アイドル時代のパブリックイメージであった「健康的、夏、海」から
都会的なサウンドにかわって、大人のイイ女路線に展開し始めた石川秀美の後期突入作品。
1985年の健康的かつSEXY路線から、よりハードに大人路線になったのもこの頃。
1986年の春夏は、イギリス録音でのパンクポップなどで新規開拓したものの、ビジュアル的にも音楽的にもどういう路線にいくべきかあぐねていたように感じていたものだったが、
蛹が蝶になるかのように、21thシングルのSide-A:危ないボディ・ビートから、一気に大人の女路線へと行くわけでカッコヨサを身に着けていく石川秀美であった。
そのSide-Bがこの曲なのだが、サウンド面や歌詞の世界観において、夜のイメージと純粋素直素朴な少女が、夜の街に繰り出すかのように大人の女に成長したことを物語っている。
この後はより、多くの人が認めるイイ女・石川秀美になっていくのである。
12thシングル:ミステリーウーマンをより成長した硬軟と強弱をつけたボーカル面が素晴らしい。
歌詞、作曲に関してはどこから?という感じの作家の起用ではあるが、編曲家にいたっては旧知の作家である。
良いか、悪いかは別として、石川秀美のイメージ戦略を構築する上では重要な曲である。
特にノリが良いわけでもなく、どことなくノリがつかみにくいテンポなのだが、
一つ一つの石川秀美の歌声が後期に表現された艶のあるボーカルを聴かせている。
Side-Aが久しぶりな、石川秀美が得意とするメロディアスとマイナー調のUPテンポな曲だけに、ちょっと違った曲を表現したのであろうか。
ちょうど時期は80年代後半に入り、新しい女性アイドルが台等する中、石川秀美をはじめとする80年代前半組は総じて、86年の後期にはこういった小難しい曲を歌って、
皆、大人の歌手へと成長していたのであった。
個人的には当時のちょっと暗いような大映ドラマのエンディングにありそうなw歌謡ロック的でもあるのだが、
もう少し頑張って、これもJAZZ FUISION的な作品にしあげてもらった方が活きてきそうな曲調と感じるのである。
イントロのカッコヨサはとても素晴らしいのだけど、曲全体が可もなく不可もなく、というどことなく印象薄い感じに仕上がってしまっている点が惜しいところである。
アウトロのフェイドアウトはちょうどよく、エンディングを迎える前の英語詞もなかなかインパクトがあって良い。
また、この曲もアルバム未収録という点からBOX:石川秀美BOX~Complete Single Collectionの発売により、初のCD化となった曲である。
表ジャケットや、中ジャケットからもより成長した石川秀美の意欲と美貌を感じることがうかがえる。
タイトルにあるシリアスな石川秀美のPAGEが今後繰り広げられていき、俺の好きなCoolでTightな音楽性とビジュアルになり、アイドル時代から進化した大人の女性=石川秀美へと変貌を遂げるのである。
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