今、自衛隊の在り方を問う!

急ピッチで進行する南西シフト態勢、巡航ミサイルなどの導入、際限なく拡大する軍事費、そして、隊内で吹き荒れるパワハラ……

自衛隊の南西シフト態勢下の軍事要塞としての姿を現した馬毛島―防衛省の地元説明会資料を暴く‼

2019年12月28日 | 自衛隊南西シフト
 防衛省・自衛隊、「自衛隊馬毛島基地」の建設を宣言‼


 報道のように、防衛省の山本朋広副大臣は、2019年12月20日、種子島の西之表市を訪れ、八板俊輔市長に島の買収状況や活用方針を説明した。この場で防衛省・自衛隊は、種子島に新たに「自衛隊馬毛島基地(仮称)」を置くとともに、「自衛隊機などの訓練」を行う意向も示した。また、米空母艦載機のFCLP(空母艦載機着陸訓練)は、年に1、2回、それぞれ10日間ほど行われると通告した。「その他の期間は、自衛隊が訓練を実施する方向で検討」し、基地で働く自衛隊員は「少なくとも100人」(省担当者)で、「隊舎は馬毛島から約12キロ離れた種子島に置く」とした。

 南西シフト態勢下の、「島嶼戦争」下の、基地化・軍事化を通告

 さて、問題は従来、防衛省が少し曖昧にしてきた(メディアに迎合して)、馬毛島の南西シフト態勢下の基地化、「島嶼戦争」下の基地化をこの段階で明確に宣告したことだ。
 西之表市への「ご説明資料」の「馬毛島の自衛隊施設の整備について」は、「南西地域における防衛態勢の充実のため、自衛隊施設を整備するとともに、その施設においてFCLPを実施するための候補地として検討」と明記する。
 また、同説明資料は、「馬毛島に自衛隊施設を整備する必要性」の頁において、「我が国島嶼部に対する攻撃への対処等のため南西地域に自衛隊の活動拠点を整備」とはっきりと宣言する。
 さらに、「自衛隊施設利用のイメージ」の頁では、「馬毛島基地は自衛隊が主に訓練場として使用し、災害等の緊急事態には人員物資の集積展開拠点とする」としている。ここでは「災害等」とごまかしているが、この「集積展開拠点」とは、筆者が繰り返し指摘したきた南西シフトへの「兵站拠点=事前集積拠点」だ(軍事用語では事前集積拠点)。




 陸海空の統合的訓練拠点としての馬毛島

 こういう事前集積拠点=兵站拠点であると同時に、「同利用のイメージ」では、訓練内容として「①他地域からの展開訓練」として「機動展開訓練」とし、F35、F15、F2などの空自の戦闘機訓練をあげる。また、「②島嶼防衛のための訓練」では、「離着水訓練」(海自)、「へリボーン訓練・空挺降下訓練」(陸自)などをあげ、文字通り陸海空の統合訓練基地として造ることを通知している。
 まさしく、馬毛島は、巨大な兵站基地=事前集積拠点であると同時に、南西シフト態勢の一大訓練基地=出撃基地として造られるということだ。しかも、この巨大基地は、陸海空統合の「自衛隊基地」として、三軍統合基地として造られようとしている。そして、この基地は、単なる訓練基地ではなく、先島―南西諸島への、「島嶼戦争」への、出撃基地=機動展開基地として確保されるということだ。


 南西シフト態勢下の馬毛島は陸海空・米軍の数千人の要員配置!
 
