古い空間管理室

NHK教育TVのアニメ「電脳コイル」に出てきた「古い空間」の存続を祈る、非公式ファンサイトです。注:妄想と昭和ネタ含む。

暗号狂の詩(後編)

2009年08月02日 | 妄想小説

 

 

 なんと!半年も前に発表した暗号狂の詩(前編)の続きです。

今さら感はありますが、自分の中ではしっかりと温めてきたつもりです。

後半にはオリジナル展開も用意していますので、もしよかったら、前編に続けて読んでやってください。

と、妄想小説を読み飛ばされる前に、メッセージをひとつ。

「神戸ナインクルーズの吉田えりちゃん!どうかやめないでください。そりゃ自分を支持してくれた人が解雇されてつらいのはわかるけど、君の活躍を期待して応援している人が、日本中、いや、世界中に居るんだから、やめずに頑張って!」

 

それでは、妄想小説をどうぞ。

 

 妄想小説 「暗号狂の詩(後編)」

 

ここは横浜、大洋ホエールズの球団事務所。
そこにノースリーブの男が売り込みに来ていた。

猫目  「お願いです。1打席だけでいいんです。天沢勇子と対戦させてください。」
事務員 「ダメだね。うちにはそんな余裕は無いんだよ。他を当たってくれ。」
猫目  「他って言ったって、もう、全部回ってきたんですよ。お願いです。もう、ここしかないんです。」
事務員 「ふぅ。パ・リーグには行ったのかい?」
猫目  「パ・リーグは・・・、リーグが違うからダメなんです。」
事務員 「うーん。そんなの知ったこっちゃないね。さぁ、帰った帰った。」
猫目  「すんません・・です。」

 (金沢メガマス球団事務所)

メガ婆 「オジジよ、変な噂を聞いたんだが・・・、あの猫目が、他の球団へ売り込みに回っとるそうや。」
オジジ 「そうか。勇子の電脳コイルを打ちたい一心なんやな。」
     「でも、まだ、バラしたらいかんで、電脳コイルは秘密の暗号のままや。」
メガ婆 「わかっとる。」


 (某電器店)

猫目  「浩二、幸雄、義彦と、どうして、超一流のバッターが、バットに当てることさえできないんだ。」
店員  「もしもし?お客さん。」
猫目  「それに、打つ瞬間、自分の体が揺れたとは・・、一体??」   
店員  「お客さん、もう閉店の時間ですよ。そろそろ帰っていただけませんかね?」
猫目  「えっ、あ、ああ・・・・・・・。」
店員  「お店のビデオで何度も何度も、野球のビデオをコマ送りして!商品を私物化されては困るんです。」
猫目  「あぁ・・・・・・・・・・・・。コイルぅぅ・・。」
店員  「????、いい加減にしてください!警察を呼びますよ!」
猫目  「わあ、あ、そ、それだけは。」
店員  「ほんっとに、もう。」
(ガラガラガラガラ)
猫目  「なんで、誰も、電脳コイルがあることを信じてくれないんだ。」

 

 (メガマスベンチ)

メガ婆 「残り15試合で首位と2ゲーム差。いよいよ勇子に、電脳コイルの連投を、やってもらわにゃいかんかな。のう?オジジ。」
オジジ 「そやなぁ、もう、優勝の美酒の味も忘れかけとるしなぁ。」
メガ婆 「でも勇子は、自分が猫目を自由契約に追い込んだと、責任を感じているみたいで元気が無いんぢゃよ。」
オジジ 「うまく電脳コイルは存在しないと、みんなに信じ込ませる作戦自体は成功したんじゃがな。」
メガ婆 「勇子ばかりを贔屓しても、ナインの志気に関わるし、電脳コイルの秘密をバラすしかないのかなぁ。」
オジジ 「いや、電脳コイルの秘密はまだ、守り通さないとな。猫目がなにをしでかすか判らんからな。」


(阪神甲子園球場)

