髪見!十人十色

市川の理容室の店主が綴る日記です
スワローズと釣りの記事がほとんどですが、よろしくお願いします

ヒゲのお話

2021年01月20日 | 
最近、コロナ感染予防の為に、ほとんどの人がマスクをしています。

そのマスクに隠れるからなのか、お客様の中には「ヒゲ」を伸ばしたままの方が多くなってきました。

いわゆる、「不精ヒゲ」というものです。

最近は、「ヒゲ」もファッションの一部として、一昔前には「不精ヒゲ」と言われていたヒゲも「格好いいヒゲ」として認められています。

さて、ここからは僕の私見となりますが、「感染予防を考えた時、果たしてヒゲは?」というお話になります。

人間は口から入った異物を排除するために、くしゃみやせきをするという事は、みなさんご存知だと思います。

ヒゲの太さは約0.08mmと言われています。

また、密度は1㎠に約200本とも言われています。

さて、数学の問題です。

鼻の下にヒゲを1cmの長さで生やした場合、ヒゲ全体で、どれだけの表面積になるでしょうか?

仮にヒゲが円柱状の形をしていたと仮定して、円柱の側面の表面積は

0.08mm×3.14(髭の円周の長さ)×10mm(髭の長さ)=25.12㎟

鼻下の面積が4㎠だとした場合、そこに生えている髭の本数は800本

つまり、

800(本)×25.12㎟=20096㎟

1cm=10mmですので、約201㎠という事になります

単純に考えれば、10cm×20cmの広さ分の表面積が増えているという事になります。

ヒゲが無い場合、くしゃみやせきをした後、マスクを交換し、口元をしっかりと拭けば、ほとんどのウィルスや雑菌は取れてしまうと思われますが、ヒゲを伸ばした状態だと、この面積分のほとんどが拭けない状態であると思われます。

髭を伸ばし過ぎて、口に入るくらいになっている方は、毛細管現象によって、せっかく吐き出したウィルスや細菌を、再び口の中に戻してしまっている可能性が「0」ではないかも知れません…

僕自身は、休みの日以外、しっかりと毎日剃っていますので、あまり気にはしていなかったのですが、先日ある知り合いの方から、「ヒゲを伸ばしたままだと、不潔に感じる」とのご意見をいただき、その時は「しっかりと手入れをしていれば、今はヒゲをファッションとして認めているようですね」とお答えしましたが、「不潔」という言葉に「感染」という言葉が連想されてしまい、「だったら、ちょっと考えてみるか!」と軽い気持ちで、計算してみた結果が、この文章になりました。

僕は感染学なんて、学んだこともない素人ですので、この「200㎠」の表面積が、感染に対して、どれだけ影響するのかは、まったく判りません…

ただ、数字だけを考えると…鼻の下にヒゲを伸ばすだけで、結構な面積があるんだなぁ…と…

理容師をしているので、決してヒゲを否定しているのではありません。

上手に手入れをして、格好よく伸ばされている方はいっぱいいます。

ただ、正直に言わせていただければ、「思ったよりも広い面積分が増えているんだなぁ…」と思いました。

商売っ気抜きにして

2021年01月16日 | 
多くの皆さんが、「髪の毛を切る」という事に関して、一つ大きな勘違いをしていると思いますので、ここで一発述べさせていただきます。

床屋の親父がこういう事を書くと、「商売っ気出しやがって…」と思われてしまうかも知れませんが、科学的な理由があるので書かせていただきます。
(商売っ気が全くないと言えば、完全なるウソになることは否定しません)

さて、皆さんは「風邪をひく」原因の一つに「体力の低下」がある事はご存知だと思います。

この体力の低下に「温度差」がある事も、ある程度認識してらっしゃると思います。

実は、体感温度の上下動によって、「交感神経」と「副交感神経」が無意識のうちに働いているのです。

体温を上げるためには交感神経が、下げるためには副交感神経が働いています。

この「交感神経」と「副交感神経」は真逆の作用を体にもたらす、「自律神経」であり、先程も言った通り、無意識のうちに勝手に働いているものです。

実はこの「交感神経」と「副交感神経」を切り替えるとき、人間はかなりの体力を使っているらしいのです。

さて、多くのお客様が「寒いと風邪ひくと思うから、髪の毛を切りたくないんだよね…」とおっしゃいます。

実は、長い髪の毛を一気に短くすることは、首元の体感温度を大きく変えてしまいます。

つまり、伸びた髪の毛によって温かいと感じていた首元を、一気に短い髪の毛に変えることで、一瞬にして「寒い」と感じるようにしてしまう…

交感神経と副交感神経の作用を一気に逆転させてしまうのです。

そうなると、無駄に体力を使うことになりますよね…

風邪をひきやすい条件を、自分で作ってしまっているとも言えるでしょう。

長ければ長いままで、短ければ短いままで、普段から体感温度の差を小さくすることが、風の予防になると、僕は思っています。

新型コロナウィルスの発症が、年配者より若い人たちに少ないというのは、基本的に体力があるからだと思います。

ならば、年配者の方ほど、定期的(理想は月一)に首周りの髪の毛を切り、温度差を感じないようにすることが、発症の予防に一役買うと思うのですが、どうでしょう?

もちろん、実証したわけではないので、医学的な根拠もなければ、科学的な根拠もありません。

ただ、長いにしろ、短いにしろ、女性と違って、首元を常に覆っているような髪の毛の長さではない方が多い男性には、しっかりと切って、体感温度差をなくした方が、無駄な体力を消耗しないで済むと思います。

それともう一つ

長いとお風呂に入って頭を洗った後、ドライヤー等を使わないで自然乾燥をしている方は、多くの熱量を体から奪われているという事実がある事。

「気化熱」の問題です。

髪の毛に残っている水分は、乾くとき気化熱というものを周囲から奪っています。

髪が長ければ長いほど、頭部に蓄えられている水分は多いので、多くの気化熱が奪われています。

一瞬にして奪われるのではないので、気が付きにくいのですが、確実に体温が奪われているのです。

体温を維持するために、多くのエネルギーを使うことになるのです。

最近、話題になっている「お風呂場でヒートショック」

温度差のある場所で起こる、命のやり取りになる危険な状態です。

温度差を気軽に考えると、最悪の場合は命を失ってしまうという現象です。

髪の毛の長さが一気に変わることで、ここまでのリスクはないと思いますが、「温度差」が人間の体力や健康に大きく作用していることが判っていただけると思います。

「おまえ、商売っ気満々じゃないか!」

と思われる方は、それでも構いません。

実際に半分は商売っ気で書いてます。

でも、根拠が全くない話ではない事はわかっていただきたく思います。