 防衛省は先の資料で、馬毛島には飛行場、格納庫、庁舎、燃料タンク、火薬庫、宿舎(種子島に)、港湾施設を整備するとしている。見て分かるとおり、単なる訓練施設であれば、「火薬庫」は必要ない。かえって危険になる。だが、馬毛島に火薬庫を造るというのは、この施設が兵站拠点としてあるからだ。
 問題なのは、これほどの巨大軍事基地を造るというのに、防衛省は人員が「少なくとも100人」と、徹底的に過小申告していることだ。例えば、空自入間基地(要員約4千人)を見れば明らかだが、この陸海空の統合基地(初めての統合基地‼)がこの少人数で運用できる訳がない。最低1千人(~数千人)は配置されるのは不可避である。
 馬毛島には、どういう基地が造られるのか? メディアは、本当の具体的内容を報じてきたのか? 整理すると、防衛省の資料からすれば以下のように予測される。

・南西シフト態勢下の陸自の「上陸演習・訓練拠点」
・南西シフト態勢下の陸海空の「事前集積拠点」(兵站物資)
 ――南西シフト態勢下の、航空輸送拠点
・航空自衛隊のF-15、F35A、F35B等のの航空基地兼FCLP
・米軍のFCLP
・米軍オスプレイの普天間基地の訓練軽減基地(自衛隊の水陸機動団のオスプレイ使用も予想される)
・海上自衛隊対潜哨戒機(P-3C、P-1)の航空基地、飛行艇の訓練基地
・陸上自衛隊の空挺・へリボーンなどの上陸演習・訓練基地
・災害派遣等の物資拠点(欺瞞的な!)
*種子島の陸海空のベースキャンプ、米軍のベースキャンプ(「国を守る」他に明記)

 
 まさしく、戦慄するかのような、陸海空自衛隊、そして米軍の、文字通り要塞島だ。そして、重大なのは、この巨大基地に配置される自衛隊と米軍の要員だ。おそらく、米軍は100~300人規模と推測されるが(防衛省発表では、人員配置はしないというが配置は不可避)、自衛隊は合わせて1千人から数千人は下らないだろう。人口3万5千人の種子島に数千人の自衛隊と米軍!
 これは、南西シフト態勢下の、先島―南西諸島への最大の兵員投入であり、最大の航空基地ー事前集積拠点ー上陸演習拠点→要塞島となるだろう。

 馬毛島ー種子島の一大軍事化・要塞化――「鎮西演習」を通じた種子島の演習拠点化と宣撫工作

 馬毛島の基地化は、陸海空・米軍の「要塞島」に留まることだけではない。馬毛島の軍事化は、種子島全島の軍事化であり、馬毛島のベースキャンプとしての役割だけではなく、種子島の「全島の軍事化」に不可避的に繋がるのだ。
 実際、今年秋の中・南種子町での「鎮西演習」や米軍との共同訓練(昨年)に見るように、種子島全島の訓練基地・演習場化が急ピッチで進行している。演習場ではない、市街地において自衛隊の作戦部隊の演習が、至るところで行われているのだ(生地訓練)。
 この中で、旧種子島空港の軍事化も間違いなく進む(2018年日米海兵隊の演習場)。すでに、報道でも発表されているが、南西シフト態勢下の先島―南西諸島での民間空港の軍事化ーF35Bなどの基地化は、自衛隊制服組のプランになっている(与那国・石垣島・宮古島・南北大東島と発表。「いずも」型の空母改修よりも、こちらの軍事化は先行する!)。

 結論は、東京新聞を始め、マスメディアの事実隠しと、世論誘導がなしたことは、地元住民に対する、この「自衛隊の要塞化隠し」である。つまり、米軍のFCLP基地だけを報道することにより、自衛隊による軍事化(南西シフト態勢)を徹底的に隠したのだ。
 この結果は、どうなったのか? 自衛隊はそのマスメディアの報道を見すえて、すでに5年以上前から種子島で「鎮西演習」などを繰り返し、自衛隊の演習・訓練に地元住民を慣れさせる、という宣撫工作を徹底した行ってきた。

(南種子町のビーチへ上陸してきた水陸機動団2018年10月)

