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爆発はなかった 魚雷もなかった  シン・サンチョル委員の『良心宣言』

2010年05月31日 | 南北関係関連消息
シン・サンチョルさんの『良心宣言』です。
訪韓したクリントン国務長官にあてた手紙です。

『良心宣言』が必要な時代になってしまったことを、心の底から悲しく思います。

しかし、第2、第3の『良心宣言』が切実に待たれています。
とりわけ、この沈没事故で多くの同僚を失った兵士たちです。
彼らは、今、遮断された状態にあります。隔離された状態にあると言ったほうが適当かも知れません。
この事故で最も不思議なことは、当事者が口をふさいでいるということです。それがいかなる理由によるのかは、容易に想像できます。
しかし、今口をつぐむことが、何をもたらすのか…

切実に、
『良心宣言』が待たれます。

by maneappa

追記
下記のホームページをご覧ください。
写真等により詳しい説明があります。
http://www.anatakara.com/petition/no-explosion-no-torpedo.html

……………・…・

爆発はなかった 魚雷もなかった

by Shin Sang-Chul   * Date : May 26, 2010

Title : Opinion about Accident of PCC-772
PCC-772の事故に関する意見

ようこそ韓国へ。長官が朝鮮半島を含む東アジアにおける平和を話合う好機を得られるよう望みます。

私は沈没した天安号調査のため韓国国会によって推薦された民間調査員、S.C.Shinです。ここ韓国における真実そのものを長官にお知らせしたくこの手紙を書いています。

私は韓国海洋大学を1982年に卒業し、航海および砲術士官として2年間海軍に在籍、その後、韓進海運で航海士として数年間極東と米国西海岸の定期航路貨物船に乗船勤務し、さらに現代、サムスン、大宇、韓進重工のような韓国大企業の造船所で7年間、造船検査業務を経験しました。

私は136,000トンのばら積貨物船3隻、2,000~4,000トンのコンテナ船10隻の建造で、船体構造、船用機械と装備、塗料と航行システムを含む航海器具を担当しました。

韓国政府の信じがたいような結論と態度

私は韓国軍当局の結論に合意しませんでしたので、現在名誉毀損により訴えられています。 この状況がおわかりでしょうか? 私は当局に反対の立場にたった唯一の人間です。それが私が訴えられた唯一の理由です。私は世界の中の民主主義国家において、どうしてこのようなことが起こったのか理解できません。それで私は自分の意見をあなたに述べたいと思いますが、さらにこれがあなたを韓国でのあの不幸な事故の真相へと導く、有意義な情報であるかもしれないと考えます。

ご存じのように、この事件は世界の平和に貢献する朝鮮半島の平和にとりあまりに重要な問題で,そのためあなたとあなたの国は熱意をもって完璧(な調査)にしようと追求するものです。

軍当局は「魚雷の爆発」によって天安号が2つに割れて沈んだという結論に達しました。

しかし私の意見はそれとは全く異なります、なぜなら私は「爆発」を示すものはかけらも見つけることができず、反対にその船の座礁と離礁を示すいくつもの証拠を見つけることができたからです。

私は、真実をもとめる小さな声が予期せぬ災いを防ぎ、朝鮮半島にいる7,000万人の人間の安全を確実にするということを、あなたに十分に理解して欲しいと思います。

これから、ベンニョン島の位置する環境、特にこの付近での船舶航海にとって重要な自然環境を含む地理学的背景について話します。

1.ベンニョン島はどこに位置しているか?

ベンニョン島は黄海(西海)にある韓国領の島で、北朝鮮領のOngin半島の沖合にあります。その島は北朝鮮の沿岸からは10マイル足らず、韓国本道からは100マイル以上離れたところにあります。

2.ベンニョン島と大青島の航空写真

上空からの風景はとてもきれいで穏やかですが、一方海面下の状態はひどく悪いのです。

3.浅瀬、岩の海底、強い潮流

赤印は、海軍第2艦隊が事故の翌日遺族に説明した活動状況地図上に印された座礁地点、船体が割れた地点、救助活動の場所、船尾・船首の場所をしめします

4. Too much narrow and dangerous Fair way

ベンニョン島と大青島の間の狭い水域と岩底は、東から西、あるいはその逆の航海の安全を、深刻なまでに妨げます。その狭い海峡からでてくる場合はどんな船でも、左右両側の浅い海流のため、進路を安定して保つしかありません。船はこのような特異な場所では危険な状況に直面しやすく、「座礁」あるいは「衝突」の状態におちいる可能性があります。
天安号の事故とは無関係に、水難事故を予防するため、この水域を調査をして適切な方策を求めねばなりません

5. Geological features

北朝鮮の大同江は良質の砂である珪藻土の土壌と二酸化ケイ素を持ち、それらはガラスの原料で、堆積していきます。この川がそれらの物質を海まで運び、そこから急な潮流がそれらをベンニョン島の地域まで運び、海岸にそってたくさんの砂丘をつくり、その地域の航行をより困難にします。

