8月3日、加治木史談会の「平成25年度・夏季学習会」が姶良市加治木福祉センターで開催され、会員及び会員以外の人も参加しました。
今回は「日本庭園の様式と鹿児島の庭園」及び「郷中教育と加治木の学舎教育」と題して会員の2人の講師が資料とパワーポイントなどを使って詳しく説明がありまし。
○日本庭園の様式と鹿児島の庭園・・・講師が庭園作りの長い経験から学んだ知識や体験を基に、「日本庭園とは」「日本庭園の源流(上古時代)」「飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、桃山時代、江戸時代、現代の日本庭園の特徴」「鹿児島の庭園」「花園寺跡庭園(姶良市鍋倉、義弘公看経所)」などについて説明がありました。
日本庭園は自然の美を抽象化したもので、上古時代は信仰の意味があったが、奈良時代になり仏教の伝来と中国の影響をうけて、広大な池庭が作られるなど、時代によって、変化して現在に至っている様子を写真を見ながら説明をうけ、日本庭園についての認識を深めることができました。
鹿児島の庭園については、江戸時代以降に作られたものがほとんどであり、それ以前に作られたものは、「花園寺跡庭園(姶良市鍋倉、義弘公看経所)」が発掘されているが、地形から見て、発掘すれば庭園跡が確認されると思われる場所が見うけられる等の説明をうけ、認識を深めることができました。
○郷中教育と加治木の学舎教育・・・講師は長年にわたり教師として活躍され、現在も高校の講師とし活動されており、特に若者の教育に危機感を持っていて、今回このテーマを取り上げられたようです。
郷中教育は薩摩藩時代に武士階級の青少年たちが、各郷を単位として、それぞれの学習団体をくみ、特別の建物も、教師も、補助を受けることもなく、青少年たちが自発的・継続的に小さなグループ学習をして、薩摩武士としての人間づくりをしてきたもので、素朴主義(質実剛健)、鍛錬主義(心身の鍛錬)価値主義(人間はいかにあるべきか)を教育の柱においていた。
郷中教育は青少年期の身体的、精神的成長発達の最も著しい発達段階において、人間形成に大きな影響を与え、明治維新では多くの人材を排出した。
加治木の教育機関として、江戸時代には「郁英館」、明治に入り「郷校」(後の小学校)、学舎としては「星雲舎」「有意舎」「郁文館」などがあり、講師は昭和24年~29年まで学舎「郁文館学生会」のメンバーとしての活動体験について次のような話がありました。
恒例活動として・・・「呼名」(○○サァーと苗字で呼ぶ)、「土曜日学習」(学習、詩吟、先輩の話)「日曜日の朝」(小烏神社の参拝と清掃)。特例行事として・・・「肝試し」「十五夜相撲」「遠行」「他の学舎との交流会」などが行われ人間形成に大きな影響があったが、現在も一部で行われてはいるものの、全体的に見て大きな影響を与えるまでには至っていない。
現在の青少年は部活動、スポーツ少年団活動、子ども会活動を通して、異なる年齢の人との交流と心身の鍛錬をしているが、郷中教育の良いところを取り入れて、青少年の健全な育成に前向きに取り組めるように、支援していきたいとの話があり、同感しました。
閉会のあいさつでは、会長より二人の講師の素晴らしい講演に感謝の言葉と、今後の活躍を期待するとの発言があり閉会しました。
事務局より、次回の日程について説明後、有志による反省会が近くの太平寿司で開催されるとの案内があり、場所を移動しました。
反省会では乾杯の後に会員による手品の披露、各自が立って行う自己紹介と感想等が述べら手れ、親睦を深めて閉会しました。
開会のあいさつ及び講師紹介(事務局長)
日本庭園の様式と鹿児島の庭園について説明する講師
郷中教育と加治木の学舎教育について説明する講師
閉会のあいさつ(会長)
行事予告の説明
反省会での乾杯(太平寿司)
反省会での手品の披露
反省会での自己紹介と感想など(各自)
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