 そして今や、種子島の地元では、中種子町・南種子町に表れているように、演習歓迎だけでなく「自衛隊誘致」の動きさえ出始めているのだ。――これが東京新聞などの世論誘導の結果である。自衛隊批判、自衛隊との対峙を、地元の人々がなそうとすることが、圧倒的に遅れたのだ。マスメディアが、馬毛島ー種子島の自衛隊使用を隠蔽し報道しないことによって(事実わい曲報道)、自衛隊は住民の「懐」入り込んだ、ということである。

 マスメディアが隠蔽してきた、日米の南西シフト態勢下の馬毛島ー種子島、奄美大島――薩南諸島の軍事化・要塞化

 明らかなように、この馬毛島ー種子島の軍事化は、奄美大島の自衛隊基地造り(2019年3月開設)と合わせて、同地域が南西シフト態勢下の、一大「機動展開拠点」として、作戦化されたことによるものだ。つまり、日米の「島嶼戦争」の、航空作戦拠点としてだけでなく、機動展開拠点として位置付けられたということだ。その意味からして、馬毛島ー種子島ー奄美大島は、自衛隊の南西シフト態勢の、戦力としても兵員としても、最大の軍事基地になろうとしていることだ。

 これらの事実は、防衛省がそのホームページ(「国を守る」)で公表し、西之表市が「ご説明資料」(同市のサイトに公開)で明確に公表、掲載している。しかし、この事実をここに至っても隠蔽することは、もはや戦争翼賛勢力に転落していると言っても過言ではないのだ。
「国を守る」https://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saihen/pdf/kuniwo_mamoru.pdf
「ご説明資料」http://www.city.nishinoomote.lg.jp/material/files/group/9/88705920.pdf




 外務省サイトが公開している馬毛島の位置付け

 防衛省が公表し、西之表市が公開しているのは、この自衛隊の南西シフト態勢下の馬毛島基地建設が、政府の公然たる決定であるからだ。もっとも、この決定は、当事者の西之表市などの頭ごなしに、日米合同委員会が決定を下したものである。地元住民はもとより、自治体にさえ知らせずにー。

 外務省は、以下のように日米合同委員会(2+2)の決定を公表している。2011年の「在日米軍再編の進展」ではー
「日本政府は、新たな自衛隊の施設のため、馬毛島が検討対象となる旨地元に説明することとしている。南西地域における防衛態勢の充実の観点から、同施設は、大規模災害を含む各種事態に対処する際の活動を支援するとともに、通常の訓練等のために使用され,併せて米軍の空母艦載機離発着訓練の恒久的な施設として使用されることになる。」と。https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/pdfs/joint1106_02.pdf

 また、2019年4月の同委員会ではー
「閣僚は、昨年の厚木飛行場から岩国飛行場への空母航空団部隊の移駐を歓迎した。米国は、新たな自衛隊施設のための馬毛島の取得に係る日本政府の継続的な取組に対する評価を表明した。同施設は、大規模災害対処等の活動を支援するとともに、通常の訓練等のために使用され、併せて、米軍による空母艦載機着陸訓練(FCLP)の恒久的な施設として使用されることになる」と。https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000470737.pdf

 繰り返さないが、主語は自衛隊施設、「併せて米軍FCLP」である。このような、公然たる日米政府の決定さえも隠蔽するマスメディアとは何か? 民衆を愚弄するのもいい加減にしろ、といいたくなる。

 馬毛島(種子島)の要塞化に抗する、「本土」・沖縄・先島の連帯を創り出そう‼

 この政府・自衛隊の、マスメディアと一体化した策動を的確に見抜き、今、真っ向から対峙していく世論と運動を創り出すべきときが来ている。宮古島・石垣島などの先島では、未だに自衛隊のミサイル部隊配備を阻み、厳しいながらも、必死の抵抗が続いている。今なら、まだ、この琉球弧のミサイル基地化ー軍事化を止めることが出来る。権力の意図を打ち砕くことが出来る。

 そして、地元種子島では、馬毛島の軍事化に対する反対の声が、市民の多数を占めていることだ。西之表市市長(馬毛島の行政区)も、前回の市長選において、馬毛島軍事化反対派として当選した。先島―南西諸島の自衛隊配備反対の闘いの教訓は、市民多数が反対し、市長を含む自治体が反対したとき、政府・防衛省は、基地建設を強行することが出来ない、ということだ。
 馬毛島ー種子島の闘いに連帯しよう!


