2月8日、姶良市文化会館(加音ホール)において、法政大学教授・ジャーナリストの萩谷順氏による「日本の未来と地方の行方」の演題での文化講演会が開催されました。
開会の挨拶で、主催者の加治木町商工会会長より、講師の職歴・経歴の紹介があり、朝日新聞編集委員など歴任後、テレビ朝日「ニュースレーダー」キャスター、久米宏の「ニュースステーション」コメンテーターを歴任、朝日新聞退社後は法政大学教授で現在はテレビ朝日「スーパーJチャンネル」「TVタックル」のコメンテーターとしても活躍されていると紹介されました。
講演会はプロジェクターを使用して、日本の現状と未来について項目を整理して経済・財政問題や政治問題など幅広い視点で講演されましたが、特に印象に残ったことは日本の三大危機の本質を人間に例えると、
●経済の長期低迷と衰退は成熟国家になった結果→慢性の生活習慣病 ●地震・津波・原発事故は→骨折・肺炎などの急性の病気あるいは障害 ●世界経済危機は→急激な寒波あるいは猛暑
この3つが重なると治療は難しい→あちら立てればこちら立たずで、私たちがかって経験したことのない難局である。
国際競争力の低下の要因は高すぎる労働力コストと人口の高齢化で、生産年齢人口の割合は減る一方であり、内需に異存した経済だけでは、ますます衰退する。
アジアの成長を取り込んで外需を増やす必要があり、そのためには産業構造の転換のため
●企業活動の重視→政府は永続的雇用をつくれない ●とう小平の「先富論」にならえ→先に豊かになれるものから豊かになる ●競争の重視と公正な競争の保証→悪しき平等主義の排除 ●「金もうけ」を悪徳としない社会→健全な企業は「利益」を動機として育つ ●地方の潜在的エネルギーを解放する→地方こそが日本経済世界経済の基礎
などの対応が必要であるが、そのためには政治のリーダーシップが求めれる。
今回の講演会を聞いて先進国は経済成長を超える豊かな暮らしを続けた結果、赤字を国債で穴うめする、危機的な状態が続いており、特に日本の大変厳しい状況を改めて認識しましたので、今後も関心を持って見守っていきたいと思っています。
講師の公式ブログ「ジャーナリスト萩谷 順」にも今回の講演の内容の一部が掲載されているので関心のある人は検索してみてください。