6.2010年の3月26日当日に、何が起こったのか

本部への772からの第一報は「座礁!」
「韓国海岸警備隊への本部からの第一報は「座礁!」
「政府への第一報は「座礁!」

B.I.Lee 沿岸警備隊の局長
―「座礁」という第一報を受け取り、501巡視艇に現場へ急行するよう命じた―
 
2010年3月29日-MBC ニュース

7.混乱―最初の事故の正確な時刻
国防省は最初に事故が21:45に発生したと発表したが、その後、KIGAM(韓国地理科学鉱物資源研究所)が振動波の時刻を報告するまで、毎日それを変更しました。

8.「最初の座礁」を示す調査活動地図が見つかる

海軍当局と生存者が事故の翌日3月27日に遺族に概略説明をし、一番上の左端に潮流の時刻と水深についての注釈が書かれた調査活動地図上で、正確な座礁現場をマークしたものを見せました。
海軍当局は「この地図は我々のものだが、ひとりの犠牲者の遺族がそれをとりあげ、そこにメモを書き込んだ」と語っています。しかし別のある遺族が、当局がその地図を用いて事故を説明したと明言し、さらに韓国放送システム(KBS)の「トレース60ミニッツ」という現行の番組のインタビューで「最初の座礁」についてはっきり語りました。
そして最近我々は、下記のように、海軍がその地図を用いて遺族に状況を説明している映像を発見しました。

2010年3月27日 18:50  KBS ニュース・スペシャル

9.「座礁」の証拠
(1) Serious船体側面下部の重大なひっかき傷
(2) ビルジキール(*)損傷と、その付近での海水の浸透
*ビジルキール(同様軽減のため船底湾曲部に沿って突出させた緩衝材)
(3) 右舷の5つスクリュー刃にへこみとなった損傷
前方へへこむ損傷は、困難な状況から逃れようとして船が砂丘か泥に座礁した間に、「エンジン全開で後進」を行ったことを示します。
5つのスクリューの刃すべてが前にへこんでいる。これはエンジンを「全速力後進」にして座礁状態から抜け出そうとしていたことをしめす。土壌は硬化した珪藻土であると推定される。
(4) PCC-772 の下部側面板の状態を、PKM-357のそれとくらべてごらんなさい。
後者は2002年6月に発生したYeonpyeong (延坪)での2度目の小競り合いで、黄海に沈没後、53日間海底に横たわっていました。(現在は、あなたが滞在されている韓国海軍第2艦隊の中庭に置かれています)

10.参照のための「座礁」事故

国防大臣は、「ソーナー・ドームが損傷していないことがわかるので、「座礁」は無かった」と言いました。しかしご存じのように、それはまるで、ホームベースに滑り込もうとしている野球選手に「アウトだ!なぜなら、君の左のひざを見れば、きれいだからだ」と言うかのように、まるで常識外れのことです。何と馬鹿げていることでしょう!
722は全長88メートル、船幅10メートルです。ソーナー・ドームはわずか、長さ90センチメートル、幅30センチメートルです。この船の座礁とソーナー・ドームの損傷(の有無)には何の関係もありません。

一般に船が座礁するときに、そのソーナー・ドームは損傷するかもしれません、しかしソーナー・ドームに損傷がないことは、「座礁していないこと」を保証するものではないことは、右の写真のように、船首部分の底がきれいであることからわかります。

11.当局の中間報告-4月25日

 魚雷貫通の痕跡なし (*)          
 火災跡なし
 熱の発生なし
 破片なし  (*)               
 ケーブル線カバー損傷なし
 オイル・タンクとダンプ・エリア損傷皆無

これがそうです。これは「爆発は無かった!」と宣言するのに十分です。しかし彼らの結論は「海中にて船外で魚雷爆発」でした!信じられません。魚雷が772の真下3メートルのところで爆発して、何の損傷もなく、ただ、鉄鋼が「切り落とされた」だけというのです。

12.仮に魚雷が爆発するのであれば、

 どうしたら、船体が割れた付近で見つかった犠牲者の遺体がああもきれいで、一方、船体を真っ二つに裂くのに十分なほどに大きな爆発が生じるのでしょう?

・船体の底に魚雷破片の貫通がまったくないものでしょうか? (*)
・ケーブル線を覆っているビニルがまったく損傷しないものでしょうか?
・大爆発が起こったというのに付近に死んだ魚すらみつからないことがあり得るでしょうか
・なぜ誰1人耳やのどに症状がないのでしょうか。鼻血すらも?
 大爆発が起こったというのに付近に死んだ魚すらみつからないことがあり得るでしょうか
 なぜ誰1人耳やのどに症状がないのでしょうか。鼻血すらも?

13.「座礁」から抜け出した跡、大きな損傷を引き起こした2つめの事故は何か?

(1) 岩への衝突 (2)爆発 (3)金属疲労 (4)衝突
  その他には? これらで十分かもしれません。

(1) 近辺に割れた岩は皆無でした。― 岩は除外されます!
(2)爆発したしるしは全く見つかりませんでした。―爆発は除外されます!
(3) 割れ目は底から始まっていました。―金属疲労は除外されます!
残りは(4)つまり「衝突」です。

そこで私はこの結論に達するわけです。―最初の事故は「座礁」で、2番目の事故は―あらゆる知識と経験と分析を持って言えば―「衝突」です。

14.何との衝突か?