●「先島―南西諸島の軍事化・要塞化に抗し、 同地域の非武装化を求める共同声明」のご賛同のお願い
 https://blog.goo.ne.jp/shakai0427/e/00827ecc81d5af6c9c14194092bd04ef?fbclid=IwAR3bG7zkY3qWMK29zqeGTL

●参考資料 『要塞化する琉球弧―ミサイル戦争の実験場と化す南西諸島』

https://hanmoto.tameshiyo.me/9784907127268






南西シフト態勢下での急ピッチで進む徳之島の軍事化(→奄美ー薩南諸島の)をバクロする!

2019年12月13日 | 自衛隊南西シフト
 自衛隊統合演習による「民間空港の活用」として進行する徳之島空港の軍事化


 (情報公開文書、以下同)

 この間、筆者は、南西シフト態勢による奄美大島・種子島(馬毛島)の軍事化・要塞化について、厳しい批判をしてきたが、この「薩南諸島」の南端である徳之島で急速に進む軍事化についても厳しい批判をしなければならない。
 徳之島では、すでに、陸自・西部方面隊による「鎮西演習」などで、地対艦ミサイル演習などの演習・訓練が頻繁に行われていた。
 だが、今回明らかになったのは、この「鎮西演習」とは、別に、空自の航空総隊演習、日米共同統合演習などで、徳之島、とりわけ徳之島空港が頻繁に使用されていたということだ。

 「陸海空協同対艦攻撃作戦」「協同防空作戦」演習で使用されている徳之島空港

 2017年度、2018年度の航空総隊司令部・防衛部による、自衛隊統合演習(29・30JX [FTX]むさし18-1)によると、「訓練項目」として、「他自衛隊及び民間飛行場を……活用するため人員及び航空機を展開、運用を演練」とし、その訓練項目の中に「陸海空協同対艦攻撃作戦」「協同防空作戦」「基地警備訓練」などが上げられている。
 
 つまり、徳之島空港で行われている演習は、奄美空港における中継基地としての訓練ではなく、文字通り空自の航空戦闘演習が行われているということだ。
 例えば、「陸海空協同対艦攻撃作戦」とは、空自の対艦戦闘攻撃機F-2を使った訓練・演習であることは明らかだ。しかも、陸海空の「協同訓練」とされていることから、地対艦・地対空ミサイルとの「友軍相撃」を防ぐための協同訓練も行われているのだ(陸自教範『地対艦ミサイル連隊』などによると、友軍相撃防止が大きな課題)。

 南西シフト態勢下の兵站拠点・訓練拠点としての薩南諸島

 すでに、繰り返し当ブログでも書いてきたが、奄美大島・種子島などの薩南諸島は、日米の南西シフト態勢の機動展開拠点、兵站拠点、訓練拠点として位置付けられている。「鎮西演習」などでの訓練・演習、機動展開訓練などの、市街地を蹂躙した演習・訓練が頻繁に行われているのだ。もちろん、この地域は、奄美大島にみるようにすでに巨大基地建設(2箇所)が行われ、南西シフト態勢の一大拠点となっている。
 問題は、これら奄美大島・種子島などに加えて、ついに徳之島がこの南西シフト態勢下の一大演習場として組み入れられていることだ。このことは、徳之島自体に南西シフト態勢下の新基地が造られることが時間の問題となっていることを意味する。

 かつて、徳之島には旧日本軍・陸軍の旅団が駐留し、一大基地であったが、ここに再び自衛隊は基地建設を虎視眈々と狙っているのである。すでに、徳之島では、自衛隊の誘致運動まで始まっていることは、述べてきたとおりだ。

