古い空間管理室

NHK教育TVのアニメ「電脳コイル」に出てきた「古い空間」の存続を祈る、非公式ファンサイトです。注:妄想と昭和ネタ含む。

妄想小説 「新・ど根性イリーガル」

2010年05月16日 | 妄想小説

 

 

今日はコイルの日(5.16)です。

私は個人的に、電脳コイルの世界に一番近いのは、ど根性ガエルの世界じゃないかなと思っています。(ヤサコはカエル顔だしぃ)
何故なのかは、新・旧のど根性ガエルや、ど根性イリーガを見て、察してやってください。


そんなわけで、以前書いた「ど根性イリーガル」の続きです。

 


妄想小説 「新・ど根性イリーガル」


ヤサコの芋猫パンツに移り住んだデンキチだったが、ヤサコの冷たい態度に、仕方なくさらなる新天地を求めて旅立っていった。


(トゥルルルルルルルル)
イサコ 「おい!小此木か?」
ヤサコ 「えっ、あ、天沢さん?」
イサコ 「小此木だな?てめー。よくも、こんな恥ずかしめを・・・。」
ヤサコ 「ちょっ、ちょっと待って、いったいなんなの・・・。」
イサコ 「お前のとこのバカ犬が、イリーガルになって、私のTシャツに貼り付いているんだ!」
ヤサコ 「ええーーー?!」
デンキチ「いよう!ヤサコかー?」
ヤサコ 「で、デンキチぃ~。」
イサコ 「早くこいつをなんとかしろ!」
ヤサコ 「なんとかって、デンキチがなにを・・・。」
イサコ 「バカ、やめろー、このースケベ犬ー。」
ヤサコ 「ねぇ、いったいどうしたのよー。ねぇ?」
(プツッ)
ヤサコ 「あ、切れた・・・。」

ヤサコ 「ああ、もう、どうしよう。イ、天沢さんが心配だわ・・・。なにがなんだかわかんないけど・・・、金沢へ行ってみましょう。」

そんなわけで、イサコからの轟く叫びを耳にして、ヤサコは金沢へと行くことになりました・・・。


ヤサコ 「ふぅ。やっと金沢に着いたわ。確か、メールの地図だとこの辺なんだけど・・・。」
イサコ 「小此木。待ってたぞ。」
ヤサコ 「あ、天沢クッ、ぶーーーーー。」
イサコ 「な、なにがおかしい!」
ヤサコ 「だ、だって、デンキチったら、『東京フレンドパーク』のウォールクラッシュみたいに、イサコの胸にしがみついてるんだもん。ハハハハハハ。」
イサコ 「バ、バカにしに来たのかー!」
ヤサコ 「ご、ごめん、ハハハ、ハハハ、デンキチったら。」
デンキチ「ヤサコー。俺ついに新天地を見つけたよ。」
イサコ 「なにが新天地だ。小此木のペットじゃなきゃ、燃やしてやるところだ。」
デンキチ「えー、せっかく見つけたのに、やだやだあ。」
イサコ 「ば、ばかーーーー、動くなーーーーー。」
ヤサコ 「ぶーーーーーーーーっ。」

デンキチがどんな動きをしているのかは、ご想像にお任せします。

ヤサコ 「それにしても、どうして天沢さんのところへ行ったのかしらね。」
イサコ 「そんなことわかるもんか。」
メガ婆 「ほほー、これは興味深いわい。」
ヤサコ 「お、オババ?!どうしてここに?」
メガ婆 「京子に話を聞いてな。面白そうなんで、タクシーを飛ばしてやってきたのじゃ。」
ヤサコ 「タクシーって、幾らかかったのよ・・・・。」
メガ婆 「それよりも、この現象・・・とても興味深いわい。」
イサコ 「どうなっているんだ、早く、何とかしてくれ。」
メガ婆 「慌てるでない。ふむ、これは、おぬしらの心のリンクをたどって、移り住んだようじゃ。」
ヤサコ 「つまり、遠くに居ても、心のリンクをたどれば、移動できるってこと?」
メガ婆 「そのようじゃな。」
イサコ 「おい、小此木!飼い主のお前が呼び戻せば、簡単に戻っていくだろう。早く呼び戻せ。」
ヤサコ 「そんなことで戻るのなら、もうとっくに戻っているハズよ。」
イサコ 「いいから、早く呼び戻せ。」
ヤサコ 「デンキチ。帰っておいで。」
デンキチ「・・・・。」
イサコ 「おい、どうした。ご主人様の命令だぞ。」
ヤサコ 「デンキチぃ。ほらぁ、好物の赤いゼリーよー。」
イサコ 「・・・・悪趣味だな。」
ヤサコ 「なんでも良いでしょ。ほらほらぁ。」
イサコ 「・・・・ダメじゃないか。」
メガ婆 「どうしたもんかの。」
ヤサコ 「ふう。」

