露店

家の前の神社の祭で、この時期になると露店が並ぶ。
毎年眺めてはいるが、
まぁ通りも閑散とはしてきてはいるが・・・
昔のニギワイが懐かしい。

子供の頃は毎年、店が並ぶのを楽しみにしていた。

特にカタヌキと呼ばれる、粉で固めた板状の中に金魚や鉄アレイ、ラクダや傘といった形を針で掘り出す作業、

形が難しくなるほど成功すれば、より高い報酬を与えられるという、

成功すれば一枚５０円が、ラクダ辺りになると５００円くらいになり

金がかかってるんで、目の色変えあの手この手でやっていた。

しかし、俺なんかは簡単な奴しか出来なく、しかも成功率はかなり低く、

まぁうまい奴がいたもんや、子供の中でもプロの彫師みたいな奴が（笑）

針もいろんな種類を揃え、水で地道に溶かしながらやってみたり、
それでいて外側の部分は大胆に折り、

且つ店主の厳重なる検査をもくぐり抜けるイカサマ的な技を持ち、

老木から仏を取り出す一刀彫師のように・・・

・・・そこまでねぇか（笑）

しかし、もうカタヌキの店はなく、

輪投げでウイスキーのミニボトルやジッポーを取る事もなく、

階段とかで遊ぶ、バネみたいなおもちゃを欲しがる事もなく、

しかし、

祭は

続いては欲しい。

またにぎやかな時は、きっと来るはずだ。