ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 11ページ目 若手天才ソムリエシュヴァリエ来日

2011-12-18 19:00:00 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【11ページ】


 ルヴォル大使は、専属ソムリエのラプリュイにシートを手渡しながら、

「これを使ってワイン会の後、シャガールとピカソのラベルを剥がしてほしいのです。」

「承知しました。」

「プレイベートワイン会の記念として、記録と共に残しておきたいのだ!」


 翌日、ルヴォル大使のプライベートワイン会が、大使館のパーティールームで

開催された。

プライベートワイン会に招待された和音は、ルヴォル大使に挨拶をした。

「今夜は、ワイン会にお招き頂き、光栄です。」

「いや、こちらこそ和音さんに来て頂き感謝しています。」

そして、ルヴォル大使は、隣に立っているシュヴァリエを紹介しようとした。

「和さん、あっ失礼! 『和さん』と愛称で呼んでもいいかね?」 
 
「ええ、もちろん。」

「和さん、紹介させてください」

和音は、ルヴォル大使の横に立っている若者に視線を移した。

「こちらは、シュヴァリエです。フランス新人最優秀ソムリエコンクールの優勝者で

 30年に一人の天才だとうわさされています。」

「名前は、お聞きしています。フランスの知人が『すごいソムリエが現れた』と

言っていましたよ!」

シュヴァリエが想像していたよりも和音の背は高かった。

「初めまして、シュヴァリエです。」