メガ婆 「そうじゃ!どっちが飼い主かを決めれば良いハズじゃ。」
ヤサコ 「どういうこと?」
メガ婆 「イリーガルは時間が経つと、飼い主のことを忘れてしまうように作られておる。だから、何か衝撃を与えて、飼い主が誰かを思い出させてやるのじゃ。」
ヤサコ 「でも、どうやって・・・。」
メガ婆 「Tシャツを、2人が思いっきり引っ張りあうのじゃ。そして、奪い取った方が飼い主になるのじゃ。」
イサコ 「そんなことなら簡単だ。よし、早速Tシャツを引っ張りあおう。」

そうして、ヤサコとイサコは、デンキチのTシャツを引っ張りあうこととなりました。

イサコ 「準備はいいか?小此木?」
ヤサコ 「いいわ・・・。」
メガ婆 「良いか?2人とも・・・。始め!」

イサコ 「せーの。」
デンキチ「痛いぃぃぃぃ、破けるよーーーーーーー。ヤメてくれーーー」
ヤサコ 「はっ、デンスケ・・・・。」
(パッ)
メガ婆 「決まったわい。」
イサコ 「(ふふふ、実は先に手を離した方が、痛いと泣き叫ぶ我が子を思う心の優しさから、飼い主にふさわしいという衝撃の結末になることは分かってるんだ)」
メガ婆 「飼い主は、イサコに決定じゃ。」
イサコ 「げぇええええええ。そりゃないよ。大岡裁きの話はどうなったんだ!」
メガ婆 「そんな昔のことは忘れたわい。」
イサコ 「えええええええええ。」
ヤサコ 「もう、日が暮れちゃったわ。オババ帰りましょ。」
メガ婆 「ワシも疲れたわい。」
イサコ 「そ、そんな、せめてTシャツだけでも、持ち帰ってくれよ。」
メガ婆 「そんなことをしても無駄じゃ。距離は関係ないのじゃよ。もしかしたら、今度はおぬしのセーラー服に張り付くかもしれんぞ。」
イサコ 「頭が痛い・・・。もう、帰って休む。」
メガ婆 「まぁ、帰ってデンスケとよく話すことじゃな。」
イサコ 「一体何を話せばいいんだ。」
メガ婆 「例えばデンスケの使命とか、なっ?」
イサコ 「使命か・・・。」

ヤサコとメガ婆は、金沢みやげを買って、のんきに帰っていきました。

 

その夜ー

イサコ 「デンキチ・・・、まだ、起きているか?」
デンキチ「なんだ?イサコ。」
イサコ 「小此木のところに帰らないのか?」
デンキチ「・・・・。」
イサコ 「お前の飼い主は、ヤサコ・・・、小此木優子なんだぞ。私は名前は同じユウコだけど、性格も外見も全然違う赤の他人だぞ。こんなに遠くに居たら、飼い主を守れないだろう。」
デンキチ「・・・・。」
イサコ 「もしかして・・・、お前、ヤサコを守ろうとしてるのか?ヤサコから何か悩みを打ち明けられたんじゃないか?」
デンキチ「・・・・。やっと分かってくれたね。」
イサコ 「そうか、そうなのか。」
デンキチ「うん。とても俺の力では解決できない悩みなんだ。だから・・・。」
イサコ 「なんだ、そんなことか。」
デンキチ「まだ、なにも言ってないんだけど・・・。」
イサコ 「で、悩みって、なんなんだ。」
デンキチ「なんか、軽々しいな。本当にコイツで大丈夫なのかな。」
イサコ 「任しておけよ。2人は仲間なんだぞ。心のつながった仲間なんだぞ。何でも解決してやるよ。」
デンキチ「それじゃあ、聞いてくれよ。」
イサコ 「うん。」
デンキチ「実は・・・、以前ヤサコはハラケンに『好き』って打ち明けたんだけど、いろいろあって、結局返事を聞いていないんだよ。だから、ハラケンの口から、直接ヤサコに正直な気持ちを言わせてやって欲しいんだよ・・・。」
イサコ 「・・・・、おやすみ。(グーー)」
デンキチ「おーーーーーい、約束が違うぞーーーー。」
イサコ 「私がそっち系の話しに弱いのは、雰囲気で分かるだろう。」
デンキチ「そこをなんとか頼むよ・・・・。」
イサコ 「なんとか・・・って言ったって・・・。」
デンキチ「お願いだよ。」
イサコ 「なぁ・・・、今の悩みを解決したら、お前、どこかへ行ってくれるのか?」
デンキチ「ああ、そりゃあもう、こちとら江戸っ子だぜ、江戸っ子に二言はねえぜ。約束しようじゃないか。」
イサコ 「生まれも育ちも大黒市じゃなかったけ・・・・。まあいいや、よし!分かった!その悩み、私が解決してやろう!」
デンキチ「本当か!?やった!これでヤサコの打ち明け地獄から解放される。」
イサコ 「なんか言ったか?」
デンキチ「いや、なんでもない。」
イサコ 「よし、じゃあ、どうあって原川に言わさせるか、夜通しの作戦会議だ。」
デンキチ「そう来なくっちゃ。」