(1)軍艦であるかもしれません。―軍の統制ルールでは、夜中の漁船の操業が禁止されており、近辺の民間の船は日没の1時間前に港に戻ることが求められています。
(2) もしかしたら、もちろん、「海上艦」か「潜水艦」のひとつかもしれません。
(3)誰が知るでしょう? 神のみでしょうか?

15. 私の意見の概略

(1) 最も重要なことは、事故は1度ではなく連続して2度あったということです。
(2) 最初の事故は上記の各種証拠から「座礁」でした。
(3) 「砂の上への座礁」はいくらか損傷させ浸水にも至りましたが、それ自体は、船を2つに裂くほどの重大な状況にはなりませんでした。
(4) 2つめの事故が応えてきて、沈むことになりました。
(5) 私は「爆発」があった痕跡は少しも見つけることができませんでした。
(6) 2度目の事故は私の上記の分析によれば「衝突」でした。

親愛なる長官様

これが徹底した分析をもってする私の結論であり、私は自分の意見が真実に非常に近いものだと確信しています。全部おわかりになったでしょうか?それならば、どうか朝鮮半島におけるこの緊張についてもういちどよく考えてください。もしまだ分からなかったのなら、どうかスタッフに「私に「真実」を伝える別の報告を持ってきて!」と依頼してください。

これはただ単に東アジアにおける一国の一事故ではなく、今や世界中で最も難しい問題になってしまっています。合衆国のオバマ大統領はスピーチでいいました。「最高司令官が結論を下すべき問題が生じてきた場合には、私がそういう問題に関して、人々を導く判断を示してきました、それが合衆国大統領である間私が示したいと思うリーダーシップです。」
今こそ、私のヒーローであるオバマ大統領が、朝鮮半島における平和の難問を解くために、そのリーダーシップと真実、信念と正義を私たちに示す時であると私は考えます。私たちは常識に従い、完璧な証拠をもって、正確に科学的にもう一度この事故を調査したいと思います。それだけです。それが、この問題を解くための正しい方法であるでしょうし、そうすれば、韓国と合衆国の関係を強化するのに役立つことでしょう。
本当のことを言いますと、私は韓国のあまりに多くの人々が何の疑いもなく「米国が魚雷爆発というこの結論を、そんなにも単純に信じられるものだろうか」と案じていることに対して、とても懸念を感じています。

私は心の底から、爆発はまったく無かったと言います。ですから魚雷もまったくありませんでした。私はたくさんの座礁を示す証拠を伴う、物理的損傷のみ見つけることができました。韓国当局は私を訴えましたので、私は自分がみつけたあらゆる証拠をもって法廷で、この事故の原因を確立するつもりです。どうか良い結果になるよう、私のために祈ってくださいますか? お時間を頂きありがとうございました。またこの問題に関し、可能であればお考えを頂くことができれば大変感謝いたします。

Faithfully,
S. C. Shin

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Shin Sang-Chulさんは、Seopriseの代表顧問で、韓国海洋大学を卒業後、海軍士官として艦船や空母に乗務、またコンテナ船の船員や、現代、サムスン、大宇の造船部長を務めた後、沈没した天安号事故に関する軍民合同調査委員会の調査委員であった。(韓国NGO、SPARKのHPからの英語訳による)

SPARKのHPによれば、Shin Sang SHul haさんは、今回の長いスピーチを始める前に次ぎのような言葉を述べたという。― 「私はもともとは、正義感が高くありませんでした。しかし、私は立ち上がることになりました、なぜなら常識とはあまりにほど遠い状況が現在おこっているからです。」
彼は事故の真相を語ったあと、海軍により名誉毀損で訴えられた。
Seopriseのサイトで、彼は自分のヒラリーへの手紙を紹介し、次ぎのような言葉で、その手紙を世界に広めるよう求めている。」

「今日、ヒラリー・クリントン米国国務長官が韓国を訪問しました。私は、彼女が米国への帰国の飛行機のなかで読むことができるよう、私の調査結果報告を何枚かの写真と共に、米国大使館に送りました。私はヒラリー・クリントン国務長官が真実により近づくことができるよう、祈ります。
それに関連して、私はこの内容がすべての国の政府書記官と新聞社に広がるよう、 ネチズンの皆さんが支援してくださることを希望します。主要な海外メディアは、記者の名前やeメールの情報を載せていますので、どうかなるべく広範に、韓国で何が起こっているかを知らせてください。
こういうことをしてもどれくらいの影響を起こせるのか確信はありませんが、ひとりの人間の真実をくみ取ることができる海外の報道関係者にこの手紙を伝えることができれば、というのが私の何よりの願いです。もし皆さんにこれを伝えてもらえれば、私のものと一致する証言を申し出るeメールが、有力なレポーターに殺到することもあり得ます。そうれば、彼が関心を持ってくれ、記事となるかもしれません。(SeopriseのHP
からの訳: ―nobasestoriesinkorea.blogspot.com)


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