最近は読書すると目が疲れるので、あまり読書しなくなっていましたが、大活字本は目が疲れにくいので、「獅子の系譜」(津本陽 著)を姶良市中央図書館から借て、10月12日に読み終わったので一部を紹介します。
この本の主人公、井伊直政は、大河ドラマ「おんな城主直虎」の最後の方で、万千代として登場し、徳川家康の小姓に抜擢され活躍する様子が描かれたいたが、ドラマでは直虎の死で終わっていたので、その後の万千代のことは知る機会がありませんでした。
「獅子の系譜」の著者は「井伊軍志」という著作を基にして直政の生涯が書かれていたので、その一部を紹介します。
万千代は徳川家康から信頼され、元服して直政となり、武将として異例の抜擢をうけ、野戦に際しては恐怖を知らない軍神のような奮闘をつづけ、徳川軍団の中核となっていく。
武田家旧家臣団の精鋭を用い、破竹のいきおいで戦功をかさね、出世していく直政には二つの顔がある。ひとつはきわめて思慮深く、家康を感心させる将器としてのスケールの大きさ。いまひとつは、気にさわった部下をたちまち手打ちにする、血に狂ったふるまいである。
これは直政が、幼少の頃から敵に命を狙われ、危難を逃れるため、諸方に流転した,特異な経歴の持主で、その間に彼の激しい性格がつちかわれたであろうと著者は推測している。
関ヶ原合戦では娘婿とともに、逃走する島津維新を追い、伏兵に鉄砲で撃たれ、その疵がもとで世を去る。
直政は家康の期待に応えて常に先頭にたって戦い戦功をあげて徳川の世をつくった武将の一人であったが、鉄砲弾の鉛毒が体にまわり42歳の若さで世を去ったのは、心残りであったと思われます。
参考のため表紙と目次をスキャンして添付します。写真をクリックすると拡大し2回クリックすると更に拡大します。左上の←をクリックすると戻ります。