 先島―南西諸島の島々に連帯する運動の構築を

 徳之島ー奄美大島ー種子島(馬毛島)は、南西シフト態勢の兵站拠点・機動展開拠点・訓練演習拠点として位置付けられおり、この地域(薩南諸島)の島々の軍事化が急速に進んでいる。全国メディアが報道規制している中で、今や、この琉球弧全体(第1列島線)が軍事化・要塞化されようとしているのだ。私たちは、この恐るべき事態をいつまで見過ごすのか? もはや、メディアが報道しないから知らない、といういい訳は通用しない。 

 そして今現在、宮古島・石垣島では、この南西シフト態勢下のミサイル部隊配備を阻むたたかいが、必死に繰り広げられている。
 宮古島では、保良ミサイル弾薬庫建設を止めさせるために、連日にわたって建設現場で抵抗運動が続いている。
 石垣島では、市議会保守派の住民投票条例廃止という前代未聞の暴挙に、住民たちが議会内外で起ち上がっている。

 宮古島でも、石垣島でも、未だに「ミサイル基地」はできてはいないのだ! ミサイル部隊の配備を止めているのだ。まだ、遅くはない。この南西シフト態勢という、対中国の「島嶼戦争」=海洋限定戦争づくりは止められるのだ。

 私たちは、このために、「先島―南西諸島の軍事化・要塞化に抗し、同地域の非武装化を求める共同声明」の賛同の呼びかけ! を行っている。ぜひとも、全国から賛同署名をよせていただきたい。ここから「先島―南西諸島軍事化」へ反撃しよう! 全文は以下に。https://blog.goo.ne.jp/shakai0427/e/00827ecc81d5af6c9c14194092bd04ef?fbclid=IwAR2M85e6_qQvU6MDx5uiBrakvshgAnZZ-2I60zMuFpv4a5qMIdSzGO_42rs





(徳之島での演習「むさし18」とは航空総隊演習)


(徳之島の天城町・徳之島町・伊仙町による防衛省への誘致の陳情、2018/5/27)



 

「先島―南西諸島の軍事化・要塞化に抗し、同地域の非武装化を求める共同声明」のご賛同のお願い

2019年12月03日 | 軍事・自衛隊

 「先島―南西諸島の軍事化・要塞化に抗し、同地域の非武装化を求める共同声明」のご賛同のお願い
――私たち「本土」の市民は、先島―南西諸島のミサイル基地化を、自分たちの生存に関わる問題として捉え、ともにこの地域の軍事化を阻む、重大なときにあります!



 現在、石垣島・宮古島を始め、先島―南西諸島の基地化=軍事化が、急ピッチで進行しています。
 2016年与那国島には、陸自沿岸監視隊が開設、続いて2019年3月宮古島駐屯地、奄美大島駐屯地・奄美瀬戸内分屯地が開設。また今年3月石垣島では、駐屯地の造成工事が始まり、さらに種子島―馬毛島では、日米共同基地化の動きが強まっています。
 特に、この3月石垣島駐屯地着工、10月宮古島・保良ミサイル弾薬庫着工は、いよいよこの地域のミサイル基地建設=琉球弧ミサイル要塞化への、重大な段階がきていることを現しています。

 しかし、この厳しい局面の中でも石垣島では、多くの人々の住民投票を求める運動とそれを拒否する市当局に対する裁判が始まり、宮古島ではミサイル弾薬庫建設を阻む地域住民の抵抗が連日、工事現場で行われています。


 これら先島―南西諸島へのミサイル部隊配備―ミサイル戦場化の動きは、メディアの報道自粛の中で、全国の市民に事実自体が伝わっていません。そして、政府・自衛隊は、それを奇貨として、先島・奄美・種子島だけでなく、沖縄島への地対艦ミサイル部隊配備、陸海空自衛隊の増強を一段と進めています。しかも自衛隊は、2025年までに、現在の南西諸島への対艦・対空ミサイル部隊配備に加え、「島嶼防衛用高速滑空弾部隊・2個高速滑空弾大隊」の南西諸島配備も決定しています(2018年防衛計画大綱)。南西諸島を「ミサイル戦争の実験場」にしようとしているのです。