ウグイス孃「メガマスのピッチャー、橋本アキラに代わりまして、天沢勇子。ピッチャー天沢勇子。」
ダイチ 「ケッ!また、チャンスで天沢勇子かよ。元鯉ルスの猫目を抑えてから、リリーフ成功率100%だってよ。やってらんねーよ。」
京子  「ガンバレー、ダイチー。」
ダイチ 「お嬢ちゃん。せっかくの応援申し訳ないが、俺はダイチじゃなくてベンチだ。」
     「どうだ!お兄ちゃんの体を張ったギャグおもしろいだろー。」
京子  「すっげーつまんない。」
ダイチ 「ガビーン。」
ウグイス嬢「タイガースのバッター、ヒゲ辻に代わりまして沢口大地。バッター沢口。」
ダイチ 「お、俺かよー。おっと、こうしちゃいられない。メガネメガネっと。」
     「げっ!メガネがねーじゃん。うーー、もう、どうせ打てっこないんだから・・・、(キュキュ)これで良しっと。」
審判  「早くしなさい。」
ダイチ 「ハイハイハイ。」
審判  「プレイ!」

オジジ 「さあ、行こかー、勇子。電脳コイルやー。」
ダイチ 「また、心理作戦かよー。ああもう何でも来やがれ。」
イサコ 「本当に電脳コイルのサイン・・・。ばれなきゃいいけど・・・。(えいっ!)」
ダイチ 「1、2の3。」
(カキーン)
イサコ 「えっ!」
オジジ 「なんやてぇ!」
ダイチ 「うおっ、当たったじゃん。」
アナ  「打ちましたー、打球はグングンと延びて行きます。」
ガチャ 「追うまでもないぜ。」
アナ  「あーー、ライトスタンド上段まで飛んだー。天沢勇子、痛恨のリリーフ失敗です。」
ダイチ 「うっひょう、やったぜ。天沢から代打逆転さよならホームランだぜ。しっかし軽い球質だよなー。」
京子  「ダイチーーー。やったねーーーーー。」
ダイチ 「イエーイ!ホームインっと。」
審判  「アウトーー!」
ダイチ 「はあ??? な、何でだよ?」
審判  「君の電脳メガネは何だね?」
ダイチ 「何だねって言われても・・・。:」
審判  「暗号野球協約第19号第2項『電脳野球をプレイするときは、必ず電脳メガネを着用すること』とある。君は電脳メガネをかけていないじゃないか。よってアウト!ランナーもアウトで、ゲームセット。メガマスの勝ちだ。」
ダイチ 「・・・・けっ!バレたか。」
アナ  「なんということでしょう!沢口選手のメガネは、マジックで描かれた伊達メガネでした!」
京子  「コラー、うんちーー。」
観客  「バカ野郎!なにやってんだー。」
御大  「ドカベンにまけるなー。」

観客の視線がダイチの顔に集中する中で、一人、大声を張り上げる、異様な雰囲気の観客が居た。

イサコ 「あっ、あれは・・・。」
オジジ 「えっ?」
猫目  「あーーーーーーー、あったああああああ。」
     「電脳コイルはあったんだああぁぁぁぁぁ。」
観客  「おい、フェンスにしがみついている奴は、元鯉ルスの猫目じゃないか?」
猫目  「あった、あったんだよ、電脳コイルはあったんだよ。ハハハハハハ。あった。あった。電脳コイル。ウフフフ、ハハハハハハ。」
デンパ 「何だって?電脳コイルは無いはずじゃ・・・・。」
ハラケン「電脳コイルはあったのか・・・・。」
観客  「大丈夫かよ、あいつ・・・。」
メガ婆 「猫目め・・・・。」
猫目  「見えた見えたぞ!妖しい暗号だ。ハハハ。そうか、そんなことか。ハハハ。」
オジジ 「猫目め。来ておったのか・・・・。」
猫目  「ハハハ。待ってろよ、勇子。おまえの電脳コイルを打つのは俺だからな。(ギロリ)」
イサコ 「ハッ!!!!」
オジジ 「勇子、帰ろう。猫目はもうプロ野球の選手じゃないんだから・・・。(もう騙し通せないな)」
猫目  「待て!勇子。逃げるのか?勇子。勇子ーーーー。」

 (ホテル阪神)

メガ婆 「今日、みんなに集まってもらったのは、ほかでもない。勇子の電脳コイルのことなのぢゃ。それではオジジから説明をしてもらう。」
オジジ 「黙っておくつもりだったが、このチームの選手だけには言っておこう。猫目が言っていたように、本当に電脳コイルはあったんだよ。みんなを騙し続けてすまんかった。勇子はわしの指示通りに黙っていただけだから、責めないでやってほしい。」
メガ婆「みんな騙し続けてすまんなぁ。でも、敵を騙すにはまず味方からっていうからなぁ。」
アキラ 「そういうことなら、しょうがないですねぇ。」
ヤサパパ「まあ、勇子くんのおかげで連勝したんだから、いいじゃないか。」
オジジ 「うん、うん。雨降って地固まるじゃな。」
メガ婆 「首位まであと1.5ゲーム差ぢゃ。電脳コイルもあるし、優勝はすぐそこまで来ておる。一致団結して頑張るぞ、良いな?みんな?」
ナイン 「オー。」
イサコ 「・・・・。」