イサコとデンキチは、意気投合して、あーでもない、こーでもないと喋りながらも、いつの間にか、仲良く眠りについたのでした。

 

次の日曜日ー

ここは大黒市内。

イサコ 「おい、デンキチ。メッセージは送ったか?」
デンキチ「おぅよ。ちゃんとサーバーもお互いのIPに偽装して、ついさっき、原川とヤサコに送ったぜ。」
イサコ 「よし!打ち合わせ通りだな。」
デンキチ「ヤサコとハラケンは、この図書館の前でたびたび会ってるんだ。」
イサコ 「人気もないし、絶好の場所ってわけだな。」
デンキチ「つぎは、イサコの番だぜ。強烈な溝落ちパンチをお見舞いしてくれよ。」
イサコ 「あんまり乗り気じゃないんだが、気絶させて、二人羽織で言わせることしか考えつかなかったからな。」
デンキチ「声色を変えて、あてる方は任せてくれよ。某名探偵から教わったんだ。」
イサコ 「そこは聞かなかったことにする・・・。」
デンキチ「そろそろ、ハラケンが来る頃だ。暗号で消えて
くれよ。」
イサコ 「後は打ち合わせ通りで頼むぞ。」
デンキチ「よし、任せとけ。」
イサコ 「来たぞ。(フッ)」

何も知らないハラケンとヤサコは、お互いに届いたメールを見て、図書館の前にやってきたのでした。

ハラケン「いつもメールじゃないのに、なんで今日はメールで呼び出しなんだろう・・・。まぁ、いいか。」
イサコ 「御免っ!!(グボっ)」
ハラケン「うっ、ウゥゥゥ、イサ・・。(バタン)」
デンキチ「チョロいもんだったな。」
イサコ 「死んでないだろうな?」
デンキチ「大丈夫、気を失っているだけだ。」
イサコ 「こいつ、意外と重いな。」
デンキチ「壁にもたれかけておけよ、いつもそうしてるから、たぶんバレないだろう。」
イサコ 「早く、黒目のテクスチャを貼って。」
デンキチ「こんな感じかな。」
イサコ 「早く!早くしないとヤサコが来るぞ。」
デンキチ「待ちなって。」
イサコ 「ほら、ヤサコが来たぞ。」
デンキチ「よし!隠れろ!」

ヤサコ 「ハラケン。お待たせ。」
ニセケン「いよう、ヤサコ。」
ヤサコ 「ハラケン・・・、なんか変ね。」
ニセケン「そそそんなことないよ。きょ、今日はね、大切なことを言おうと思って、ちょっと焦ってるんだ。」
ヤサコ 「え!た、大切なこと。(期待大)」
ニセケン「うん。ヤサコ。」
ヤサコ 「はっ、はいいぃぃ。」
ニセケン「ヤサコ、大切な返事をしてなかったよね。」
ヤサコ 「な、なに、その、アレのこと?」
ニセケン「ああ、僕は・・・。」
ハラケン「イサコ・・。うぅ。」
ニセケン「ヤサコのことが好きだ。」
ヤサコ 「い、イサ?」
ニセケン「ヤサコ、ヤサコのことが・・・。」
ヤサコ 「い、今、イサコって言わなかった?」
ニセケン「ヤサコだ、ヤサコ、ヤサコ、君が好きだ。」
ヤサコ 「そ、そうよね。な、えーと、何て言ったらいいのか。は、恥ずかしいわ。」
ハラケン「うぅぅ、む、胸が。」
ヤサコ 「ハラケン!どうしたの?」
ニセケン「ちょっ、ちょっと緊張し過ぎただけだよ。そ、それじゃあ、帰るから。」
ヤサコ 「ま、待って。(ギュ)」
ハラケン「ヤ、ヤサコ。イサコが。(ガクっ)」
イサコ 「やばい、逃げろ。」
ヤサコ 「ハラケン!大丈夫?」
ハラケン「今、さっき、イサコが居て、それで・・・。」
ヤサコ 「イサコが?なんでココに?」
ハラケン「なぜか分からないけど、ヤサコが心配でたまらなかった。ヤサコは大事な人だから・・・。」
ヤサコ 「それって・・・。あ、ありがとう。」


