有者の満足できる財産管理の方法など、共同生活の中でのトラブル解消や、協同の力で住みよい環境を守ることなど、マンション居住者の期待にこたえるために努力を続けています。お気軽にご相談ください。ご連絡をお待ちします。

又、以下は、一般社団法人、埼玉県マンション管理士会の会報の巻頭言に

私が寄せた一文です。是非、お読み下さい。

マンション管理士は「正義の味方、月光仮面」?

マンションの管理の適正化の推進に関する法律が、平成12年議員立法で成立した背景には、当時、マンションストックが386万戸(居住者1千万人)から1年で406万戸に急増している中、マンション管理を巡る多くのトラブル、中でも深刻で看過できない問題が表面化し、俗にマンション法とも呼ばれた区分所有法だけでは十分に対応が出来ないことがありました。

これらに対応すべく区分所有法の改正が重ねられると共に、マンション管理適正化法が制定され、平成13年8月1日の施行に合わせて、法の定めを受けて、国としてこれまで放置してきたマンション管理組合の運営に対して、その責任の重視と自覚を明確にする必要から、「管理組合による望ましい管理のあり方」を示したマンション管理適正化指針を国土交通省告示として示しました。

この法律で、マンションという言葉が初めて法律に登場し認知されるとともに、これらのトラブルを未然に防ぐための仕掛けとして、第1に、マンション居住のプロとして高度な知識を持つマンション管理士の創設によって未然に防ぐこと、第2に、管理組合に対する情報提供、後見的役割を担うマンション管理適正化推進センターの設置により、適格な情報提供を行うこと、第3に、マンション管理業者の登録制度の創設による、管理業者の水準と資質の向上を図り、合わせて不適格な業者に対応することの3分類の予防対策が提案され(第150回国会建設委員会平成12年11月22日の山本有二議員の提案理由説明の概要)法律が成立したことはご承知の通りです。

未然にマンション管理のトラブルを防ぐことが期待されているマンション管理士制度の創設について、当時の報道には、深刻なマンションを巡るトラブルに直面している人々から、「正義の味方、月光仮面張りの期待が寄せられている」(あるコラム)との報道が見られたほどでした。

さて、マンション管理士を業として、7年。多くの先輩諸氏の導きのもと、機会を得て数多くの相談事例に接することが出来ましたが、この間の実感は、「土地建物を巡る不動産業界、建設業界の闇の深さと深刻さ」に驚き、「正義の味方、月光仮面たりうるか」の自問の日々が続いていることです。

この間の経験でも、特に等価交換により建設されたマンションや、デベロッパーや建設会社が自社ビルとして建設し、自社部分以外を分譲販売したマンションなどを中心に、販売業者が区分所有法とマンション管理の知識を知らないためか、あるいは十分に承知しておりながら、居住者の無知に付け込んでか、「自社部分は管理組合と無関係」を装い当然負担すべき管理費を払わない、原始規約の持分割合に自社持分の専有部分面積を明示しないでごまかす、あるいは過少に計算させる。建築確認時点では駐車場や駐輪場で許可を取りながら、販売時点では販売会社の不動産店舗に改造され、子会社の管理会社は、親会社の不正に口をつぐむ、法定の特殊建物調査なども、自社系列の建築士にやらせて、悪事の露見を防ぐなど、もろもろの手口に出会い、驚きと怒りを持って事の処理に当たってきました。

管理士が組合運営に関与することによって、これらの事実が明らかになり、10年越しの管理費ごまかしを清算して2千万近い追徴で和解に漕ぎ着けた例など、不動産会社のコンプライアンス対応によって解決は比較的容易となりますが、中には、当初の動機は別として、販売の過程で自社関係者を区分所有者として居住させ、結果として管理組合の中枢を支配する事例まで見られました。

Fマンション、建設会社、販売会社の同族会社である未登録管理業者が、居住する自社関係者を中心として組合理事会を支配し、管理会社会議室で理事会や総会を開催、2千万近くの使途不明金があると主張する組合員を逆に提訴するところまでこじれた事例も見られます。2年越しで国交省や警察に何度も足を運んで、未登録業者の管理行為をやめさせるよう訴えても、事態は動かず、国交省の「登録業者には厳しく指導できるが、未登録御者には資格を取って登録してくださいと指導するだけ」との現実に、月光仮面はどこに居るのかと天を仰いで、裁判闘争にのぞむ決意を固めたと支援を求めてきました。

さる3月19日、「鶴ヶ島マンション、管理費着服容疑でもと理事長を逮捕」が報じられましたが、この事例のようにマンションの心ある人々とマンション管理士の連携が大きな力となった事実もありますが、最近の事例では、1日2件の相談事例がそろって、規模が数十戸、1戸数百万で売買される自主管理のマンションで、一室を買い取った、あるいは落札して区分所有者となった不動産屋が、管理組合の運営に係わり不当な管理料を請求、その資金で更に空き室を購入、一族を住まわせ、役員でもない一族が理事会や総会あるいは日常生活において理事長に有形無形の脅しを掛けて理事会を支配し、高齢の理事長が2期続けて途中辞任する有様となって相談に見えた事例でした。

住民自治を基本とし自主管理を前提としたマンション管理運営において、自主管理の内部に入り込んだ不動産業者が、組合員の無知に付け込む、役員のなり手不足に付け込んで、理事長に就任、実印と通帳を預かり、自由にマンションの資産を食い物にする、まさに貧困ビジネスまがいのマンションのっとり事態に対して、月光仮面がどのように対処することができるのだろうか? 

弁護士法第1条には「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」と明記されていますが、「専門的知識を持って、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする」マンション管理士は何ができるのだろうか、自問の日々が続きます。

マンション管理士 綾 好文