 

 (小此木邸)

オジジ 「相談ってなんや?」
イサコ 「・・・・。」
オジジ 「黙ったままじゃわからんがな。」
イサコ 「猫目さんの事です・・・。」
オジジ 「ふう・・・。」
イサコ 「トレードになったのは仕方ないと思います。でも、今までの功績を考えたら、メガマスでコーチ、いや、選手で復帰してもらっても・・・。」
オジジ 「なんや、そんなことか。」
イサコ 「そんなことかって・・・。」
オジジ 「ええか?わしらはプロなんや、いつ契約が切られるか判らん。今、絶好調の選手だって、来年の保証はなにもない。」
イサコ 「はい。」
オジジ 「今、猫目を雇い直したら、その分押し出されるコーチや選手がいる。食うか食われるかの世界や。」
イサコ 「でも・・・。」
オジジ 「勇子がプロに入ろうと決めたのは、何が決め手だったかな?」
イサコ 「それは、猫目さんの気迫を身につけたいと思ったからです。」
オジジ 「今の猫目から、その気迫を感じとれるかな?」
イサコ 「・・・・。」
オジジ 「気迫のないプロの選手は、もう、グラウンドに立つ資格は無い。」
     「メガマスのナインにも、電脳コイルの誤解は解けた訳だし、安心して投げれば良いじゃないか。」
イサコ 「・・・・はい。」

 (広島市内)

猫目  「どうして誰も信じてくれないんだーー。」
    (ブオン)
猫目  「電脳コイルはあるんだーー。」
    (ブオン)
猫目  「うーーーー、おーーーーー。」
    (ブオン)
オバ監督「猫目・・・・。」
猫目  「お、オバ監督!」
オバ監督「猫目よ。私はお前の執念に賭けることにした。」
猫目  「そ、それじゃ!」
オバ監督「オーナーには私が掛け合ってきた。だから猫目よ、鯉ルスの監督として命令する。」
     「電脳コイルを打て!」
猫目  「か、監督。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。」


 (広島市民球場)

アナ  「さあ、ペナントレースも大詰め。2位のメガマスは、今日の試合を落とすと、もう優勝の可能性はほとんど残っていません。」
解説  「でも天沢勇子までつなげば、勝ったも同然でしょう。」
アナ  「今年のメガマスは、勝利の方程式がありますからねぇ。」
解説  「いくつかの失敗もありますが、なんといっても電脳コイルの存在が公表されてから、自責点0ですよ。一体誰が打つんですかねぇ。ホント、不思議な暗号ですよ。」

オジジ 「勇子!勇子!来てみい!早く!」
イサコ 「どうしたんです、そんなにあわてて。まだアップもしてないんですよ。」
メガ婆 「あ、あ、あれ、あれ・・・。」
イサコ 「はっ!!!!!」

猫目  「(来たな勇子。)」

イサコ 「猫目・・・・。」
オジジ 「鯉ルスに解雇されたハズなのに。わ、わしは幻でも見ておるのか。」
ハラケン「こ、これはまちがいない。ちゃんとメンバー登録されている・・・。」
猫目  「・・・・。(ギロリ)」
イサコ 「(ガクガクガクガク)凄い気迫だわ。」
教頭  「今日の天沢のジンクスによると、登板すると不吉なことが起きるがや。」
メガ婆 「教頭!なにをバカなことを言っておるのぢゃ!」
教頭  「本当のことだから仕方ないがや。今日の登板はやめるべきだがや。」
オジジ 「そんなこと・・・、やってみんと判らんわい。」

