ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 22ページ目 若手天才ソムリエシュヴァリエ来日

2011-12-30 20:29:17 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【22ページ】


 シュヴァリエは、和音がワイン名とヴィンテージの答えを出さないので、イラつきの

表情が浮かべた。

「おや!」和音は驚きの声をあげた。

「彼らのテーブルの上に、何て大きなワイングラスが置かれているのだろう。

そして、ソムリエは、それらのワイングラスに『ナミナミ』とワインを注いでいる。」


 和音は、目を開けて、ルヴォル大使を見つめた。ワイン名とヴィンテージの答えは、

これでどうですか?と言っているようだ。

「今までの和さんの話が、ワイン名とヴィンテージの答えだと?」

ルヴォル大使は、和音の話から、彼のワイン名とヴィンテージの答えを見抜いた。

「シュヴァリエ、それで異論はないかね?」

「異論はないかと言われても、和音さんは、何も答えていませんが?」

「ロックフェラー、ケネディ、オナシスなど大富豪や大政治家が愛飲して、上流階級の

ステータスシンボルにのぼりつめたワインの逸話を知っているよね?」

「ええ、その話は勿論!しかし和音さんがそのワインのことを言ったと仮定しても

 ヴィンテージは答えていませんよ!」

「和さん、シュヴァリエが納得するように答えてやってもらえないですか?

彼は若手天才ソムリエですが、まだ遊びのセンスが少し欠けているようです。」

「私の答えは、ボルドーでもっとも小さな地区、ポムロールのシャトー・ペトリュス

です。ヴィンテージは1973年です。」

「シュヴァリエも1973年のシャトー・ペトリュスと思いますか?」