 辺野古新基地の建設と沖縄全島の「日米共同基地化」も、その一環です。昨年暴露された2012年統合幕僚監部の「動的防衛協力」においては、全沖縄米軍基地の日米共同使用が実際に計画されていることが明らかになりました。
 私たちは、このような辺野古新基地を阻む世論の広がりとともに、現在、凄まじい勢いで進行する自衛隊の先島―南西諸島配備を阻む、大きな世論が求められていると思います。

 2018年『琉球新報』のインタビューで岩屋防衛大臣(当時)は、「南西諸島は日本防衛の最前線」と言明(2018/11/11)。まさしく政府・自衛隊は、10万人以上の先島住民の犠牲の上に、再び沖縄―南西諸島を戦場とする「対中国の島嶼戦争=海峡戦争」を構えているのです。宮古島・保良、石垣島・平得大俣で建設予定の、破壊力の凄まじいミサイル弾薬庫建設こそ、この住民の命を軽んずる日本軍以来の軍隊の横暴に他なりません(両地域とも住宅地の約200㍍にミサイル弾薬庫設置)

 沖縄は、かつて非武装の島でした。1944年日本軍の沖縄上陸以前、軍事基地はもとより一兵たりとも軍隊は存在しません。与那国・石垣は、戦後完全に「非武の島」。自衛隊は、今この地域を「防衛の空白地帯」とし軍事化を進めようとしますが、戦後74年間非武装の島に、軍隊は必要ありません。
 この沖縄(奄美)の再戦場化という凄まじい事態に、私たち「本土」の市民は、自分たちの生存に関わる問題として捉え、ともにこの地域の軍事化を阻む世論を創りだすべきだと思います。
 どうぞ、先島―南西諸島の人々の平和を求める声に応える、全国の良識ある人々への「非武装を求める共同声明」へのご賛同をお願い致します。
                                                      2019年12月1日

発起人(敬称略)
蟻塚亮二(精神科医)、石川逸子(詩人)、岩崎眞美子(フリーランスライター)、植松青児(雑誌編集者)、石原真樹(ジャーナリスト)、大内要三(ジャーナリスト)、大竹秀子(Stand With Okinawa NYコーディネイター)、川口真由美(シンガーソングライター)、木村紅美(作家)、栗原佳子(ジャーナリスト)、小西 誠(軍事ジャーナリスト)、坂手洋二(劇作家・演出家)、坂内宗男(キリスト者政治連盟委員長)、家)、阪上 武(沖縄と千葉を結ぶ会)、佐藤 泉(青山学院大学教員)、新藤健一(フォトジャーナリスト)、丹下紘希(人間/映像作家)、出口綾子(編集者)、DELI(松戸市議会議員・ラッパー)、豊島耕一(佐賀大学名誉教授)、富田英司(「静岡▪沖縄を語る会」共同代表)、辻村千尋(自然保護アナリスト)、永田浩三(ジャーナリスト)、中川 敬(ソウル・フラワー・ユニオン)、浜野佐知(映画監督)、彦坂諦(無銘作家)、福島みずほ(参議院議員)、増田都子(元社会科教師)、増田 薫(松戸市議会議員)、森 正孝(戦争をさせない1000人委員会静岡・共同代表)、森口 豁(フリージャーナリスト)、森口ゆうな(高江の森を守り隊)、よしむらしゅういち(自営業)

*事務連絡先 東京都中野区大和町1-12-10 小西誠気付・090-6000-6952 FAX03-3310-6561  shakai@mail3.alpha-net.ne.jp

*ご賛同はファクスか、電子メール、郵送でお送り下さい。

●私は「先島―南西諸島の軍事化・要塞化に抗し、同地域の非武装化を求める共同声明」に賛同します。

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