アナ  「さあ、9回の裏、3対5と、メガマスが2点のリードです。しかし、2アウトながらランナー1、2塁のピンチです。ウチクネ投手の酔っぱらい投法も、もう限界でしょう。カウントも2ー3!」
解説  「監督が出てきましたよ。」
ウグイス嬢「メガマスの選手の交代をお知らせいたします。ピッチャーウチクネに代わりまして・・・天沢勇子。」
アナ  「お聞きください、この大歓声!金沢からも熱心なファンが大勢来ているようです。」
解説  「いつものようにキャッチャーも小此木ですよ。こりゃ電脳コイルで勝負ありですね。」
アナ  「おっと、鯉ルスも選手の交代のようです。代走の今井を出すのでしょうか?」
ウグイス嬢「鯉ルスの選手の交代をお知らせいたします。バッターホプキンスに代わりまして、猫目。バッター猫目。」
アナ  「驚きました。先日、鯉ルスを自由契約になった猫目が、今日、再登録されて、いきなりの起用です。信じられません。」

イサコ 「猫目・・・。」
オジジ 「勇子。猫目もオバも執念やな。電脳コイルをお待ちかねということや。」
イサコ 「はい。」
オジジ 「でも、わかっとるな?優勝目前やで。」
イサコ 「はい。」
オジジ 「よっしゃー、しまっていこう。」
審判  「プレイ!」

猫目  「(今日の日をどれだけ待ち望んだことか。)」
イサコ 「(猫目に打たれる訳にはいかない。今までの感情は捨てて勝負に徹するだけ。)」
オジジ 「よっしゃ、いくで。(クイクイ)」
イサコ (ブンブン)
オジジ (クイクイ)
イサコ (ブンブン)
オジジ 「タイム!」
審判  「ターイム。」

オジジ 「どないしたんや、勇子。なんでどのサインにも首を振るのや。」
イサコ 「お願いです。電脳コイルを投げさせてください。」
オジジ 「なにをバカなことを言っておるんや。相手の裏をかくのが当たり前やろ。良いか、行くで。」
イサコ 「イヤです!電脳コイルしか投げません。」
オジジ 「な、なにを言うんや。おい、メガ婆、ピッチャー交代や。」
ヤサパパ「ダメですよオジジ。ルール上、交代した投手は、その打者の打席が完了するまでは交代できないんですから。」
オジジ 「ううぅ、計算ずくということかあ。」
イサコ 「お願いです。私は今の猫目の気迫に圧倒されています。でも、電脳コイルなら、電脳コイルで勝負できるなら、猫目の気迫を上回れるハズです。」
オジジ 「こ、この小娘がーー。」
イサコ 「も、もし、この打席で電脳コイルを打たれたら。私は・・・引退します。」
オジジ 「うーん。・・・・よっしゃ、そこまでの覚悟があるのなら、電脳コイルで勝負してみい。」

審判  「プレイ。」
アナ  「さあ、勝負の一球です。」
オジジ 「猫目!電脳コイルで勝負や!!」
猫目  「来い!勇子!!」
イサコ 「負けられない・・・。いや、負けない!オジジと作り上げてきた電脳コイルが、打たれるハズがない。」

シーンと静まったスタジアムに、世紀の一瞬が来ようとしていた。
熱い勝負はまるで恋の気分の様に、胸の鼓動はドキドキ目先はクラクラ。それでも時は待ってくれない。勇子の足が上がる。
そして、独特のモーションから放たれたボールが、地を這うようにホームプレートを目指して飛び、勇子は投げた勢いに任せ、宙を飛んだ。

猫目  「来た!電脳コイルだ。」
オジジ 「なっ、なんやてーーーーー。」

その瞬間、猫目の体中から、暗号札と思われる光が、四方八方にきらめいた。

猫目  「ぐっ。た、頼む。コイルの暗号札よ、効いてくれ!」
メガ婆 「あ、あれは暗号札。イカン、やめるんぢゃ!」
オジジ 「うわああああ。」
猫目  「うおぉぉぉぉ。」
     (カッ)

アナ  「・・・・・・・・は、入った。ホームランです。」
観客  「うおぉーーーーーーー。」
アナ  「鯉ルスに戻ってきた猫目が、執念で天沢勇子の電脳コイルを打ち砕きました!」
猫目  「ううぅぅ。」
審判  「君、君、早く回りなさい。」
猫目  「え・・・。」
審判  「ホームランだよ。」
猫目  「・・・・。えっ、えーー?あああーー?ほ、ホームラン??や、やったー、ヤッターーーー。」

