Sea Loves You 石川秀美

曲やアルバムの感想・解説・紹介など。。。  
★★★Since 31/01/2005 ★★★

ガラスのブローチ

2012-08-08 23:34:38 | 01.妖精(フェアリー)

真夏に相応しいこの曲!夏の日の小休止な歌である。

サウンド、メロディ、歌詞共に、いかにも松本隆&小田裕一郎の世界観が溢れる楽曲。
昭和アイドル歌謡。更に80年代前半期特有の和み系謡曲。
謎なのはブローチを少女がつけるか?って話で、そもそもタイトルが古臭いような。

どことなく打ち寄せる波のようなリズムが好い味を出してる。オーソドックスな古典アイドル調が心地よい。
また、2ndシングル:ゆ・れ・て湘南に近い海の少年少女の世界が広がる。
Bridgeのエレキギターサウンドや、パーカッションなど日本の夏の海を思い起こさせる。
歌詞の古臭さもなかなかw抒情的。海の家や、トウモロコシ焼きなど。。。。。。80年代の頃に見た景色が見えてくる。

スポーツ少女:石川秀美の初期イメージ通りの楽曲であり、曲単体として聴いてもMidテンポの落ち着いた曲ながら、
とてもメロディアスにサビの部分の輪唱などがメロディリズムが流れるような点が石川秀美のデビュー曲:妖精時代2ndシングル:ゆ・れ・て湘南と匹敵する楽曲であると言える。
また、今曲が収録されたデビューアルバム:妖精(フェアリー)での、アルバムバージョン:ゆ・れ・て湘南は同一編曲家:鈴木茂である。
男女の台詞が行きかう歌詞世界は1st、2ndシングルの続編のようである。

鈴木茂というと、堀ちえみ作品でよく目にした作家。デビュー年におけるイメージ像は似ていた感じもするだけに起用される作家にも共通するのか。
石川秀美作品史上においては、その後の1985年春夏の10thアルバム:Happeningに登場。夏の渚も豪州イメージへと展開されている。

今曲は石川秀美の初コンサート:さ・わ・や・かコンサートにても歌われ、その様子はLPレコードにて伺える(1982年9月26日、日本青年館に於ける実況録音)
曲の印象度と重なった会場雰囲気がとても和ましい。また、熱いノリのちょっと手前のじっくり落ち着いた中、見守ってるオーディエンスの呼吸音も聴こえてくるようだ。
手拍子音が会場が一体化を体現している。

どちらのアルバム作品にも、この曲は3順目に位置し、前2曲からの小休止と呼べるべくポジション。
それだけに少し実験的な楽曲であるとも思えるが、これは可否問わず、これでちょうど良い。

拙いからこそひたむきに努める歌唱もなかなか。直球でまっすぐに歌うボーカルスタイル時代でありながら、曲の印象に合わせて丁寧に慎重に歌おうとする姿が彷彿される。
アルバム中の他曲のアップテンポに比べて、その意思がより濃厚に感じる歌声である。

純真無垢という言葉が似合う曲である。16歳を迎えてのリリースというガラスの時代に相応しいwなんて。80年代の曲では

ガラスの~

とタイトルが付く曲の多い事!
自前のipodでは何があるか~>>>>>次回、追記w

さて
個人的にはこのアルバムは、1988年か89年にに初聴したのだけど、初期作は初期作で似合っているし、中期後期につながるルーツの源を感じる。
また製作側のテーマから、徐々に成長を遂げていき、昇華した石川秀美の足跡を辿るような初期作品でもあると言って過言ではない。
この曲のように初期代表曲の世界観を広げたアルバム作品が聴く事が出来れば、多くの人が先に入手されているであろう石川秀美の初期シングル時代をより深く味わえると考えられる。

今曲も今アルバムも未CD化なので、いつかの石川秀美アルバムBOXが発売になった際の楽しみな一曲である。

■追記 2012/8/13
そんなわけで、改めて自分のituneに入ってる曲数を集めてみた。

[ガラス~シリーズ一覧 itune]
01:硝子のカラス・松本伊代 1987
02:硝子のトライアングル・早見優 1986
03:硝子のピノキオ・裕木奈江 1990
04:硝子のプリズム・松田聖子 1984
05:ガラスの靴をありがとう・石川秀美 1986
06:ガラスの世代・北原佐和子 1983
07:ガラスの草原・菊池桃子 1987
08:ガラスの草原・中村由真 1990
09:ガラスの中の海 -HOME AGAIN ALONE AGAIN-・河合奈保子 1984
10:ガラスの夏・柏原芳恵 1981
11:ガラスの幻想曲・島田奈美 1986
12:ガラスのブローチ・石川秀美 1982
13:ガラスの街角・早見優 1982
14:ガラスの目隠し・小川範子 1988
15:ガラスの森・国生さゆり 1988
16:ガラスのラブレター・桑田靖子 1984
17:ガラスの林檎・松田聖子 1983
18:ガラス窓・三田寛子 1984

保持していないけど、世にはまだまだガラスシリーズの曲ってあるよね。
グラスでもなく、ガラス。正しくはガラス製のって言葉なんだろうけど。
壊れやすい~、シンデレラの物語のイメージがあるんでしょうか。
洋楽ではあまり見かけない言葉だよなぁ、と改めて思うだけに危うさ儚さが好きな日本歌謡ならではかもしれません。

個人的にはこのラインナップのために初聴となった♪03♪15。次聴く機会が訪れるのか???くらいw
けっこう好きなベスト5は♪01♪04♪07♪11♪14

石川秀美:ガラスの靴をありがとう♪
2010.02.22にてレビュー済。ご本人作詞の曲にもガラスは使用されてたな。

総合的に考えると、ガラス製品のもつ儚さを持ち、シンデレラ的なブローチという世界感である。
石川秀美:ガラスのブローチ♪が収録されたデビューアルバム:妖精(フェアリー)がいつかCD発売される日を心待ちしております。


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