東京オリンピックの無事閉会を記念し 応援企画 第六弾です
残暑お見舞い申し上げます。今日は8月7日花(ハナ)の日だそうです。
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コロナ禍の今、世界的経済誌『Forbes』のちょうど1年前の癒しのインターネット記事の紹介です。
『コロナを経て花の需要に変化 「鉢物」の人気が高まる理由』
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9割が「家に花やグリーンを飾りたい」
コロナ禍後の需要の特徴として、鉢物とフラワーベース(花瓶)が大きな伸び率を見せているのです。鉢物は観葉植物を中心として、アジサイやクチナシといった季節の花鉢も売れており、一番好調な店舗では前年の6倍売れているところもあります。
フラワーベースも同様に、ほとんどの店舗で昨年以上に好調です。全店での売上は1.5倍ほど伸びていて、オリジナルのミニベースから、インテリアとして枝ものと合わせやすいシンプルな円筒ベース、個性があるインポートのものまで幅広く売れ私が理事を務めている花の国日本協議会でも、5月初旬に1000人を対象にアンケートを行うと、面白い調査結果が出ました。
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「ご自宅で過ごす時間が長くなって以降、“花やグリーンを飾りたい”という心境になられましたか?」という問いに対し、65%の方が「以前に比べ、ものすごく花やグリーンを飾りたくなった」、25%の方が「以前に比べ、やや花やグリーンを飾りたくなった」と回答し、合算すると10人中9人が「花やグリーンを飾りたい」という気持ちが増しているということです。
これには自分の周りにも顕著に現れていて、久しぶりに経営者仲間で勉強会を開いた際に、「ベランダで植物を育て始めた」「庭にハーブや野菜苗を植えて楽しんでいる」という声が聞かれました。それまでは植物に全く興味がなかったことを知っているだけに、驚きました。
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店に立ち寄っているときでも、大きな枝ものをさらりと手に取る男性や、大きなユリの束をラッピングもせずそのまま肩で抱えて颯爽と去る男性がいて、その光景に思わず、「ここはパリだったっけ?」と目を疑いたくなりました。
この連載のタイトル通り、「Living With Flowers Every Day」をコンセプトにこれまで取り組んできましたので、日常に花がある生活が感じられ、熱い想いが込み上げてきます。
今までは、通勤途中にある公園の緑や街路樹など、日常生活の中で有機的なものを目にする機会が無意識にでもあったのだと思います。それが、長い自粛により、家の中に閉じこもり、定規で描いた様な直線やコンパスで描いた様な真ん丸に囲まれる生活になってしまいました。家に緑を求めるのが増えたのは、人間が生き物として、本能的に有機的な環境を求めている証拠であると感じています。
植物が、ヒトに存在意義を与えてくれる
近年、室内でペットを飼う人が増えています。これは癒やしを求めてのことは当然として、ペットと一緒に過ごすには、毎日食事や水を自分が責任を持って与える必要があり、そこには無意識に「自分がいないとこのペットは生きていけない。自分は必要とされているんだ」といった自分の存在意義を確かめたいという思考もあるように感じます。
そして、観葉植物の需要が伸びている理由は、その延長線上にあたるのではないかと思います。花も植物も水をあげなければ枯れます。肥料をあげたり、葉を摘み取るなど手間をかける必要があります。私たちは、ただビジュアルとして花や緑を置きたいだけでなく、手入れをする、責任を持つということで、自分の存在意義を感じたい生き物なのかもしれません。
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実際に、20代男性が増えたという店舗の店長の話によると、一度目の来店では購入せず、何度か接客して説明をしたあと、大事そうに手のひらに抱えて「この植物をください」と購入に至るケースが何度も続いたそうです。モノとしてではなく、「生命あるものを飼う」という意識で購入する。そう考えると、この人間の本能に基づいた行動は、一時的なブームではなく、長きにわたって定着していくのではないかと感じています。
街を見渡すと、花を手にする人を以前より見かけるようになりました。これから続いていくアフターコロナの生活で、自分の気持ちを豊かにできるものは、人それぞれにあると思います。それが花や緑であるならば、そのお手伝いを精一杯していきたいと思います。
以上、Official Columnist 株式会社パーク・コーポレーション 代表取締役 井上英明さんの記事でした。
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