オジジ 「勇子・・・・。」
猫目  「やったぞー、電脳コイルを打ったんだーーー。うぅ、やった。やったぞーーー。ハハハ。」
イサコ 「うぅぅぅぅ。ぐっ。」
オバ監督「やったな猫目。」
猫目  「ありがとうございます。(バチーン)」
オバ監督「痛ってーーー。」
猫目  「ハハハハハハ、やったぞーーー。」
オジジ 「見事だ・・・。」
アナ  「さあ、今日のヒーローインタビューは・・・。」
観客  「わーわー・・・・・。」

 

記者(イサ叔父)「あ、コミッショナー来ていらしたんですか。」
コミショ「うむ。電脳コイルをこの目で見てみたくなってな。」
記者  「どうでしたか?」
コミショ「最高の対決だったよ。しかし、未だに判らないのが、電脳コイルがどういう変化をしていたか・・・なんだが・・・。」
記者  「なにも変化してませんよ。」
コミショ「な、なんだって?」
記者  「つまり、天沢はボールを投げるのと同時に、電脳コイルの暗号を打者に投げつけて、打者の電脳体を分離させていたわけです。」
コミショ「それじゃあ、まともに打っても当たらないじゃないか。」
記者  「そういうことです。」
コミショ「ハハハ、凄いことを考えるもんだな。で、君はそれを明日の新聞で?」
記者 「いや、あの2人の苦労を考えると、とても記事にはできないですよ。記者としては失格ですけどね。」
コミショ「コミッショナーとして敬意を表するよ。」

 

メガ婆 「勇子。帰ろう。まだ優勝を逃したわけじゃない。明日がある。」
イサコ 「・・・・・・・・。(コク)」
オジジ 「おい、鯉ルスの猫目が引退を発表したそうや。」
イサコ 「えっ!!」
オジジ 「それにミーティングの場で、電脳コイルの打ち方を訊かれ、こう答えたそうや。『プロなら自分で攻略するもんだ』とな。」
イサコ 「う、う、うわあーーーーーーん。」

 

次の日、勇子の姿が消えた。
勇子の居なくなったチームには、もう優勝する力は無かった。
猫目もすべてを成し遂げたことで、暗号野球との縁も切ったらしい。

 

そして、秋季キャンプの時期が訪れた。

メガ婆 「あーあ、勇子が消えて、早2ヶ月。高校を出たばかりの女の子には荷が重かったかなあ。」
オジジ 「勇子のことばかり考えてもしょうがないじゃないか。わしがおるわい。キレのいい速球なら、若いもんには負けんぞ。」
ハラケン「でも、天沢が居てくれたらなあ。」
デンパ 「ほんと、なんだか、ベンチにいてくれるだけで、勇気が沸いてくるんだよね。」
ヤサパパ「勇子の勇は、勇気の勇だね。」
オジジ 「えーい、練習だ!練習!おいっちにぃ、おいっちにぃ。おっとっと(バターン)」
メガ婆 「ハハハ、無理はするでないぞ。」
オジジ 「うるさいうるさーい。」
ガチャ 「あ、あれは・・・。」
一同  「勇子だーーーーー。」
イサコ 「すみません。遅くなりましたあ。」
一同  「どうしてたんだよ。大丈夫かよ。」
オジジ 「う、う、う、コラー!メガマスをやめた奴が、グラウンドに入ってくるなー。」
イサコ 「メガマスをやめた?どうしちゃったんです?ボケちゃったんですか?」
オジジ 「おいおい。」
イサコ 「私はメガマスのピッチャー、天沢勇子ですよ。」
オジジ 「勝負に負けたら引退するって言ったやないか。」
イサコ 「やっぱりボケちゃったんですね。ピッチャーなら誰だって、この球が打たれたら引退してやる!という気迫で投げるじゃないですか?」
オジジ 「お、おい。」
イサコ 「それに。」
オジジ 「ま、まだ何か言うんかい。」
イサコ 「それに、暗号野球って、本当に素晴らしいわ。」

 

勇子は、暗号野球の素晴らしさがやっと判ったようだ。
これで本当の暗号野球狂になったと言えよう。

しかし、その後の勇子の活躍はほとんど無い。


参考として、投手天沢勇子の生涯成績を紹介して、この物語は終わりとしたい。

 

所属 金沢メガマス
実動  2年
勝利   0
敗戦   3
セーブ  11
防御率 8.35 

以上

  

話数:NO DATA

ネタ属性:MADムービー付き妄想小説

キャラ:MADムービー参照のこと

バージョン: 5.2(アニメ版)

 

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