イサコ 「ふう、危なかったな。」
デンキチ「良かったなぁ、ヤサコ。うう。」
イサコ 「さあ、約束だ。早く消えてくれ。」
デンキチ「なんだよ。ずいぶんあっさりしてるじゃんか。」
イサコ 「当たり前だ、お前の飼い主はヤサコなんだからな。早く、ヤサコのところに帰ってやれ。」
デンキチ「わかったよ・・・。帰ればいいんだろ、帰れば。」
イサコ 「じゃあな。」
デンキチ「止めないのか。」
イサコ 「ああ。」
デンキチ「・・・。(チラッ)」
イサコ 「しつこいぞ。」
デンキチ「さよなら!」

デンキチはイサコのTシャツから、色が抜け落ちるように消えていったのでした。

ヤサコ 「やっぱりね。こんなことだろうと思ったわ。」
イサコ 「お、小此木?あ、お前、メガネ・・・。」
ヤサコ 「消えても無駄よ。全くもう、お節介なんだから。」
イサコ 「こ、これは、お前のペットからのお願いなんだぞ。」
ヤサコ 「まぁ、いいわ。ハラケンの気持ちも確かめられたし。」
イサコ 「そ、そうか。怪我の功名だな。」
ヤサコ 「それにしても、デンキチはどうしたの?」
イサコ 「デンキチはお前のところに帰っていったよ。」
ヤサコ 「うーん。私のところには帰ってきてないみたいだけど。」

(トゥルルルル)

ヤサコ 「はい?もしもし。えっ、アイコちゃん?えっ!うちのデンスケが?アイコちゃんの胸に『ゴ』の文字になって貼りついているぅ?」
アイコ 「ヤサコー、早くなんとかしてよー。」
デンキチ「おーい、ヤサコ。ゴリライモの奴、女装なんかしてるんだぜ。ドヒョヒョヒョヒョヒョ。」
ヤサコ 「もーーーっ、どこでも行けるんじゃないのよ!オババのうそつきぃ。」
イサコ 「おいバカ犬!!人様に迷惑を掛けるんじゃない!」
デンキチ「ヤサコやイサコよりもグラマーだぜぇ。ぴょこん、ぴたん、ぺったんこはもう古いぜ。」
イサコ 「なん・・・だと・・・。(カチン)」
ヤサコ 「お願いだから、デンキチ。早く成仏してよ・・・。」

デンキチ「へへへ、ど根性だーい。」
ヤサイサ「ごまかすなーーー!!!」


終わり

 

 

あとがき

変態妄想ですみません。

特に磯監督にはごめんなさいです。

先の「ど根性イリーガル」を書いた後で、ど根性ガエルのEDをYoutubeで見たら(もう無いよ・・・)、いきなり出ていました。原画:近藤喜文と。
たぶん、アニメの原画を教えるのに、このど根性ガエルは格好の材料なんだろうと思います。もしかしたら、故人との思い出もおありかもしれませんが・・・、でもね、面白いものは面白い。
私も脳に刷り込まれるほど、ど根性ガエルは繰り返し見たものですから、あり得ない世界を描くのは、アニメ同様、文章でもとても魅力的です。
だから、今回だけ、許してやってください。

アイコちゃんに貼り付いた後の続きは、どなたかにおまかせします。
原作通りに京子ちゃんにメロメロのデンキチも、面白いかもしれません。
もしよかったら、誰か続けてやってください。

挿絵もお待ちしてまーす。

以上 

 

話数:NO DATA

ネタ属性:懐かしアニメ

キャラ:ヤサコ、ハラケン、イサコ、アイコ、、メガ婆、デンキチ

バージョン:5.16(アニメ 新・ど根性ガエル)

 

 

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